レビュー

ガンプラ「HGUC 1/144 ガンダムGP03 デンドロビウム」レビュー完成編

あるんだ……3号機が!超大型キットが21年の時を超え遂に完成

【HGUC 1/144 ガンダムGP03 デンドロビウム】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2023年12月15日(初販:2002年3月中旬)

価格:30,800円

ジャンル:プラモデル

サイズ:[ステイメン] 全高約125mm

[オーキス] 約850(全長)x 470(全幅)x350(全高)mm※台座含む

 前編に引き続き「HGUC 1/144 ガンダムGP03 デンドロビウム」後編に突入していきましょう。後編ではオーキスとドッキングする「ガンダムGP03S ステイメン」を組んでいくことになります。ステイメンは通常のガンダムタイプですけれどもHGUCシリーズとしては初期の頃のガンプラでもあります。この記事ではその実力を堪能していきたいと思います。

「HGUC 1/144 ガンダムGP03 デンドロビウム」(2002年3月発売)

 ステイメンとしては先に2001年4月にMG(マスターグレード)で発売。1991年映像作品の公開の時には設定されていなかった“コアファイター”が追加されたキットでした。その後2001年12月にHGUC版として単品発売もされました。HGUC版ステイメンには非変形版のコアファイターが付属。キットのナンバリングは“025”となっていましたが、この時点ではデンドロビウム発売の予告はなかったように記憶しています。

「HGUC 1/144 ガンダムGP03S ステイメン」パッケージアート(2001年12月発売)

 このキットはコアファイターの存在もそうですが、単体版を組んだ筆者は当時(21年前)のHGUCクオリティを超える設計だと感じたのを今でも覚えています。ステイメンの設定ではオーキスの武器コンテナから装備を取り出すために前腕部にフォールディング・アームを内装、リアアーマーにはオーキスとのドッキング機構を備えたバインダーを装備していて、それを実現していました。“最新HGはここまでやれるのか!!”と驚いたものです。まさかその後にデンドロビウムが控えているとは知らずに……です。

【HGUC 1/144 ガンダムGP03S ステイメン】

 単体版発売後にデンドロビウム発売の知らせを聞いて、このキットの超越した設計がそのためでもあったのだ……と合点がいくとともにガンプラが進化とそんな大きなキットが企画・設計・発売されることでガンプラワールドがどんどん広がっていく様を感じられて、ドキドキワクワクがわいてきたのも懐かしい記憶です。それではデンドロビウムに付属するステイメンのレビューを進めていきましょう! オーキスとのドッキングが楽しみですね。

ステイメンのキット内容をチェック!

 それでは再掲になりますがステイメンのキット内容をチェックしていきましょう。ランナーはA~E、PC-123+ポリパーツ、シールとなっています。成形品は計7枚と現在の感覚からすると少ない印象ではあります。メカフレームもそれほど多くないのですが折りたたまれる機構を持ったフォールディング・アームの存在がその後のガンプラシリーズの進化へつながる設計だったのではと感じられます。

【キット内容】
A:ステイメン装甲類
B:ステイメン装甲等
C:【2枚】ステイメン装甲等
D:ステイメンメカフレーム、装備等
E:ステイメンメカフレーム
PC123+ポリパーツとシール
※下の大型ビーム・サーベルはオーキスのものです

組立開始。ステイメンはオーキスに包まれる雄しべ!

 まずは脚部から組んでいきます。HGシリーズに本格的なメカフレーム構造が取り入れられていく前に登場したガンプラですのでそこまで凝りに凝った機構ではありませんので組み立てはそれほど難しくないです。これはステイメン全身にわたって同様の感覚です。

 現在の視点から見ると簡素化されている感想もありますが、大腿部・膝関節・脛下・ソールといった各部を個別に組んで最後にドッキングさせていく手法だったり、関節類をカバーするメカフレームもあったりと当時のガンプラが都度進化してきた過程を垣間見ることもできて“後学”的な感覚も得られそうです。

【組立:脚部】
大腿部・膝関節・脛下・ソールといった部位ごとに組み立てられる構成になっています
大腿部は股関節部では回転せず中にポリパーツを内包するだけです
脛下には簡易メカフレームとしてメカ色の軸パーツを内包します
ソール裏にはバーニアのモールドがあります
くるぶしのメカフレームにはシリンダー状のディテールがあります
膝関節にはメカ色のポリパーツカバーがあり塗装にも対応できます
スミ入れしてやるとステイメンの特徴的なディテールがくっきりしそうです
この頃のHGシリーズの関節可動範囲は現在から見ると狭いと言わざるを得ないですね

 腕部はステイメンの特徴である前腕の“フォールディング・アーム”です。読んで字のごとく、折りたためる腕であり主にアームドベース・オーキスのコンテナにある武装を取り出すために使われる装備です。前述のように当時としてはMGに搭載されて驚いた細かな機構を(正直できるとは思いませんでした……)HGに採用してきたことにとても驚いたものです。

【組立:腕部】
中央が一般的な腕部、右がフォールディング・アームのパーツです
フォールディング・アーム先端のハンドを組みます
フォールディング・アームは3つの軸で折りたたまれます
肩アーマーは中の肩としてメカフレームが組み込まれます
肘関節と前腕の中身になるメカフレームを組みます
複雑な展開方法となる前腕とフォールディング・アームを組み合わせます
各部をドッキングさせます
この時点で腕部は必要十分な可動性能とフォールディング・アームの機構を持っています

 頭部を組んでいきましょう。ステイメンの頭部の特徴はガンダムとしてのアンテナ2本にサブアンテナ2本を持っていることです。このサブアンテナは、表面上は2本ですがパーツとしては1つです。アンテナ基部の赤いパーツとともに細かいので飛ばさないように注意したい部分です。

【組立:頭部】
赤いアンテナ基部と右上のサブアンテナの大きさに注目です
※1マス=1cm四方です
アンテナと赤い基部を組み付けますが、ここは接着をお勧めします

 ボディ本体を組んでいきましょう。見どころはテールバインダーを擁する腰部となっています。この時代のHGではフロントアーマー左右分割は考慮されていないので両方が同時に動きます。テールバインダーはボールジョイント接続でかなり広範囲に動かすことができ、しっぽのように後ろへ流したり、羽のように広げることで表情を付けることも可能です。

【組立:頭部】
左側が上半身、中央から右が下半身のパーツ群です
上半身の構造はとてもシンプル。肩の軸は固定されています。あっという間に組みあがってしまいます
腰部は左右はポリパーツで上下スイング可動と軸による前後スイングが可能です。リアにはテールバインダーを接続する基部を組み付けます
前後アーマーはそれぞれ股間パーツで挟み込みます
テールバインダーには対になるバーニアパーツを裏側から組み込みます
腰部とはポリパーツで接続されます
構成要素が組みあがりました
上半身に頭部・腕部、下半身委脚部を接続して……
ガンダムGP03Sステイメン本体が完成!

 バックパックと各種装備を組んでいきましょう。前述のようにステイメンには後でコアファイターの存在が明らかにされましたが、デンドロビウム付属版にはコアファイターが付属しません。ですのでドッキングブロックを持つ一般的なバックパックのステイメンとして組まれることになります。

【組立:バックパック】
バックパックはオーキスとのドッキングのための可変機構があります
右側が組みあがったものです。細かいパーツ分けで可動する部分があることがわかります
先端にはビーム・サーベルが収納されるケースがあり、後部にはバーニアノズルが組み込まれます
ビーム・サーベルの柄は基本的に取り外し不可です
小さいバックパックですが結構可動します
中央のパーツを挟むように左右のバックパックを組み付けます
ステイメン本体とドッキングさせました

 ステイメンの装備はビーム・ライフル、フォールディング・シールド、フォールディング・バズーカ、ビーム・サーベルがあります。シールドとバズーカは“フォールディング”と名づけられている通り、折りたたむことができます。

【組立:装備】
パーツ多めに見えますが構造はそれほど難しくはありません
各種はほぼ張り合わせ構造なのであっさり組みあがりますね。フォールディング・バズーカも関節を組み込んで折りたためます
フォールディング・シールドは中央部にシールド左右を置き、メカフレームでフタをすれば完成です
フォールディング・バズーカを折りたたみます
フォールディング・シールドも折りたためます
最後にステイメン本体のコクピットハッチ上部と腰部にそれぞれシールを貼りこみます