レビュー

「30MM 1/144 eEXM GIG-C02 プロヴェデル (type-COMMAND 02)」レビュー

全高約200mm超の大迫力スケールと合体ギミックを詰め込んだ遊びごたえのある一品

【30MM 1/144 eEXM GIG-C02 プロヴェデル (type-COMMAND 02)】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年1月20日

価格:4,400円

ジャンル:プラモデル

 「30 MINUTES MISSIONS」シリーズは2019年の発売以来、独自のカスタマイズ性と関連パーツの豊富さから人気を博しています。そんなプラモデルシリーズである「30 MINUTES MISSIONS」シリーズの中でも身長が高い大型キットとして存在感を示している機体「プロヴェテル」から新型キットが発売となりました。本記事では2024年1月20日発売となった新作キット「30MM 1/144 eEXM GIG-C02 プロヴェデル (type-COMMAND 02)」を紹介します。

時間を忘れて挑む30分。量産機をテーマとしたプラモデルシリーズ

 「30 MINUTES MISSIONS」とは、BANDAI SPIRITSが2019年より展開する量産機をテーマとしたプラモデルシリーズです。各キットの関節構造を共通化し、各所に3mmジョイントを設けることで無限大のカスタマイズを可能としています。地球連合軍、バイロン軍、マクシオン軍と3種類の異なるデザインのロボット(エグザマクス)を組み替えて楽しむことが可能です。地球連合軍は角張ったデザイン、バイロン軍は丸みを帯びたデザイン、マクシオン軍は細身で人体に近い曲線を持ったデザインとなっています。また、これらロボットには支援メカとしての役割を果たす「エグザビーグル」や、今回紹介する大型エグザマクスである「プロヴェテル」が存在します。

シリーズ唯一の大型キット「プロヴェテル」

 今回紹介する「30MM 1/144 eEXM GIG-C02 プロヴェデル (type-COMMAND 02)」は地球連合軍が使用する大型エグザマクスです。全高200mmを超える大型スケールとなるとなる本キットは、2024年1月現在で「30 MINUTES MISSIONS」シリーズ中最大のキットとなっています。また、本キットは2023年7月に発売された「30MM 1/144 eEXM GIG-R01 プロヴェデル(type-REX 01)」のバリエーションキットとなっており、成型色と頭部パーツの一部形状が変更となっています。

2023年7月29日発売の「30MM 1/144 eEXM GIG-R01 プロヴェデル(type-REX 01)」

「30MM 1/144 eEXM GIG-C02 プロヴェデル (type-COMMAND 02)」の組み立て

 まずはキットのランナーから見ていきます。「30MM 1/144 eEXM GIG-C02 プロヴェデル (type-COMMAND 02)」はホワイトのランナーが4枚、ライトグレーのランナーが5枚、クリアブルーのランナーが1枚、ポリキャップのランナーが2枚で構成されています。なお、ポリキャップのランナー以外はPS樹脂にて成型されています。また、マーキング用のシールが1枚、リード線とワニスチューブが2本ずつ付属します。

パッケージイラスト
【キット内容物】
「30MM 1/144 eEXM GIG-C02 プロヴェデル (type-COMMAND 02)」を構成するランナー。Bランナーとポリキャップのランナーは同一形状のものが2枚入っています。

 それではキットを組み立てていきましょう。「30 MINUTES MISSIONS」のキットは各部位のパーツが同じランナーに集約されており組み立てやすくなっています。頭部は「30MM 1/144 eEXM GIG-R01 プロヴェデル(type-REX 01)」から、アンテナパーツが追加となっています。

【頭部】
頭部は6パーツにて構成されています。
組み立てが完了した頭部。アンテナが追加されたことで指揮官機の様な印象が追加されました。

 胴体部は腹部に伸縮機構が搭載されており、中型エグザマクスを搭載する際に可変する機構となっています。

【胴体部】
胴体部は22パーツにて構成されています。
組み立てが完了した胴体部。背面パーツは展開すると四角ジョイント孔があります。

 腕部パーツは左右対称形状をしており、ハンドパーツは開き手と握り手の2種類が付属します。また、肘関節は2重関節となっており、大きく可動させることが可能です。

【腕部】
腕部は23パーツにて構成されています。
組み立てが完了した腕部。ハンドパーツは3本指となっており、左右共通形状となっています。

 腰部は差し替え変形にて中型エグザマクスを格納させるための座席パーツを追加可能です。今回の組み立てでは説明書に倣い座席パーツなしの状態にて組み立てを行ないます。

【腰部】
腰部は12パーツにて構成されています。
組み立てが完了した腰部。フロントアーマーに当たる部分は頭部としても使用可能な形状となっています。

 脚部は逆関節型の形状となっており、膝関節を調整することで通常関節にすることも可能です。また、脚部形状は左右で共通の形状となっています。

【脚部】
脚部は15パーツにて構成されています。
組み立てが完了した脚部。股関節ジョイントを可動させる向きにて左右を決定します。

 本キットの特徴でもある尾部はボールジョイントによる接続となっており、フレキシブルに可動することが可能です。また、接続のボールジョイントは手首ジョイントと同一形状のものを採用しているため、尾部パーツを使用して腕の伸縮再現も可能です。

【尾部】
尾部は17パーツにて構成されています。
組み立てが完了した尾部。先端のクローはアームパーツとしても使用できます。

 武装は各部に固定可能なヘビービームマグナムが1個付属します。この武装はそのままでも各部に取り付け可能ですが分解して各部に取り付けることも可能です。

【武装】
武装は接続用のジョイント含め5パーツで構成されています。
組み立てが完了した武装。砲塔を外してほかの場所に取り付けることもできます。

 これにてプロヴェテル本体を構成するパーツはすべて完成です。全パーツを合体させてプロヴェテルを完成させましょう。

組み立て前のプロヴェテル。各部パーツを並べるとA3サイズのカッターマットいっぱいに広がります。
組み立てが完了したプロヴェテル。この状態でも全高が230mm程度あります。

 プロヴェテルには本体以外にも別売りの中型エグザマクスを搭載するためのジョイントパーツが付属しています。本体が完成したらそちらを制作して行きましょう。

【座席パーツ】
組み立て前の座席パーツ。全7パーツにて構成
組み立てが完了した座席パーツ。着席部分には3mmピンがあるのでエグザマクスをしっかりと固定できます。
【接続用バックパック】
組み立て前の接続用バックパック。全13パーツにて構成されています。
組み立てが完了した接続用バックパック。ワニスチューブの中にリード線を通すことでチューブの形状を固定することが出来ます。

 これにて全パーツの組み立てが完了です。完成したプロヴェテルを見てみましょう。

他の30MMキットと組み合わせることで様々な遊び方ができるキット

 まずは完成したキットを前後側面から見てみましょう。肩幅が広くマッシブなプロポーションになっています。

 本キットは大型でありながら複数の関節で様々なポージングが可能です。

ファイティングポーズをとらせてみました。マッシブな体型なのでこういったファイティングポーズが似合います。
尾部のアップ。様々な角度に調整可能です。
腕部のアップ各部に3mm孔があるので好きなようにパーツを取り付けることが可能です。
クリアパーツのアップ。クリアパーツの内部にもモールドが入っています。
スピナティオを搭乗させてみました。プロヴェテルは地球連合軍の機体ですがマクシオン軍のスピナティオでも搭乗可能です。
スピナティオを搭乗させた状態でポージングをさせてみました。スピナティオと上半身の接続はワニスチューブなので腰の回転も邪魔されません。
説明書のREX形態を参考に四脚形態にしてみました。本キットだけでもオリジナルの組み換えを楽しむことが出来ます。
四脚形態の頭部アップ。口は可動させることが可能です。

 ここからは、過去のレビュー記事にて紹介した30MMのキットを使用してオリジナル機体を制作して遊んでみます。今回は「30MM 1/144 EMX-H15A アチェルビー(TYPE-A)」、「30MM 1/144 エグザビークル (多脚メカVer.)」、「30MM 1/144 エグザビークル(ティルトローターVer.)」を合体させてオリジナル機体を作ってみました。

完成したオリジナル機体。アチェルビーのパワーローダーをイメージして制作してみました。
オリジナル機体の背面。「30MM 1/144 エグザビークル(ティルトローターVer.)」のローターを配置することでボリュームアップと飛行能力の表現をしています。
右手のアップ。「30MM 1/144 エグザビークル (多脚メカVer.)」を使用してハンドパーツを作成しています。

 いかがでしょうか。プロヴェテルは大型であるが故に拡張性が高いキットです。プロヴェテルをメインにして組み立ててもかっこよく仕上がりますが、プロヴェテルを中型エグザマクスのパワーアップパーツとして使用しても面白いと思います。「30 MINUTES MISSIONS」のキットは同じ機体でも様々なカラーバリエーションがあり、コレクションしてみても面白いと思いますので、お気に入りの機体を作ってみてはいかがでしょうか。