レビュー
G&G「TGM R5 ETU」レビュー
メーカー純正プリコック搭載機は箱出しでサバゲー投入できて安心
2024年3月20日 00:00
- 【TGM R5 ETU】
- 3月1日 発売
- メーカー希望小売価格:63,580円(税込)
- 全長:685mm
- 銃身長:233mm
- 重量:2,780g
- 弾丸:6mm BB
- 装弾数:130発
- 推奨バッテリー:11.1Vリポバッテリー
- 種別:サブマシンガン
サバイバルゲームで重視される性能のひとつがトリガーを引いてからBB弾が発射されるまでのレスポンスを指す「キレ」。というのも向かい合ったプレーヤーが同時にトリガーを引けば、より早くBB弾が射出され、より早く相手の身体に届くほうが有利だからだ。
特にバリケート越しに薄く身体を出し、撃ち合うようなシチュエーションであれば、キレは生死を大きく左右するスペックなので気を付けたいところ。
電動ガンのキレを向上させるために登場したのが「プリコック」機能。プリコックには、電子回路でギアの回転やピストン位置を制御する「電子式」と、C.A.T.製のエアガンのように独自セクターギアによりコッキングポジションを設定する「機械式」の2種類があるが、どちらの場合でもあらかじめピストンを後退させることで(スプリングを圧縮させておくことで)、トリガーを引いてからBB弾が発射されるまでのレスポンスを早めるという基本的な仕組みに変わりはない。
これまでプリコック機能は、後付けする高機能な「電子トリガー」で実現することが多かったが、現在では標準搭載する製品も登場している。
そこで本稿では、台湾最大のエアガンメーカーであるG&Gが、メーカー標準のプリコック機能を搭載した注目の最新マシーン「TGM R5 ETU(型番:TGP-R05-FLD-BNB-NCS)」のレビューをお届けする。
MP5の近代化バージョンをモデルアップしたのが「TGM R5 ETU」
「TGM R5 ETU」は、ヘッケラー&コッホ(H&K)が1960年代に開発したサブマシンガン「MP5」を近代化バージョンにモデルアップしたオリジナル電動ガン。MP5は9×19mmパラベラム弾を使用し、作動方式に「ローラーロッキング・ディレイドブローバック」を採用。反動を抑え、射撃時の安定性を向上し、高い命中精度を実現した名銃なのでご存じの方も多いだろう。
その性能は、「ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件」で対テロ特殊部隊「GSG-9」が実戦投入し、人質全員を見事に救出したことで世界に認められた。そのおかげで、世界各国の特殊部隊や警察に広く普及。現代でも優れた命中精度と操作性、高い信頼性、拡張性の高さから多くの組織で現在でも活躍している。
アッパーレシーバーはメタル製、マウントとスリングスイベルが同梱
それでは「TGM R5 ETU」のエアガンとしてのスペックを解説していく。本製品は3月1日に発売されたばかりのG&Gの最新電動ガン。メーカー希望小売価格は63,580円で、実売価格は記事執筆時点で55,000円前後だ。なお、専用マガジンの実売価格は5,000円前後となっており、M4系マガジンより高めの設定となっている。
全長は685mm、銃身長(インナーバレル)は233mm、重量は2,780g。本体材質はメタル、ポリマー樹脂、アルミニウム合金、銅を使用している。バッテリー(G-11-079)と、0.20g BB弾をフルロードしたマガジンを装着した状態の重量は実測2887gだ。頼りがいのある重さである。
推奨バッテリーは「11.1Vリポバッテリー(G-11-041、G-11-079)」、バッテリー端子は「タミヤミニ」。内部パーツはなかなか豪華な構成であり、モーターは「Ifrit 25K Motor-Long Axis orange (25000rpm) 」、ピストンはメタルピストン、ギア軸受けは8mmボールベアリングを採用。電子トリガーユニットとMOSFETを内蔵し、前述のとおりプリコック機能に対応する。また、セレクターのフルオートポジションに、3連バースト、5連バーストを割り当てることも可能だ。
使用弾は6mm BB弾。BB弾の重量については特に記載がないが、筆者が試したかぎりでは0.20g弾、0.25g弾だけでなく、0.28g弾でも適正ホップをかけられた。付属マガジンは「TGM(MP5)130R Magazine(G-08-204)」で、130発を装填可能。このマガジンは左右側面に透明窓が設けられており、外からおおまかな残弾数を確認できるのでサバゲー中でも確認しやすい。
マガジン以外には、光学機器用マウント「G-03-069」とスリングスイベル「G-05-012-1」が同梱。マウントは装着済みなので、ドットサイトやスコープを用意すればすぐに搭載可能だ。ただし、このマウントは実測90mm(8スロット)と短め。スコープを装着する際には適合するマウントを選択する必要があるので注意してほしい。
フロントサイトは上下、リアサイトは左右調整が可能。またリアサイトは回転させることで4つの穴から任意のサイズを選択できる。バレル先端には14mm逆ネジが設けられており、対応サイレンサーやトレーサーを装着可能。ちなみに「TGM R5 ETU」のマズルには、東京マルイ製次世代電動ガン「MP5 A5」のマズルアダプターは装着できなかった。残念だ。
ストックは、最近のG&G製品でおなじみのバッテリーを内蔵可能なフォールディングストックが採用。配線は隠れているし、ストックロックボタンを押して折りたたんだ状態でも射撃が可能という優れものだ。折りたたみ時の全長は実測460mm。CQB(近接戦闘)エリアでの取り回しが実にスムーズだった。
なお、「弾速証明書」には、0.20gのBB弾で初速が平均86.8m/s、最大87m/s、最小86m/sと記載されているが、筆者が計測した際には89m/sに達することがあった。このぐらいの誤差はたまにあるので問題ないが、インドアサバゲーフィールドによっては弾速制限で利用できない可能性があるので、注意してほしい。