レビュー
CO2ガスガン「KRYTAC SilencerCo Maxim 9 CO2」レビュー
2024年5月18日 00:00
バリケードにぶつけても内蔵トレーサーが破損する心配は少ない! 使用感
まるでアニメ「PSYCHO-PASS」シリーズに登場する武器「ドミネーター」のようなルックスの「Maxim 9」だが、実は意外と握り心地は一般的なハンドガンと変わらない。構成部品のなかではマガジンが圧倒的に重いので、トップヘビーな見た目ながら前後のバランスも偏っていない。狭いCQBエリアではやや長さを持て余す可能性はあるが、個人的にはグリップが太い「デザートイーグル」よりも取り回しがよく感じた。
インドアフィールドにおける「Maxim 9」の美点はトレーサーをバレルに内蔵できること。バリケートや壁に強打しても、トレーサーやアウターバレル先端にダメージを受ける心配はまずない。もちろん人にぶつけたり、フィールドの設備を壊さないように配慮するのは大前提のマナーだ。しかし、万が一の事故の際に破損の可能性が低いというのは安心感がある。
トリガーは、トリガーにあるレバーが押されていないと引き金を引けないトリガーセーフティー仕様。レバーが後退していればスムーズに引くことができる。トリガープルは1.68~1.98kgと重めだが、実際に射撃してみるとガク引きになるほどではないと感じた。
なお、レバーをトリガーセーフティを引く方向と逆に動かすことでセーフティロックをかけられる。少し硬いものの、JASG認定のために施された日本版のみにある機能となっており安全性も万全だ。
ホップアップ調整は、スライドを開けてから、チャンバー左側のイモネジで行なう。反時計回りが強、時計回りが弱だ。使用するのは2mmの六角レンチ。工具は必要だが、スライドストップをかければ操作は簡単だ。また、クリック感があるので調整もしやすい。注意点は回転できるのが0~170度ぐらいと範囲が狭いこと。無理に回して破損させないように気をつけてほしい。
セミオート、フルオートの切り替えはスライド後部のスイッチで行なう。「A」がフルオート、「1」がセミオートだ。スライドスイッチは固めだが、これは射撃時の振動などでずれてしまうことがないようにするための配慮だろう。
実銃の外観を保ったままフルオートを追加するためのこのような仕様となっているが、交戦中の操作は慣れないと難しい。外観が異なることを気にしないプレーヤーのために、ファイアーセレクトスイッチを外側に出したスライドをぜひLayLaxから発売してほしいところだ。
サイトピクチャーは現代の実銃をモデルアップしただけに見やすい。ホワイトドットはリアサイトだけに入っているが、フロントサイトにも凹みが設けられているので、ユーザー側で簡単に追加できる。
フロントバッフルは先端の4mm 六角ネジをはずせば分解できる。「トレーサーユニット」はこの状態で先端から装着可能だ。また、固定用ボルトを「ロング」に交換すれば、「拡張キット」を取り付けられる。
通常分解は、マガジンをはずしチャンバー内に弾が残っていないことをまず確認する。それから、後端の「スライドリリースボタン」を押しながら、チャンバー部の「テイクダウンレバー」を跳ね上げ、スライドを止まるまで引き、後方上部に回転させつつ取り外す。実際にスライドを取り外す際には、オーナーズマニュアルの図解を参照しつつ行なってほしい。
なお、前方下面には取り付け穴が空けられているが、「KeyMod(キーモッド)」アクセサリーには対応していない。アクセサリーを取り付ける際にはデプロイメントパックに同梱されている「ロアレイル(ピカティニー規格準拠)」が必要だ。特に標準モデルを購入した方は注意してほしい。
0.2g弾の初速は最高82.6m/s、回転数は最高17.2RPS! 実射
それでは「Maxim 9」の戦闘力について、実射テストで迫っていく。まず初速だが、気温29.7℃、湿度33.7%、適性ホップという条件で実測したところ、0.2g弾で最高82.6m/s、平均81.4m/s、最低79.7m/s、0.25g弾で最高74.8m/s、平均72.1m/s、最低70.5m/sとなった。もっと気温が上がったとしても、1ジュールを超えることはなさそうだ。
つぎは、1本のCO2ガスカートリッジで何発BB弾を発射できるか計測してみた。気温29.7℃、湿度33.7%、ホップ最弱という条件で計測を実施したところ、セミオートでは108発、フルオートでは96発発射可能であった。なお、フルオートで23発発射した際の回転数は最高17.2RPS、平均15.13rps、最低13.4RPSだ。もちろん後半は弾速が落ちていくが、セミ、フルともにマガジン3本ぶんぐらいであれば初速の低下は気にならないだろう。
発射音については気温24.4℃、湿度43.0%で測定したところ、セミオートでは最大92.2dBA、フルオートでは108.6dBAとなった。「Maxim 9」はパワーソースがCO2ガスカートリッジということで動作のキレがよいが、その一方で発射音は大きめだ。
これを隠密性が低いととるか、迫力があると捉えるかは皆さんにご判断いただきたい。個人的には迫力の音を楽しめる一方で、反動自体は少なめなので、非常にサバゲーで使いやすいと感じた。
最後にサバゲーで最も重要な弾道だが、0.2g弾でも30m先のマンターゲットを狙える。0.25g弾であればさらに集弾性が上がり胸元に集中させられる。フルオートではマンターゲットに降り注ぐシャワーのようになったので制圧性も十分。30mの交戦距離なら十分な戦闘力を備えていると言える。
動作性良好&拡張性抜群でサバゲーにピッタリ!
「Maxim 9」はサバゲーにぴったりなハンドガンだ。CO2ガスカートリッジにより動作性は良好で、30m先のマンターゲットを狙える精度を備えている。セミ/フルの切り替えにはスライドを引くという一手間がかかるが、使い分けも可能で汎用性も高い。フルオートでは全弾を約1.13秒で撃ち切ってしまうが、敵集団に弾幕のシャワーを浴びせられる。
さらには拡張性が充実しており、トレーサーユニットを内蔵可能で、光学サイトを上部に取り付けることもできる。デプロイメントパックであればピカティニー規格準拠のロアレイルも増設可能だ。ぱっと見は大きいが、グリップは平均的なので手の小さい方でも取り回しにそれほど苦労することはないと思う。
屋外フィールド、インドアフィールドのどちらでもこれから見かけることが多くなりそうな、大注目の製品だ。
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