レビュー
「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」レビュー
衝撃の登場から14年。RGガンダムが新時代の解釈と設計で再びガンプラの頂点へ！
2024年8月9日 00:00
- 【RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0】
- 開発・発売元：BANDAI SPIRITS
- 発売日：2024年8月10日
- 価格：3,850円
- ジャンル：プラモデル
- 全高：約125mm
今回レビューする「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」は来年の2025年に45周年を迎えるガンダムシリーズのプラモデル＝“ガンプラ”で多数展開されるグレードの中でも1/144スケールという小型の躯体の中に最新・最高の技術を凝縮するRG（リアルグレード）シリーズ最新作であり、遡ること14年前の2010年にRG第1弾として衝撃のデビューを果たした「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム」を現在考えうる理論・技術をもって最新のRX-78-2 ガンダムとして再構築・キット化したものです。
2010年7月からスタートしたリアルグレードシリーズはそれまでのMG（マスターグレード：1/100スケール：約180mm）やPG（パーフェクトグレード：1/60スケール：約300mm）で培ってきたディテールや可動機構を1/144スケール：約125mmの小さなサイズに落とし込み、機体によっては変形をも行わせるというこれまでガンプラが進化することで積み上げてきた技術を端的に表すシリーズとなりました。
当時は東京・お台場の潮風公園や静岡・東静岡に実物大ガンダム立像が立つというガンダム30周年記念の真っただ中にあり、立像と同様のデザインとディテールをもったガンプラを自分の手で組み上げることができるRGガンダムは大ヒットとなりました。
革新的な構造や機構、さらにガンダムを象徴するトリコロールカラーの各色が2階調で表現されるなどカラーリングさえもハイディテール化され革新の設計・成形技術はガンプラファンはもとより、世界に衝撃を与えたことも記憶に新しい出来事でした。
技術の進歩とは怖いもので、14年も経つとこれらの要素は当たり前のものになっていますが最新のRGキットとなる「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」はどういったキットになったのでしょうか。先代モデルでは組立済みのインナーフレーム『アドヴァンスドMSジョイント』を採用し、そこへ装甲など多色のパーツで構成される細かなパーツを組み付けることで組立工数を減らしつつ解像度の増した新時代のガンダム像を実現していました。
Ver.2.0ではガンダムの内部フレームがセミモノコック構造であることをイメージした設計となっています。本物のMSを建造する疑似体験をさせてくれた「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」（2020年）で培われた“GUNPLA EVOLUTION LINK SYSTEM”、先代の「アドヴァンスドMSジョイント」から進化を遂げ、PG UNLEASHEDで魅せてくれたフレーム構造を1/144スケールに凝縮したような骨太なフレームを組み立てられます。
そしてガンダムのオリジナルデザインを尊重、そこへ回帰すべく肘やひざなどにある関節部がイメージ通りに機能するように新たな可動軸を設計しています。こういった仕様とすることでこれまで以上に劇中で観られたポージングを自然に決められるようです。そして、ガンダム本体に内蔵されるコア・ファイターの機体にさえも可動軸を持たせるという驚きの手法で、さらに表情豊かなプレイバリューを持たせています。
“RG＝アドヴァンスドMSジョイント”という築き上げたRGフォーマットから進化をとげ、このキットでは“セミモノコック方式のガンダムのフレームを組み上げることでMSを建造する楽しさを追求する”とし、それによるディテールや可動性能を楽しめるところが今キット最大のエモーションポイントです。
ここまで約15年の間に実物大ガンダム立像や動くガンダムが公開されたことで全高18mの人型ロボットの現実だけが持つリアリティをもってその構造を観たり考えたりする楽しさをその手で組み上げられる今キットはとても楽しそうですよね。それでは早速組んでいきましょう！
「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0」のキット内容をチェック！
それではキットの内容をチェックしていきましょう。ランナーはA～I、SB-13で計10枚。他にシールと組立説明書が付属します。ランナーを見ていくと細かく分割されたパーツ群はRGならではの一言。一見するとどのように作用するかわからないほど細かく分けられていて、それらは複雑な可動機構を実現させるためのものと感じられます。
今回のVer.2.0では先代よりカラーリングの階調を抑えるデザインとなっていてなるべく1パーツで設計され組立の工数を減らすことに貢献しているとともにイロプラランナーが2枚、スライド金型を多用したランナーも多数あり贅沢な作りになっています。細かなパーツもありますから慎重に組んでいく必要がありそうですね。
(C)創通・サンライズ