レビュー

ゾイド「AZ-07 デスザウラー」レビュー

圧倒的なサイズと重々しい歩行が魅せる「デスザウラー」の存在感

 完成した「デスザウラー」は全高約310mm、尻尾までの全長は約400mm、「ブレードライガー」をはじめとした4足歩行のゾイドとは異なる存在感を放つ造形とサイズとなっている。

 巨大な脚部でその巨体を支え、尾部(加重力衝撃テイル)を含めて恐竜型のカッコよさが表現されている。爪や口元の牙(ハイパーキラーバイトファング)などは捕食者として攻撃的な進化した生命体らしい力強さも感じられる。また、堅牢な装甲に身を包み、各所に見えるメカの緻密な造形は「ゾイド」ならではの雰囲気が現れている。

 そして、個人的にかつての憧れだった「デスザウラー」のキットが、最新技術で再びムービングキットとして展開、自分の手で作れたことは感無量だ。

ラベルも貼った「デスザウラー」
型番やガイロス帝国の国章を付けてディテールアップ
まさに巨竜といった迫力の造形美
バストアップで撮影。巨大な腕部と凶悪な頭部が印象的
側面から撮影
頭部は機械的で無機質な目は感情のない雰囲気で独特な恐ろしさがうかがえる
腕部は巨大な爪やチューブ造形などが細かく造形されている
脚部はどっしりとした印象で、露出したシリンダーやアーマーの堅牢さが伝わってくる
裏側にはチューブなどのメカ造形がしっかりと表現されている
胸部ゾイドコアハッチやレーザー機銃
過去に発売されたキットにあった車輪パーツはなくなり、より自然な尻尾の状態となっている
背中には荷電粒子強制吸入ファンを中心に16連装ミサイルランチャー、リニアレーザーガンと武装化された造形が光る
あおりの視点ではアニメの巨大感が感じられる
ゾイドをなぎ倒す加重力衝撃テイルの迫力
メカの緻密な造形と巨大感が
足元を撮影。強靭な脚部で今にも踏みつぶされそうな存在感を放つ
「AZ-01 ブレードライガー」と比較。並べて見ても破格の大きさ見せつける「デスザウラー」

 アーマーを外した素体状態は、内部のフレームやパイプなどの濃密なディテールで無機質な機械という側面が強く感じられるデザインとなっている。

素体状態の「デスザウラー」
内部のメカディテールは惚れ惚れするほどの濃密さで表現されている
アーマーなしの状態だと骨格のようにも見える
複雑なリンクを組んだ脚部は巨大なスプリングなど巨体を支えるメカニズムに説得力持たせる造形が確認できる
尾部は側面のシリンダー造形が確認できる

 手動の可動として頭部コックピットハッチの開閉をはじめ、荷電粒子強制吸入ファンアーマー、16連装ミサイルランチャーカバーなどが展開できる。また、アニメを彷彿とさせる胸部ゾイドコアハッチの開閉や尾部排熱カバーの展開とメカ描写の作りこみも抜群。

 腕部は肘には軸可動があり、左右への角度調整ができ、手首も内側、外側に動かすことができる。さらに、各爪もボールジョイントで様々な表情付けが可能で、標的を捉え掴み上げるようなアクション表現や大きく爪を開き、威嚇するような動きも表現できる。

頭部コックピットハッチは開閉可能。コックピットにパイロットフィギュアを乗せることもできる
肘は軸可動で左右に角度調整ができ、手首も内側外側へ開くことができる
強靭な爪はフレキシブルに動き、内側の爪も展開。物をつかむ動きも可能
荷電粒子強制吸入ファンアーマーが歩行に合わせて動く箇所でもあり、大きく開くことができる
腰部の16連装ミサイルランチャーカバーも展開
尾部放熱カバーは5箇所展開
胸部ゾイドコアハッチは肋骨を彷彿とさせ、「ゾイド」の命といえるゾイドコアもしっかりと再現されている
腹部のレーザー機銃のハッチも開閉。パイロットフィギュアを搭乗させることができる

 そして、パーツの差し替えでアニメの終盤に登場した「デスザウラー」を再現できる。荷電粒子強制吸入ファンを取り外し、強化された荷電粒子コンバーターに差し替えが可能。さらに、腕部の地対地ミサイルポッドを複合センサーユニットに付け替えることもできる。

 また、ギュンター・プロイツェンのパイロットフィギュアでアニメで印象的な肩に乗った姿なども楽しめる。

荷電粒子強制吸入ファンから進化した荷電粒子コンバーターに付け替え
腕部のミサイルポッドを複合センサーユニットに変えることもできる
ギュンター・プロイツェンの立ち姿パイロットフィギュア。「AZ-07 デスザウラー」と比較すると足の爪よりも小さい
アニメで印象的な肩に乗った姿も表現できる
ギュンター・プロイツェンのパイロットフィギュアはコックピットなどに座った姿も収録

 「AZ-07 デスザウラー」の魅力である駆動ギミックはまさに圧巻。大きな足で地面を揺るがし、重々しく歩くような動きが表現されていた。そして、尾部を大きく左右に振り、腕を振るなど動きの一つ一つがダイナミック。

 そして、首も前後に動かし、口を開きけば、背部のファンの回転、発光ギミックも相まって荷電粒子砲を放ち、地上を焼き尽くす「破滅の魔獣」にふさわしい動きを見せる。首筋にもLEDの光が走り、膨大なエネルギーが迸る力強さも感じられる。

【大迫力の造形と歩行ギミック! タカラトミー「ゾイド AZ-07 デスザウラー」】

 また、モーター駆動だけでなく、発光のみのディスプレイモードが搭載され、鼓動を感じるLEDの点滅表現が楽しめる。

 暗がりではその迫力はさらに増大。闇夜の中で進軍してくる攻撃が目に浮かぶような迫力となっている。

ディスプレイモードでは発光ギミックのみが作動
胸部ゾイドコアハッチを占めた状態からでも光っているのがわかる
ハッチを開くと、赤く点滅するゾイドコアが
背部の荷電粒子強制吸入ファンでは発光部分が大きく見える
荷電粒子コンバーターでは光を抑えつつ、炉心のような危険な雰囲気を漂わせる
暗がりでは発光によって目元や口などがはっきりとし、恐怖をあおるような表情に
ゾイドコアをむき出しにしつつも、荷電粒子砲を発射しそうな迫力
俯瞰から見た際の表情の怪しさも魅力的

 以上、「AZ-07 デスザウラー」レビューをお送りしてきた。

 約25年ぶりとなるキット化であり、ゾイドファン待望のアイテムといえる完成度の高さとなっている。造形面の追求はもちろんのこと、何よりもより生物的かつ巨大なメカとしての重々しい動きは「ゾイド」のムービングキットの進化を強く感じられるものとなっている。

 通常のプラモデルの「この構造によってこんな可動をするのか」という驚きのように、「このパーツとこのパーツが繋がって、大きなものを動かす」という驚愕と“自分の手で組んだものが動き出す”感動はなかなか味わえないだろう。

 そして、一つ一つの部位が組みあがっていくほどに「デスザウラー」を復元しているような楽しみもあり、巨大感もあって満足度の高いアイテムとなっている。

 2025年7月下旬には「AZ-09 ジェノザウラー」も展開されるので、今後の「ゾイド」シリーズから目が離せない。