レビュー
ゾイド「AZ-07 デスザウラー」レビュー
2024年12月17日 00:00
圧倒的なサイズと重々しい歩行が魅せる「デスザウラー」の存在感
完成した「デスザウラー」は全高約310mm、尻尾までの全長は約400mm、「ブレードライガー」をはじめとした4足歩行のゾイドとは異なる存在感を放つ造形とサイズとなっている。
巨大な脚部でその巨体を支え、尾部(加重力衝撃テイル)を含めて恐竜型のカッコよさが表現されている。爪や口元の牙(ハイパーキラーバイトファング)などは捕食者として攻撃的な進化した生命体らしい力強さも感じられる。また、堅牢な装甲に身を包み、各所に見えるメカの緻密な造形は「ゾイド」ならではの雰囲気が現れている。
そして、個人的にかつての憧れだった「デスザウラー」のキットが、最新技術で再びムービングキットとして展開、自分の手で作れたことは感無量だ。
アーマーを外した素体状態は、内部のフレームやパイプなどの濃密なディテールで無機質な機械という側面が強く感じられるデザインとなっている。
手動の可動として頭部コックピットハッチの開閉をはじめ、荷電粒子強制吸入ファンアーマー、16連装ミサイルランチャーカバーなどが展開できる。また、アニメを彷彿とさせる胸部ゾイドコアハッチの開閉や尾部排熱カバーの展開とメカ描写の作りこみも抜群。
腕部は肘には軸可動があり、左右への角度調整ができ、手首も内側、外側に動かすことができる。さらに、各爪もボールジョイントで様々な表情付けが可能で、標的を捉え掴み上げるようなアクション表現や大きく爪を開き、威嚇するような動きも表現できる。
そして、パーツの差し替えでアニメの終盤に登場した「デスザウラー」を再現できる。荷電粒子強制吸入ファンを取り外し、強化された荷電粒子コンバーターに差し替えが可能。さらに、腕部の地対地ミサイルポッドを複合センサーユニットに付け替えることもできる。
また、ギュンター・プロイツェンのパイロットフィギュアでアニメで印象的な肩に乗った姿なども楽しめる。
「AZ-07 デスザウラー」の魅力である駆動ギミックはまさに圧巻。大きな足で地面を揺るがし、重々しく歩くような動きが表現されていた。そして、尾部を大きく左右に振り、腕を振るなど動きの一つ一つがダイナミック。
そして、首も前後に動かし、口を開きけば、背部のファンの回転、発光ギミックも相まって荷電粒子砲を放ち、地上を焼き尽くす「破滅の魔獣」にふさわしい動きを見せる。首筋にもLEDの光が走り、膨大なエネルギーが迸る力強さも感じられる。
また、モーター駆動だけでなく、発光のみのディスプレイモードが搭載され、鼓動を感じるLEDの点滅表現が楽しめる。
暗がりではその迫力はさらに増大。闇夜の中で進軍してくる攻撃が目に浮かぶような迫力となっている。
以上、「AZ-07 デスザウラー」レビューをお送りしてきた。
約25年ぶりとなるキット化であり、ゾイドファン待望のアイテムといえる完成度の高さとなっている。造形面の追求はもちろんのこと、何よりもより生物的かつ巨大なメカとしての重々しい動きは「ゾイド」のムービングキットの進化を強く感じられるものとなっている。
通常のプラモデルの「この構造によってこんな可動をするのか」という驚きのように、「このパーツとこのパーツが繋がって、大きなものを動かす」という驚愕と“自分の手で組んだものが動き出す”感動はなかなか味わえないだろう。
そして、一つ一つの部位が組みあがっていくほどに「デスザウラー」を復元しているような楽しみもあり、巨大感もあって満足度の高いアイテムとなっている。
2025年7月下旬には「AZ-09 ジェノザウラー」も展開されるので、今後の「ゾイド」シリーズから目が離せない。
(C) TOMY (C) ShoPro