レビュー

「HG 超竜神」レビュー

組み立て後半。ビークルモード、超竜神用の差し替えパーツをつくる

ビークルモード正面の印象を引き締める差し替えパーツ

 氷竜、炎竜のビークルモードでは、変形時の形状を重視した各部差し替えパーツを使用します。氷竜ではビークル正面、フレーム、クレーン運転席(超竜神時の頭部背面およびバックパック)を組み立てます。各部窓にはプラスチックシールが採用され、光沢仕上げとなります。炎竜のビークルモード差し替えパーツは一部氷竜と同一形状ですが、クレーン運転席にあたるパーツはありません。

組み立て前の氷竜差し替えパーツ。クレーン運転席以外はワンパーツになっています。
フロントガラス部分とクレーン運転席キャノピーはプラスチックシールにて色分けされ、光沢のある仕上がりとなっています。

 ビークルモード時の差し替えパーツは完成です。最後に超竜神合体時の差し替えパーツを組み立てます。

超竜神のプロポーションを向上させる差し替えパーツ

 超竜神の頭部パーツは氷竜、炎竜と同様にアイの部分もパーツ分割による色分けとなっています。また、額のエンブレム部分はシール等による色分けではなく、クリアグリーンによるパーツ分割となっています。なお、頭部背面のキャノピー塗分けは通常シールによる色分けとなっています。

パーツ状態での超竜神頭部。ブラックのパーツは頭部のフレームとアイ周辺の配色として機能します。
組み立て後の超竜神頭部。頭部正面の各部配色は全てパーツ分割による色分けとなっています。

 超竜神の胴体部は胸部に取り付けるミラーシールド以外は全て差し替えパーツによる再現となっています。超竜神は右半身が氷竜、左半身が炎竜となるので注意が必要です。

組み立て前の超竜神胴体。肩部関節は右肩がブルー、左肩がレッドとなります。
組み立てが完了した超竜神胴体部。ミラーシールド内側になる個所もモールドが再現されています。

 超竜神の腰部は前後左右のアーマーパーツが可動できるパーツ分割となっています。サイドアーマー部のフリージングライフル、メルティングライフル接続軸はモールドが施されています。

組み立て前の超竜神腰部。胴体部と同様に右半身がブルー、左半身がレッドとなります。
完成した超竜神腰部。フロント、リアアーマーはボールジョイント、サイドアーマーは軸接続となります。

 これにて超竜神上半身の差し替えパーツは完成です。一体化して上半身を完成させます。

一体化した上半身。頭部の接続はボールジョイント、腰部の接続は軸接続となります。
なお、超竜神の胴体部にはミラーシールド取り付け時に追加するパーツがあります。

 ここからは腕部の組み立てです。腕部は超竜神形態でのプロポーションと可動域確保のため、フリージングガン、メルティングガンの変形ではなく専用パーツを作成します。専用パーツ化することで腕部に厚みを持たせることができています。

組み立て前の超竜神腕部。交換用手首パーツは握り手と武器持ち手が付属します。
組み立てが完了した超竜神腕部。超竜神のプロポーションに合わせて厚みのある造形となっています。
肘関節の可動は氷竜、炎竜と同様に2重関節となっています。

 超竜神の大腿部は差し替えパーツ、脛部分は氷竜、炎竜の上半身を使用します。膝関節の可動は変形の影響を受けず、可動域を確保しています。

組み立て前の超竜神脚部。大腿部分は全て差し替えパーツとなっています。
組み立てが完了した超竜神脚部。脛部分は氷竜、炎竜の上半身に外装パーツを被せる構造となっています。
膝関節の可動は氷竜、炎竜と同様に2重関節となっています。

 これにて超竜神を構成するパーツは全て完成です。ここからは完成した氷竜、炎竜から見ていきましょう。

各スタイルで最高のプロポーションを備えた超竜神

 最初に氷竜と炎竜を前後左右から見てみます。一部差し換えパーツによる変形ではあるものの変形機構を有しているとは思えないかっこいいプロポーションをしています。

現代的な細身のプロポーションとなっており、氷竜と炎竜は左右対称形状となっています。
背面はクレーンとラダーで配色が異なるため、印象が変わります。
側面は配色以外に相違は特に見られませんが炎竜にはミラーシールドがあるので武装の違いを楽しめます。

 氷竜および炎竜の胸部パネルは開閉可能となっており、チェストスリラー、チェストウォーマー発動を再現可能です。

氷竜のチェストスリラー。胸部パネル内部もしっかりとモールドが施されています。

 フリージングライフルおよび、メルティングライフルは背面装備状態とハンドパーツ保持状態が選択して再現可能です。

フリージングライフル背面装備状態とメルティングライフルハンドパーツ保持状態。好みの状態で展示可能です。

 各々展示する際のポージングに合わせてアクションベースを使用することが可能です。アクションベース使用時は股関節のジョイント接続孔にアクションベースを接続します。

アクションベースを使用した炎竜のポージング。氷竜も同様にアクションベースを使用したポージングが可能です。
頭部はパーツ差し替えにて2種類の表情を再現可能です。

 ここからは氷竜および炎竜をシステムチェンジさせてビークルモードに変形させていきます。本キットの変形は差し替え変形を採用しているため、アニメ通りの完全変形とはいきませんが、その分プロポーションの再現度を高めています。今回は氷竜を使用してシステムチェンジの工程を紹介します。

 氷竜のシステムチェンジは前述した差し替え用パーツを使用して行います。この際、頭部、バックパック、ハンドパーツ、足部、フリージングガンはあまりパーツとなります。

氷竜のシステムチェンジを準備。各部をバラバラに分解します。

 胴体部および腕部のシステムチェンジは腕部をアニメと同様に腕部を縮め、胴体を180度回転させます。その後、専用フレームパーツで各部を接続しシステムチェンジ完了となります。

腕部および胴体部はアニメ通りに変形させます。
各部を専用フレームパーツで接続します。

 脚部のシステムチェンジは足部を取り外し、膝関節をアニメと同様に折りたたんだ後フロントガラスパーツで左右を一体化します。

足部はあまりパーツとなります。
変形後の脚部をフロントガラスパーツで一体化して完成です。

 これにて各部パーツのシステムチェンジは完了です。一体化してビークルモードを完成させます。

システムチェンジが完了した氷竜。ビークルモードのプロポーションもばっちりです。
クレーンユニットは伸縮可能であり、旋回もできます。
同様の方法で炎竜もシステムチェンジ可能です。
炎竜は本体上部にミラーシールドを装備します。

 なお、説明書に記載はありませんでしたが劇中で登場したセミビークルモードも再現可能です。ただし、重心が後ろに寄ってしまうためメルティングライフル等を持つことで銃身を調整する必要があります。

セミビークルモードの氷竜と炎竜。

 最後にシンメトリカルドッキングを行い、超竜神にしていきます。超竜神へのシンメトリカルドッキングは腕部パーツと胴体パーツの一部、脛パーツの一部を使用して変形を行います。

超竜神の腕部は氷竜と炎竜の脛パーツを使用して変形させます。
変形完了した腕部。肩部以外は超竜神専用パーツとなっています。
脚部の変形には氷竜と炎竜の腕部および胴体部の一部を使用して変形させます。
変形させたパーツに外装および大腿部を取り付けて変形完了とします。

 これにて氷竜と炎竜の変形は完了です。各部を合体させて超竜神を完成させます。

一体化前の超竜神。肩部関節はロック式の軸接続となっています。

 シンメトリカルドッキングが完了した超竜神は一回り大型化し、より迫力のあるプロポーションとなります。また、パーツのほとんどが超竜神専用差し替えパーツを使用した変形のため変形機構の影響による形状の破綻がなく、超竜神のスタイルを余すことなく堪能することが可能です。

シンメトリカルドッキングした超竜神。パーツの多くが超竜神専用差し替えパーツを使用した変形のため変形機構の影響による形状の破綻がありません。
腰部ダブルトンファーはハンドパーツに保持することも可能です。
ダブルライフルおよびダブルガンの発射状態のポージングも可能です。
超竜神状態でもアクションベースを使用したポージングが可能です。

 今回紹介した「HG 超竜神」は組み立てやすさとプロポーションを両立させたキットでした。氷竜および炎竜は肩関節において変形とアクション両方に活用できる接続軸が採用されている他、セミビークルモードを含めた3段変形が可能となっているなど、シンメトリカルドッキングを含めさまざまな遊び方が可能となっていました。

 超竜神への変形は思い切った差し替え変形とすることで各モードにおいてベストなプロポーションを再現することができたキットだと思います。また、超竜神は本体のほとんどが差し替えパーツとなっている恩恵でアクションポーズをさせた際に、各部の関節が問題なく可動し、思い通りのポージングが可能でした。

 超竜神には専用のメガトンツール「イレイザーヘッド」や「ペンシルランチャー」といった専用ツールも劇中には登場していました。こうしたオプションの立体化も含め、「勇者王ガオガイガー」シリーズのさらなるプラモデル化に期待したいところです。