レビュー
東京マルイ「20式5.56mm小銃」レビュー
自衛隊最新小銃ガスブロ。日本のサバゲーマーで本当によかった
2026年8月5日 12:00
- 【20式5.56mm小銃】
- 発売日:8月5日
- メーカー:東京マルイ
- 価格:154,000円
- 種別:アサルトライフル
真夏といえばガスブローバック。マガジンが温められ、ガスブローバックガンが快調に動く夏は、リコイルジャンキーにとって待ちに待った季節と言えるだろう。
そんななか、東京マルイからリリースされたのが、ガスブローバックマシンガン「20式5.56mm小銃」だ。静岡ホビーショーや、BRAVE POINT新宿店で開催された試射会などでも大好評を博しており、「いつ発売されるのか」と待ちわびていた方も多いことだろう。
今回、発売前の実機を借用できたので、20式の基本性能はもちろん、リコイルやスタミナ、そして気になる弾道まで細かくチェックしてみた。購入を検討している方には最後のひと押しとして、すでに予約を済ませて手元に届くのを待っている方には、そのはやる心を少しでも慰めるレビューとして、ご覧いただければ幸いだ。
なお、今回は価格には言及しない。ある価値に対していくらのお金を出すかは、人それぞれの判断だからだ。ガスブローバックマシンガンは、ある意味で趣味性の高いエアソフトガンである。サバゲーでの強さだけを追求するのであれば、最新の電動ガンやショップカスタムモデルを使ったほうが、圧倒的に有利だろう。
89式小銃の後継として2020年に部隊使用承認された自衛隊の新型小銃
実銃の「20式5.56mm小銃」は、89式小銃の後継として2020年に部隊使用承認された自衛隊の新型小銃だ。主な進化点として挙げられるのが、離島防衛を想定した高い耐環境性能と、現代戦に対応した拡張性である。
銃身にはステンレス材と灰色のコーティングを採用し、防錆、防水、防塵性能を強化。上部のピカティニーレールとM-LOKハンドガードにより、光学機器、ライト、フォアグリップ、バイポッドなどを装着し、目的に応じてカスタマイズできる。セレクター、ボルトキャッチ、マガジンキャッチは左右どちらからでも操作できるアンビ仕様で、利き手や射撃姿勢を問わない。
89式よりコンパクトで、重量バランスもグリップ寄りに改められており、閉所や車両内といったCQBでの取り回しやすさも向上。発射時のガス流量を3段階で調整でき、汚れの度合いやサプレッサーの装着、出力の変化に応じて作動を安定させられるという。
今回紹介する東京マルイ製ガスブローバックマシンガン「20式5.56mm小銃」は、リアルな外観や実銃に近い重量感、操作方法に加え、射撃時のリコイルまで味わえることがメリットだ。
コンパクトな銃身による取り回しのよさ、アンビ仕様、豊富なレールによる拡張性は、そのままサバゲーでも生かせる。マガジン交換やボルト操作まで含め、20式を操る楽しみも大きい。東京マルイが豊和工業の正式ライセンスを受け、最新の自衛隊制式小銃を製品化できたのは、両社が長年築いてきた協力関係があってこそと言える。
M-LOKレイル標準付属、購入してすぐカスタムできる
東京マルイ製「20式5.56mm小銃」は、ガスを動力源とするガスブローバックマシンガンだ。使用するガスには、専用の「ガンパワーHFC134aガス」または「ノンフロン・ガンパワー」が推奨されている。シンプルなデザインのパッケージには、各種付属品が豊富に収められている。
セット内容は、本体、マガジン(装弾数35発)、M-LOKレイル(S×2、M×1)、M-LOKカバー×6、クリーニングロッド、保護キャップ、サイト調整工具(アジャストツール)、BBローダー、ガスマガジン用アダプター、バレルナットレンチ、六角レンチ、分解工具、取扱説明書/パーツリスト、BB弾(0.2g、100発)などとなっている。
特にM-LOKレイルが標準で付属しているため、手持ちのライトやフォアグリップ、バイポッドなどを購入後すぐに装着できる。別途レイルを用意する必要がなく、好みや用途に合わせてすぐにカスタマイズを始められるのは、うれしい配慮だ。
全長は779mm、ストック最大伸長時は851mm。銃身長(インナーバレル長)は200mm。重量は3,300g(空マガジン含む)。実測してみると、本体が2,825g、マガジンが453gであった。実測値で合計すると3,278gとなり、これに光学機器や各種アクセサリーの重量が追加されることになる。実銃の重量は約3.5kgとされているので、本製品は200gほど軽いわけだ。
マガジンは「ガスブローバックマシンガン専用 89式シリーズ用スペアマガジン」(5,478円)が同梱。ほかにも「ガスブローバックマシンガン専用 89式用20連スペアショートマガジン」(5,148円)に加え、「M4A1 MWS用スペアマガジン」(5,478円)や「ガスM4A1シリーズ用20連ショートマガジン」(5,148円)も使用可能だ。
なお、「ガスブローバックマシンガン専用 89式シリーズ用スペアマガジン」の重量は、ガスを可能な限り抜いた状態で実測453g、満充填した状態で実測476.5gだった。両者の差から、満充填時には約23.5gのガスが入った計算となる。
操作体系は、M4系エアソフトガンを使っているユーザーであれば、大きな違和感はない。セレクター、ボルトキャッチ、マガジンキャッチは、左右どちらからでも操作できるアンビ仕様。サバゲー中に頻繁に行なうマガジン交換も、M4系とほぼ同じ感覚で行なえる。
一方、M4系と大きく異なるのが、レシーバー後端のチャージングハンドルではなく、側面にコッキングハンドルを備えていること。コッキングハンドルは左右に付け替え可能で、標準では左側に装着されている。
また、左側面から見たセレクターの表示は、右からセフティ(安全装置:表記は「ア」)、セミオート(単発:表記は「タ」)、フルオート(連発:表記は「レ」)の順に並んでいる。
このほか、ストックは長さを5段階で、チークピースは高さを3段階で調整できる。グリップは、分解工具でロックボタンを押すとグリップ底を開けられるので、中に小物などを収納できる。フロントサイトは高さを、リアサイトは左右上下を調整可能だ。このあたりの機能性の高さは、サバゲー用のウェポンとしても使い勝手がよさそうだ。もちろん、フロント、リアサイト共に可倒式である。
本製品を使ってみて、少々戸惑ったのが可変ホップアップシステムの調整方法だ。説明書によると、まずフロントレシーバーピンを押し出してロアレシーバーを取り外し、リアレシーバーピンを押し出してストックアッシーを取り外す。さらに、コッキングハンドルを引きながら取り外し、ボルトアッセンブルを抜いたうえで、ホップ調整ダイヤルを回す……と解説されている。東京マルイのM4系ガスブローバックマシンガンよりも手順が多いのだ。
排莢口から覗くとホップ調整ダイヤルが見えるため、付属の弾丸を模した分解工具を使えば、そのまま回せそうにも見える。しかし、無理に操作すると内部を破損する可能性があるため、東京マルイは排莢口からの調整を推奨していないのかもしれない。また、ボルトの可動による指の怪我を考慮してのことだろう。安全を考えるマルイならではの対策だと思う。
とはいえ、0.2g弾と0.25g弾など、複数の重量のBB弾を使い分けたいユーザーにとって、調整のたびにここまで分解するのは少々面倒だ。今回は貸出機のため試していないが、頻繁にホップを調整する方は、調整ツールとホップ調整ダイヤルの噛み合わせや、周囲の部品への干渉を確認したうえで、サードパーティー製ツールを自己責任で試すという選択肢もあるだろう。
20式は強いリコイルを生み出すため、より多くのガスを使っている可能性が高い
それでは最後に20式5.56mm小銃の実性能をチェックしていこう。まずトリガープルについては、最大2.94kg、平均2.78kg、最小2.66kgとなった。電動ガンと比較すれば重いが、ストロークは短めで、セミオートの連射も容易だ。CQBで相手プレイヤーと不意に出くわしても、撃ち勝てるだけのキレとトリガーフィーリングを備えている。
射撃音はセミオートで最大102.1dBA、平均97.82dBA、最小87.5dBA、フルオートで107.3dBAとなった(※気温25.9℃、湿度50.4%で測定)。金属音が主体で、音量も大きめだ。東京マルイのサイガシリーズにも通じる迫力を堪能できる一方、高確率で位置バレすることは避けられないだろう。しかし、20式5.56mm小銃に静音性を求めている方は少数派のはず。射撃音の大きさは、むしろ本製品の魅力と受け止めるべきだ。
いつものレビューでは初速を複数の条件で計測しているが、20式5.56mm小銃はホップ調整に分解が必要となるため、今回は0.25g弾で適正ホップに設定した条件のみで計測した(※気温27.2℃、湿度72.4%で測定)。
セミオートで10発撃った際の初速は、最大80.97m/s、平均78.33m/s、最小76.47m/s。一方、セミオートで36発を約1分間で撃った際は、最大80.16m/s、平均69.82m/s、最小62.70m/sとなった。休みを入れながら撃てばガスの冷えが抑えられ、平均初速と最小初速はもう少し高くなっただろう。しかし、1分間で1マガジンを撃ち切るような状況では、ある程度の初速低下を織り込んでおいたほうがいい。
連射速度は最大13.7RPS、平均12.35RPS、最小11RPSとなった(※気温27.2℃、湿度72.4%で測定)。ただし、計測器(ACETECH製「AC6000MKIII BT」)の仕様上、撃ち始めの約10発は正確に計測できないため、明らかな異常値は除外している。実際には、撃ち始めの連射速度は計測結果よりもう少し高かったはずだ。連続してフルオート射撃すると後半はやや息切れするものの、指切りによる短いバースト射撃であれば、十分な連射速度を発揮できるだろう。
燃費については付属マガジンを使用した場合と、使っている人の多いMWS用マガジンを使用した場合の2パターンを計測した(※気温29.4℃、湿度52.6%で測定)。20式に付属マガジンを装着した場合は合計64発、20式にMWS用マガジンを装着した場合は合計71発、「マーク18 モッド1」に同じMWS用マガジンを装着した場合は合計97発を射撃できた。
同じMWS用マガジンを使用した条件で比較すると、「マーク18 モッド1」は20式より26発多く撃てた。その一方、最大初速は「20式」が83.45m/s、「マーク18 モッド1」が82.97m/sで、その差はわずか0.48m/sにとどまる。初速がほぼ同等でありながら20式の射撃可能弾数が少ないことを考えると、20式はより多くのガスをブローバック作動に使い、その結果として強いリコイルを生み出している可能性が高い。
今回、本製品のリコイルを計測するため、びーぴー3氏(Xアカウント:@BP3WORKS)のリコイル計測デバイス「Recoil Meter」のベータ版を使用した。なお、同機は開発中のベータ版であるため、計測結果はあくまでも参考値として掲載する。
全部で28発をテストしたところ、アプリ上で「OK」と判定されたのは20発だった。ただし、そのなかには後方G(G=反動)が0.00となっているデータも含まれていたため、今回は「OK」と判定され、かつ後方Gが計測されている14発を抽出。さらに、ほかのデータと比べて突出していた2.36Gの1発を除外し、残る13発を集計に使用した。
13発のGは0.49~1.61Gで、平均値は1.00G、中央値は1.06G、「RIS(Recoil Impact Score)」(※@BP3WORKSを運営する@BP3氏が定義した反動強度指標)の平均値は87.13となった。平均値と中央値が近いことから、今回の計測条件における本製品のリコイルは、おおむね1.0G前後と見るのが妥当であろう。
今回の個々の結果にはある程度のばらつきがあり、0.5~0.8Gにとどまったリコイルがある一方、1.4~1.6Gを記録したリコイルもあった。ガス圧や銃の保持状態、計測デバイスの取り付け状態などが影響した可能性はあるが、少なくとも軽快さを優先した穏やかな作動というより、しっかりとした反動を感じられるガスブローバックライフルと評価できる。
弾道については、セミオートで3回、フルオートで1回試した(気温27.2℃、湿度72.4%)。もともと東京マルイのガスブローバックマシンガンは集弾性の高さに定評があるが、その集弾がさらに一回りまとまったというのが率直な感想だ。
32m先の相手プレイヤーであれば、バリケードから薄く身体を出していたとしても、数発で当てられる可能性が高い。前述のとおりリコイルが強いため、その点では電動ガンより不利なのは確かだが、それでも初弾で中距離、遠距離の相手プレイヤーをヒットできるだけの精度を備えていることは間違いない。
「日本のエアソフトガンプレイヤーで本当によかった」と感じる1丁
ガスブローバックマシンガンが生み出すリコイルは実に気持ちいい。BB弾が射出されるのと同時に肩へ衝撃が伝わったとき、「撃っている」という感覚を強く味わえる。ボクシングでパンチングミットを打ったときのように、衝撃が身体へ返ってくる快感と言い換えたほうがいいだろう。
現在の日本では、海外製のガスブローバックマシンガンも数多く販売されている。リアルな外観や、スチールパーツが生み出す金属音に魅力を感じている方も多いことだろう。しかし、今回の20式は、内部構造こそ実銃とは異なるものの、リアルな外観、実銃さながらの通常分解、作動時に響く金属音、強烈なリコイル、そして東京マルイならではの高い命中精度と安定した作動を実現している。
本製品のパッケージには「日本国内流通専用品」と記載されている。つまり、海外では購入できないわけだ。筆者自身、日本では販売されていないエアソフトガンを購入できる海外ユーザーを、うらやましく思うことがある。しかし、今回の20式に限っては、日本のエアソフトガンプレイヤーで本当によかったと感じる1丁なのである。
筆者自身、すでに20式を予約しており、MWS用マガジンも5本用意している。今年の夏は20式を手に、思う存分、夏のサバゲーを楽しむつもりだ。
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