特別企画

“質感を活かした塗装”でガレージキットのアスカの魅力を表現する!

生地の異なる服の塗り分け

 ガレージキットは色ごとのバーツ分割はされていないため色を塗り分けるためにマスキングテープを使用した塗り分けが必須となります。ここでは服の塗り分けを例にして、塗り分け方法を紹介していきましょう。

【服の塗り分け】
まず、先ほど肌色の塗装が完了したパーツにマスキングテープで縁取りをしていきます。筆者は1mm程度の細さにカットしたマスキングテープで縁取りを行なっています
縁取りが完了したらマスキング部を5mm角程度にカットしたマスキングテープでマスキングしていきます
最後にマスキングテープが浮いてしまいそうなか所に「Mr.マスキングゾル改」でカバーをしていきます。これによりマスキングテープのもしもの剥がれを予防してくれます
マスキングが完了したらガイアノーツの「ブライトレッド」を塗っていきます。後で上から黒を塗り重ねるのでしっかりと色を吹いていきます
赤色塗装が完了したら先ほどと同様に、マスキングを行なっていきます
黒色の部分をガイアノーツの「ピュアブラック」で塗装したらマスキングテープをはがし、服の塗り分けは完了です。ここから服の柄を入れていきます
服のまだら模様はガイアノーツの「ピュアホワイト」を使用し、スポンジチッピングを用いて表現してきました。最後にデカールでマーキングを入れていきます
最後にキット付属のデカールで服のマーキングを入れていきます。配置は説明書の完成写真を参考に感覚で貼っていきます
「Mr.マスキングゾル改」 400円(税別)
ガイアノーツの「ブライトレッド」 200円(税別)

 今回のシャツに関しては肌と同じツヤ消し処理にしています。原型での服のしわが細かいので、クリアでの質感を変えなくても、違いは感じられると判断しました。

 服のまだら模様を見せるために「スポンジチッピング」と言う手法を使っています。この塗り方は戦車のサビ表現などを使う手法で、荒いスポンジに塗料をつけて、軽く押してつけてランダムなパターンを色づけるものですが、服のまだらを表現するのに良いかなと思ってやってみました。デカールとも相性が良く、良い雰囲気になったかと思います。

車のボディ風の“キャンディ塗装”で、ギターを塗る

 ギターの配色ですが見本写真の木目調も良いのですが、個人的な好みの色で塗っていきたいと思います。そこで今回はパールを効かせたブラックで仕上げることにしました。塗装工程を写真で紹介します。

 ギターの塗り方は「キャンディ塗装」と呼ばれるものに近い、クレオスの「Mr.カラーGX スーパークリアーⅢ」を厚く塗り、光沢を強めにする手法を意識しました。車のボディなどを表現する手法です。

【ギターの塗装】
見本写真。ギターの雰囲気は変えていきます
まず下地にガイアノーツの「ピュアブラック」をベタ塗りしていきます
ベタ塗りが完了したら上から「Mr.クリスタルカラー ルビーレッド」を吹いていきます。この時点では表面にツヤがないためパールの色は見えにくくなっています。最後に表面のツヤを仕上げることでパールの色が出てきます
「Mr.クリスタルカラー ルビーレッド」 280円(税別)
「Mr.カラーGX スーパークリアIII」 200円(税別)

フィギュアの要! アイの塗装

 ガレージキット制作において最も大切で、難しいアイの塗装を行なっていきます。ガレージキットのアイにおいて、最近のキットでは水転写デカールによる色分けが主流となっています。

 しかし、本キットにはアイの水転写デカールは付属していません…(現在生産されている再販版にはアイの水転写デカールが付属しているらしいので安心してください)。そのため、今回は筆塗りにてアイを仕上げていきます。アイとはその名の通り、“目”の塗装です。フィギュアにおいて大事な要素で、ほんの少しずれてしまっただけで雰囲気が変わってしまう。ここは一番苦労した所です。

 後述しますが、アイは失敗しても修正ができるよう、エナメル系の塗料を使っています。筆で白目、まつげと眉毛、そして虹彩、黒目と塗っていきます。アイは特に練習が必要で、場数を踏むことで上達する要素です。

【アイの塗装】
まず下地色として白を塗っていきます
次にまつ毛と眉毛の部分を筆で描き込んでいきます。可能な限り細い線を引くことが成功させるコツだと思います
次に虹彩を描き込んでいきます。虹彩は最初に明るい部分を塗装し
黒い部分を描き込んでいきます
その後、ハイライトを入れていきます。ハイライトのポイントは左右の目で光源を対称に入れない事だと思います
ハイライトの書き込みが完了したら最後にクリアでコーティングしてツヤを出していきます。これでアイの塗装は完了です

 筆者はアイにはタミヤの「エナメルカラー」を使っています。それ以外の部分の塗装はラッカー塗料です。アイにエナメルを使うのは、「失敗してエナメル溶剤で落としても、ラッカー系塗料に影響が少ない」というところにあります。

 目だけやり直しができるのです。ちなみに、まつげに関しては今回3回も直しました。何度も消せるエナメルが筆者は好きですね。

 今回は見本写真やポーズを参考に、ちょっとにらみつけるような、性格のきつさもイメージしながら仕上げてみました。雰囲気は出ているでしょうか?

【タミヤの「エナメルカラー」】
タミヤの「エナメルカラー」 各150円(税別)