特別企画
【ちょい組み】バンダイの「スーパーミニプラ GEAR戦士電童 電童&データウェポンセット」を組んでみた
エポックメイキングな関節可動で劇中のアクションが手のひらで再現できるプラモデルキット
2021年2月3日 00:00
- 「スーパーミニプラ GEAR戦士電童 電童&データウェポンセット」
- 開発・発売元:バンダイキャンディ事業部
- 発売日:2021年1月25日
- 価格:5,000円(税別)
- ジャンル:プラモデル
読者のみなさんが「気にはなるけど挑戦する踏ん切りがつかない」など気になる商品をレビューのように気負わず、ライターの「挑戦してみたい」という想いを実現した“ちょい組み”企画。
今回、筆者が紹介するのはバンダイキャンディ事業部より展開中のプラモデルシリーズ「スーパーミニプラ」より「スーパーミニプラ GEAR戦士電童 電童&データウェポンセット」を紹介したいと思います。
「GEAR戦士電童」は2000年に放送されたサンライズのロボットアニメ。筆者にとってこの作品はリアルタイムに見ていただけに思い入れが深く、これをモチーフとした商品として「スーパーロボット超合金」なども追いかけていました。今回の「スーパーミニプラ」では自分で電童やデータウェポンを組めるのが楽しみでした。
実際組んでみるとサクサク組むことができ、特に関節など電童ならではのギミックに驚かされた。ここでは実際に組んだ感想を語っていきたいと思います。
GEAR戦士電童がボリュームたっぷりのプラモデルに!
アニメ「GEAR戦士電童」は2020年に放送20周年を迎え、このスーパーミニプラシリーズが発表された。電童とライバル機にあたる「騎士GEAR凰牙」、各データウェポンのキット化に加え、初の立体化となる「フルアーマー電童」のオプション装備など話題を呼んだ。筆者はアニメ直撃世代で、放送当時の展開されていたDXシリーズ、のちに立体化されたスーパーロボット超合金シリーズと逃し続けてきたが、今回のスーパーミニプラでようやく手にすることができた。というのも、事前情報として「すべてのデータウェポンが立体化」、「フェニックスエール、輝牙、フルアーマー電童の装備が登場」と豪華ラインナップが発表されたのも大きい。
そして、近年の食玩プラモデルの中でも衝撃的な可動域、造形力の「スーパーミニプラ」シリーズでの立体化は高い期待感があった。同時にロボットものの立体化では常に付きまとう可動域とポージングの整合性がどうなっているのかが気になるところだ。
パーツとシールは最小限。組んでわかる驚異的なパーツ構成
「スーパーミニプラ GEAR戦士電童 電童&データウェポンセット」は電童とデータウェポン2体分のランナー、合わせて細かい色分けがされているため、かなりボリューム感がある。しかし、ランナー一つ一つは小さく、一枚のパーツ数も少ない。電童を例にするとランナーは14枚。組んでみた感覚としては軽めのHGモデルのガンプラくらいだ。組み立て時間も筆者は素組で3時間程度とプラモデルに慣れている人はもちろん、プラモ初心者にも組み立てやすいキットとなっている。
組み立てていくと、パーツは必要最低限で最大限の可動を実現したパーツ構成だとわかった。食玩プラモのディテールアップは、筆者の幼い日の記憶ではシールを張ることが多かった。色分けはせずに可動を確保し、ディテールはシールで補う。しかし、シールではどうしても出来上がった時にシール部分が浮いた印象になってしまう。それが多くなってしまうとその違和感も強かった。
しかし、そこは「スーパーミニプラ」シリーズというべきか、塗装済みパーツが封入されている。そして、驚いたのは「ランナーにすでに塗装されているパーツもある」ということだ。塗装済みのパーツはランナーとは別にあるという先入観を持っていた筆者にとっては目を見張る構成であった。これによってシールの使用量を軽減、完成時の見栄えの良さがより高くなった。
そして、気になるのは可動域は満足感ある作りこみとなっている。電童は劇中では手足のタービンを活かしたアクションと格闘戦がメイン。タービンが回転する可動もだが、それを活かしたアクション再現ができる動きこそが重要だ。
腕部は肩、二の腕、上腕、手首が動き、フレキシブルな可動ができる。
脚部の膝関節は筆者はこれまで見たことのない構成となっていた。ロボットプラモではいわゆる2重関節(大腿部と下腿部を繋げる基部の構成)によって、正座のような足を折り畳んだポージングが可能となった。
しかし、電童は脚部のタービンを使った高速移動が劇中であり、その時は膝立ちに近い状態となる。しかし、その状態で移動するというのは、どうしても不格好になってしまう。アニメではそうした関節部をアングルやはったりでカッコよく見せるが、立体物は物理的な制約が出てきてしまう。マッシブな電童のデザインでは2重関節では正座姿勢にするのは難しいのだ。それを解決するために「スーパーミニプラ」シリーズが出した答えが、大腿部を引き出し式の可動を加えたことだ。
腰部も上体の可動と股関節のスイングでダイナミックな動きを付けることができる。必殺技である「ファイナルアタック」時などの「力をためる瞬間」がより臨場感ある仕上がりとなる。細かいギミックではマスク・バイザーの開閉、背部のハイパーデンドーデンチの交換、ファイナルアタック時のバックパック展開も再現されている。
そして、データウェポンの造形力と可動にも余念がない。データウェポンは電童のオプション武器として活躍する。しかし、劇中のデータウェポンは単なる武器ではなく意思を持った生命体としての一面を持ち、アニマル形態ではそれぞれの個性が見える動きがある。
本キットのユニコーンドリル、レオサークルのアニマル形態でも手足が動き、単体でも愛嬌とカッコ良さを持った造形となっている。劇中では小さなホログラム的な状態で登場する場面もあり、手にしてみると「実際にこんな感じだったのだろうか」と思わず笑みがこぼれる。