特別企画
タミヤのRCカーに挑戦! コースで練習を重ね自分の走りの改善点を見つける
パーツ交換、変化する操作感でより安定した走りを目指す
2021年3月31日 00:00
- 【1/10RC コミカル アバンテ (GF-01CBシャーシ)】
- 2020年8月1日発売
- 価格:18,700円(税込)
- サイズ:345×240×189mm(W×H×D)
- 車重量:約1510g(RCメカ・バッテリー含まず)
- 駆動方式:ギヤ駆動4WD
実際にRCカーを組み立て、RCカーの楽しさを体験していく「タミヤのRCカーに挑戦!」。第1回では「1/10RC コミカル アバンテ (GF-01CBシャーシ)」を組み立てて実際に走らせてみた。その後、目標であった「タミヤRCカーグランプリ 東日本大会」(2020年9月27日開催)に参加し、ある程度の結果を残し、そのレポートを……といきたかったのだが、実際は1周するのがやっと。きちんとコースを走らせるためにはまずは徹底的な練習が必要だと実感した。
そこで今回は筆者の練習風景をレポートしていきたい。本格的なコースではマシンを思いっきり走らせることができるし、操作する醍醐味をたっぷり味わえる。コースで周回を重ねることでRCカーの操作には慣れてくるし、よりうまく走らせるためには何をすればいいかが見えてくる。
また練習では「他の人と走る」というのも大事な要素だ。筆者はどうしても緊張してしまうが、こういった経験を積まなくてはうまくなれないし、他の人と競うレースという大きな目標に近づけない。今回は筆者が走ったコース、練習で得た実感を語っていきたい。走り込むことでよりマシンを操作する楽しさが見えてくる。RCカーに挑戦する楽しさをレポートする。
「まず安定して走れるようになりたい」じっくり走って自分の課題を考える
RCカーを走らせるには広い場所が必要となる。郊外なら空き地があるかも知れないが、都会ではなかなかそういう場所はない。しかし都内でもレースの練習ができるコースがあれば思いっきりRCカーを走らせることができる。筆者は自宅から車で30分くらいで行ける模型店「タムタム大宮店」のコースを利用している。
タムタム大宮店には、しっかりしたコースがある。高い場所から操作できる操縦台、RCカーのメンテナンスができる屋内のピットスペース、走り終わったときに埃を飛ばすことができるエアガンなど装備が充実している。欲しくなったパーツをお店ですぐ買えるところもうれしいところだ。
利用料金は平日で1時間500円、5時間で1,500円。会員になることで割引がある。土日は割り増しになる上に走る人が多いので、できれば平日に練習をしたいところだ。
筆者が練習していたとこその日は小雨が降っていたため、他の人はマシンのセッティングを主にやっていた。このため2時間たっぷり走り込むことができた。持ってきた「1600SPバッテリー」2本と「1300カスタムパック」1本をフルに使って色々コースを走ってみた。
走っていて気がつくのはタイヤへのダメージだ。転倒や外壁での接触でタイヤがホイールから外れ緩んでしまうこともある。こまめにチェックし、外れた箇所を再度接着するというメンテナンスも重要だ。
何周かコースを走った結果、直線でアクセルを開けた時に走行が安定しないでフラつく点と、コーナーのハンドル操作の感覚が難しく、上手く曲がれない点の2点が、自分の課題だと認識できた。
筆者が使っている「コミカルアバンテ」は、前輪と後輪の間を短く、重心も高めにする事でコミカルな走行を実現しているが、その分、コーナーリングからの立ち上がりなど、車体の向きが安定していない状態で加速するとふらつき、それを戻すためにハンドルを切ると、さらに挙動が乱れ蛇行してしまう。
この安定して走れないという課題はそのままコーナリングにも直結する。同じコーナーでも違ったラインと速度で入ってしまう為、上手く曲がれたと思ったのに次は全然ダメ、という事になりがちなのだ。そこで「新たなセッティングパーツでこの挙動は改善できるのではないか?」と考えたのである。
反省点を元に、カスタムパーツで課題を克服する。
RCカーの楽しさは様々なパーツをアップグレードすることで、自分の愛機をより自分の好みの走りに近づけることにある。筆者の場合、前回すでに「ロングホイールアスクル」を装着済みだ。このセッティングは「コミカルアバンテ」の組み立て説明書で「転倒しにくくするためのセッティング」としてオススメされていたものだ。
ロングホイールアスクルはその名の通り通常パーツに比べ車軸を長くするパーツで、これにより車幅が広くなったことで転倒に強くなった。今回はさらに挙動を安定させる為のパーツ「アルミステアリングアーム」、「アルミサーボステー」を購入して組み込んでみた。
この2つは「ステアリングの精度をさらに向上させるパーツ」だ。アルミステアリングアームは、送信機からの信号を受けて作動するサーボの動きをより正確にステアリングに伝える。アルミサーボステーはサーボの基部をより強固に固定し、ステアリングを切ったときサーボ側が動いたりしないようにする。
「自分の運転の課題がマシンを改良することで本当に良くなるのか?」、「改造するより走り込んだ方が良いのではないか?」という自分の内なる声も聞こえた。筆者はオートバイのレースが好きなのだが、オートバイの世界でも、何グラムか軽くする為に高価な部品を買うより、まずライダーがぜい肉を落とした方が良い、とも言われる。
道具の前に腕を、という考え方もあるが、しかし逆に、うまく行かないと感じるからこそ道具をいいものにしてモチベーションを高めたい、という気持ちも強かった。
まずシャーシに取り付けられていたサーボを外す。そして樹脂にネジ山を作りながらネジ込む「タッピングビス」2本での固定から、予め精密なネジ山が切られたアルミステーをストレートネジ4本で固定していく。これでシャーシにサーボをより強固に装着できた。
続いて「ステアリングアーム」を変える。まず取り付け軸がノーマルのストレートピンから中空のパイプに変わるので、より精度が高くなる。ステアリングアーム自体も黒い樹脂製からアルミ製に変わるが、こちらもステアリングロッドを繋ぐ「ピロボール」用のネジ山が加工されていてより細かな調整が可能となる。
部品の装着前後で比較動画を撮ってみた。注目は左下部分。ステアリングを切ると標準状態ではサーボ部分が動いているが、パーツ交換後ではサーボ部分がより強固に固定されているのがわかるだろう。これにより、より安定したステアリングが可能となるはずだ。
こうしてパーツを組み込み、リニューアルしたマシンを携えて、再度タムタムでのサーキット走行となった。