特別企画

タミヤのRCカーに挑戦! 新北総サーキット・小暮オーナーに教わる走行のコツ、高機能プロポで安定した走りがより可能に!

 ついにレース出場を体験した筆者。筆者もぶつかってばかりいた最初の走行から、地道に練習をし、サーキットでもスムースに周回を重ねられるようになった実感があった。しかし実際に速い人に混じってレースを走ってみると、自分がサーキットを走れるスピードとはかなりの差があった。

 この時、新北総サーキット小暮オーナーから「速く走りたいと思われたら、是非また来て下さい」と声をかけて頂いた。これまで独学で練習を繰り返していたがRCカーのコツを掴んでいる方に教えていただくというチャンスが得られたのだ。

 「タミヤのRCカーに挑戦!」は、今回からは小倉オーナーに教わったことを実践していくこととなる。最初にまず教わったことが「高機能プロポの導入と高速を意識した走り方」である。独学では思いつかない練習だった。これからRCカーをはじめる人の参考になれば幸いだ。

【小暮オーナー】
千葉県富里市御料にあるサーキットで、盛んにレースが開催されている

サーキットに特化したRCカーへ、高機能プロポ「3PV-R203GF」を導入!

 まず最初に小暮オーナーから指摘されたのが「プロポ(送信機)のアップデート」である。レースで走るためにはいくつかの機能を持った高性能なプロポが必須であるという。その中でも特に必須なのが「サブトリム」だ。

 このサブトリムとは、ニュートラルの位置「だけ」を微調整する機能。プロポは「ステアリングトリム」という調整機能がある。これまで使っていたプロポではアナログ式のレバーを動かしてまっすぐに走るための位置を調整していたのだが、ステアリングトリムを廻した方向と逆にステアリングを切ると、真ん中から僅かしか動かないなど、走りに大きな影響が出てしまうのだ。左右の振り幅も変わってしまうので、いわば"マシンの癖"が出てしまう。

【従来のプロポでのセッティング】
赤い矢印が「ステアリングトリム」、赤い○がサーボのアームだ。解りやすくするために、「ステアリングトリム」を最大限廻してみた
ステアリングトリムを廻した方向と逆にステアリングを切ると、真ん中から僅かしか動かない
ステアリングをトリムを廻した方向は、大きく切れる

 このため、サーボとタイヤを繋ぐステアリングロッドの長さなども調整し、さらにその癖を体感で会得しなくてはならない。「標準のプロポは気軽に走らせるだけなら充分ですが、レースに出場するには逆に色々なところを調整しなくてはまっすぐ走るのが難しいんです」と小暮オーナーは語った。

 一方で、サブトリムは、サーボのニュートラル位置をしっかり設定してくれるので、これにあわせ左右のステアリングロッドを同じ長さにしてやれば、理論上は真っ直ぐ走るし、曲がる角度も左右同じくなる。サブトリムを設定することでよりしっかりと「まっすぐ走り、きちんと左右に曲がれるセッティング」が可能となるのだ。

 今回小暮オーナーのオススメで購入したのは、フタバ電子「3PV-R203GF」である。「3PV-R203GF」は液晶のモニターがついていて様々な機能を持っている。サブトリムはデジタル式での設定が可能だ。ちなみに、フタバ電子は1985年の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にもプロポが登場するぐらいに「RCのFutaba」として世界的に有名な老舗だ。

【3PV-R203GF】
「3PV-R203GF」は見やすい液晶を備えている
「3PV-R203GF」では、ステアリングサーボは1「サブトリム」と、2「トリム」で、デジタルに調整する事が可能
サブトリムでニュートラルを出すと、左右の角度は変わらない

 また、走行中、壁にぶつかったりすると、ステアリングサーボのニュートラルの位置はズレてしまう。そうなると左右のステアリングの角度が変わってしまうので、真っ直ぐ走るためには再度調整が必要になる。

 フタバ「3PV-R203GF」は、ワンプッシュでサーボの位置をリセットできるし、走りながらホイール横のボタンでステアリングサーボを微調整する機能を備えている。レースに出場するようなサーキット走行に慣れている人は、壁に当たった場合は直線走行中にハンドリングの調整をしている。筆者もプロポを交換したことで、ようやく同じスタートラインに立てると言えるだろう。

「3PV-R203GF」はステアリングホイールの横に3つのボタンが付いていて、走らせながらのトリム調整が可能だ

 オーナーの助言をもらいながら、「3PV-R203GF」に対応したサーボをマシンに組み込んでいこう。フタバ「3PV-R203GF」の受信機は両面テープで貼り付けてコードを差し込むと搭載できる。

 そして送信機と受信機をペアリングさせればステアリングサーボはそのまま動作するので、説明書に従って、サブトリムでニュートラルを出し、トリムでステアリングの左右を微調整し、「EPA」(エンドポイント)でステアリングを最大に切った状態、最大舵角をセッティングしていく。

【サーボの取り付け】
フタバ「3PV-R203GF」の受信機は両面テープで貼り付けてコードを差し込むと搭載できる
説明書にフローチャートがあるので解りやすい。3chの設定などツーリングカーには使わない機能もある
「EPA」エンドポイントは、ステアリングを最大に切った時にタイヤがシャーシに当たらない様に抑える為のセッティング。この状態だとタイヤがバンパーに当たってしまっている
「EPA」を調整して、タイヤがバンパーにぶつからなくなった

 アナログで見た目で調整するのに比べれば難しく感じるが、サブトリム無しでサーキットを速く走るのに比べ、一度決めてしまえば楽になる。最後に、スピードコントローラーを以前やった様に調整してやれば走れるようになる。

 以上でプロポの載せ替えは終了、新プロポでサーキット走行を行なっていく。次項では走行時の小暮オーナーのアドバイスや模範走行もお見せしたい。