特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、最小限の塗装でキリリと仕上げる!
「ズゴック」の爪や噴射ノズル、ミサイル発射口を塗ることで、抜群にかっこよく!
2021年4月20日 00:00
今回は「初めての方も手軽にできるようなガンプラ塗装」です。ガンプラは、一部のキットを除いてプラスチックが着色されており(成形色といいます)、さらに付属のシールも使うことによって塗装せずとも劇中の色分けが再現されているのですが、だからこそ、部分塗装により、プラスアルファで塗装することで、より“作る”楽しみを味わえるというわけです。
プラモデルの楽しみは、作ってそのまま飾ったり遊んだり、コレクションしたり、もしかしたら別機体のパーツを接続して「カスタマイズ」してみたり、といろいろあります。しかしやっぱり、王道は、自分のイメージに合わせて改造などの手を加えたり塗装をするというような「ディレクション」的なものだと思っています。今回の記事は、このディレクションする楽しみの第一歩として、「自分だったら……」、「自分としての……」という気持ちで色を塗って、満足してみませんか? というお誘いでございます。
というわけで、今回色を塗るのは「HG 1/144 ズゴック」です。部分塗装すると印象が劇的に変わる「ツメ」を持っているのでチョイスしてみました(まあ、ゴッグでもアッガイでもツメはありますが……)。なお1/144のズゴックは、RGシリーズもリリースされているのですが、HGのほうがお手軽に組み立てられますから、そこもひとつの魅力です。
まずは計画をたてる、「どこに色を塗るとカッコイイか?」
色を自分なりに塗る前に、キットをまず完成させて、どこにどのような色を塗るか決めたほうがいいでしょう。ガンダムに限らずカッコいいと思ったイラストを参考にしたり、誰かが作った完成品の配色を真似てみるのもいいと思います。プラモデル関連の雑誌、書籍に掲載されている、「作例」と呼ばれる完成品は、まさにそうした「お手本」となるべく作られているので、大変参考になると思います。
今回は、それほどたくさん色を塗らずに楽しめ、かつ見栄えがするように、と考えて以下の箇所を塗ってみることにしました。
1 頭部ミサイル: 頭頂部に6器装備されているミサイルです。頭頂部ゆえ目立ちますし、ツルンとしたズゴックの中において、そこそこ形状が細かいので見栄えがするかなと。
2 胸部ダクト: 胸の、丸いダクトと角型のダクトもミサイル同様に形状の細かい部分なので、やってみましょう。
3 アイアン・ネイル: こちらはズゴックの特徴で、金属っぽくしてあげると目立つはず。
4 足底、背部のハイドロジェット: 他のMSではバーニアにあたる部分で、こちらも形状が細かいので映えるでしょう。
今回は部分塗装なので、基本的に小さくて形状が細かい箇所に対して、それなりに目立つ色を配色することで全体のメリハリを出してみよう! という方向性で進めてみることにしました。ほかの機体では「肩アーマーだけ色を変えてみる」、「関節をメタリックもしくは他の色に」など、お好みで計画を建ててみると楽しいと思います。
準備するのはガンダムマーカーのみ、ミサイル発射口を際立たせて頭部をかっこよく!
さて、次に道具を準備しますが、初めてならばもっともお手軽な「ガンダムマーカー」シリーズをおすすめします。そもそも初心者向けなので、ほぼ透けることなく一撃で色が乗りますし、ペンなので扱いやすい。さらに、筆塗りをしたければ中の塗料を小皿などに押し出して筆にとり使用することもでき、一石二鳥です。「消しペン」もラインナップされていますので、失敗したら拭き取ることだってできてしまいます。
頭部のミサイルを、ミサイルと発射口を塗ることで際立たせる
では、作業開始です。まずは頭部ですが、ミサイル発射口とミサイル本体を別の色に塗り分けたいので、いったん頭頂部の丸いカバーから、モノアイレール&ミサイル本体のパーツを取り外します。せっかく組んだ部品をバラバラにするのは損した気分にもなりますが、ひとつの塊を塗り分けるよりも、色ごとにパーツを分割した状態で塗装したほうがはみ出しが発生しないので楽なのです。
さて、ミサイル本体にはグレー、発射口にはレッドを塗っていきます。このあたりの色のチョイスはお好みです。ミサイルに関しては、航空機のミサイルを考えると白がいいのかなと思いつつ、ヘンに悪目立ちしそうだったのでグレーにしてみました。
発射口の赤は、ドムのスカートの内部、高機動型ザクIIのバーニア内部などは赤であって、「モビルスーツの内側は赤がカッコいいんだ!」というファーストガンダムリアルタイム世代的発想によるものです。
では、まずはミサイルから塗っていきましょう。
いや……不器用と集中力不足が祟って、とても汚いですね。でも、ほぼ頭頂部のカバーで隠れてしまうのでだいじょうぶです。とはいえ……赤丸の部分にご注目です。モノアイレールの部分まではみ出してしまっていて、これはカバーを被せても見えてしまいます。そこで登場するのが、こちら!
この消しペンで、はみ出した部分をゴシゴシと溶かして拭き取れば、きれいになります。
なお、消しペンのペン先は溶けた塗料で汚くなりますので、それが嫌な場合は消しペンのペン先を押し付けて染み込ませたティッシュで拭ってもいいでしょう。
お次は頭頂部です。こちらは、レッドを塗っていきます。
こちらも消しペンで拭き取っていきましょう。……あー!
やっぱり、はみ出させることは仕方ないとはいえ、なるべく注意深く、最低限に抑えたほうがよいですよね。実はこうした広面積の拭き取りは、模型用の「うすめ液」として売られている各種シンナーをティッシュに染み込ませれば楽なのですが、今回は消しペンの溶剤をティッシュに染み込ませて拭き取っていきます。ペン先で溶かしてティッシュで拭き取る方法では時間がかかるので。
そして、完成したのがこちら。
作業はこの後も続くのですが、やっぱりここは、すぐにでも出来栄えを確かめたい! カポッとかぶせて状態を見てみましょう。うまくいったかな?
(C)創通・サンライズ