特別企画
エアガンを手にしたからには……サバゲーに挑戦!
戦場ならではの緊張感、仲間と共に前に進む楽しさと興奮!
2021年5月21日 00:00
ハンドガン、アサルトライフルとエアガンの趣味を広げる中でいつかは参加したいと思っていたのが「サバイバルゲーム」である。数十人のプレーヤーが広大なフィールドでエアガンを手に撃ち合う。一見危険なイメージがあるが、現在のサバゲーは銃の弾速制限に加え、ルール・マナーも徹底され、初心者や女性でも楽しめるスポーツとなっているという。
それでも1人ではハードルが高いと感じていたが、サバゲー歴20年以上というライター・こもとめいこ♂氏との出会いは足踏みをしていた筆者の背中を大きく押してくれた。そこで愛銃である“次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」”を中心に装備を調え、千葉県印西市にあるサバゲーフィールド「東京サバゲパーク」でサバイバルゲームを体験してきた。
結論としてはとても楽しい体験ができた。強い緊張感の中、敵を探し銃を構える感触はもちろん、撃たれた実際の感覚、戦場での動き方、また他の人たちがいかにゲームを楽しんでいるかなど、本当にいろいろなことを発見できた。運営側の初心者への配慮、ゲームとして楽しんでもらおうという姿勢も実感できた。筆者のレポートが、これからサバゲーを始めようという人たちの後押しになって欲しい。
しっかりしたルールのもとゲームを楽しむ
「東京サバゲパーク」は千葉の印西市にある。印西市はその名の通り印旛沼の西にあり新興住宅地としての開発が盛んだが、まだまだ山林や田畑も多い。そういった田園地帯にある「東京サバゲパーク」は広大な場所をサバイバルゲームフィールドとして整地している。大きな駐車場、装備を準備するセーフティーゾーンはテーブルとベンチが何組も置かれ、トイレや装備の補充もできる売店スペース、昼食の販売など、設備は充実している。
メインとなるサバイバルゲームフィールドは中東の市街戦をイメージした「Aフィールド」、米軍基地の訓練フィールドを再現した「Bフィールド」を用意。周辺は工事現場のようにしっかり壁とネットで覆い、流れ弾が外に出ないようにカバーしている。かなり施設がしっかりした場所だという印象を持った。
ルールも徹底しており、BB弾の入った弾倉を銃にセットするのはサバイバルゲームフィールドに入ってからで、ゴーグルを着用しなければフィールドはもちろん、試し打ちをする「シューティングレンジ」に近づくのも禁止。ゲームの前に使用する銃の弾速は厳密にはかり、許可を受けたシールを貼ったものしかゲームでは使用できない。
「東京サバゲパーク」では初心者向けに装備の貸し出しだけでなく、銃の構え方や操作も細かく教えてくれる初心者講習も毎回開催している。ゲームは10時からスタートするが、初心者講習を望むプレーヤーは30分ほど講習を受けてからプレイに参加すると言う形になる。初心者は専用の目印が与えられ、撃たれても復活できる回数が多いなどの優遇も用意されている。
実は筆者がサバイバルゲームをプレイするのは今回が2回目。前回はこもと氏と2人で参加し、初心者講習にも付き合ってもらった。銃に対する注意などは繰り返し教えられ、銃の構え方、さらには希望すれば実際に撃たれて弾の感触を実感することもできる。前回この講習に参加したおかげでスムーズにプレイできた。
ルールやマナーに関して「東京サバゲパーク」は徹底している。この講習会だけでなく、試合が開始する前の20分、フィールド外では弾倉を外すこと、ゴーグル装着の徹底、撃たれたときに「ヒット!」と大きく宣言すること、手足でも弾が当たったらヒット扱いになること、不意を突いた場合でも必ず弾を当てヒット扱いにすること、視線の通らない射撃の禁止……などなど細かい注意事項を改めて確認する。こういった“ルールの共有認識”をし、きちんとルールを守った上でプレイを行なっているというのは、感心させられたところだった。
戦場ならではの緊張感と興奮が体験できるバトルフィールド
「東京サバゲパーク」ではプレーヤーは2チームに分かれ、決められたスタート地点からスタートして戦場で戦いを繰り広げることとなる。戦場は中東の市街戦をイメージした「Aフィールド」、米軍基地の訓練フィールドを再現した「Bフィールド」の2つのフィールドを使い、縦横100m近くある広大な場所となっている。廃棄された車、土嚢で作られた山、板で仕切られた閉鎖空間など、戦場の表情は多彩だ。
このフィールドで160人、1チーム80人のプレーヤーが撃ち合いをしていく。奇襲するために駆け出すプレーヤーもいるが、じっくり前に進んで敵の迎撃ポイントで銃を構える人も多い。筆者のような初心者は、先輩プレーヤーを見ながらじりじりと前に進んでいく。
ゲームでは単純な撃ち合いだけでなく、片方が攻撃、片方が防御を担当する「ドミネーション」、攻撃チームが大きな荷物を敵陣地へ運ぶ「運搬戦」など様々なルールがあって戦い方はルールによって変わってくる。また撃たれても陣地に戻ることでゲームに再び参加できる「復活」の回数によっても戦い方は変わってくる。
筆者は「Call of Duty」シリーズや「カウンターストライク」などリアルな戦場を舞台とした「対戦型FPS(一人称シューティング)」が好きでよくプレイしていた。サバゲーをプレイしていてその感触はコンピューターゲームのものを思い出させるところも多かった。特にゲームになれていないとき、自分が撃たれたくないのでほかのプレーヤーの後ろにいて、障害物に隠れて銃を構えるという行動、自分の小心さと戦場の怖さを実感している感じは全くおなじだと思った。
逆にコンピュータゲームの体験があったからこそ自分を客観視でき、サバイバルゲームを一層楽しめるという側面もあったと思う。じりじり前に進んでいくと想像もつかないところから弾が飛んできて命中したりする。ほかの人がカバーしている中どう動くか、相手はどこにいるか、探りながら動くことになるのだが、正直、すごく緊張する。ゆっくり歩いているだけでも息が切れてくる。この雰囲気はかなり楽しい。
偶然うまくかみ合った場合など敵の不意を突くことができる。筆者は前回うまくヒットがとれたことがあったが、今回は前回以上に前にうまく出れず、不意に撃たれてしまうことが多かった。ある程度は大胆に行動した方が良いと思うのだが、どうも前に出れない。こういったやきもきする気持ちもFPSでなにもできずにやられてしまった時に感じた気持ちに似ている。
そしてサバイバルゲームはやはり“リアル”だ。ドラム缶や壁にBB弾が当たって音を立てる。「ヒット」と撃たれたプレーヤーが声を上げる。しかし相手プレーヤーは見れない。前に出るタイミングを同じく隠れているほかのプレーヤーを見ながら考える。敵がいたらすぐ撃てるように銃を構えたいのだが、移動に気をとられそうになる。いろいろな気持ちを感じながらじりじりと移動する。この緊張感はとても楽しい。
ちなみに「撃たれると痛い」というのは、実際のところそこまでではない。弾の初速は厳密に規定されており、厚手の布地の服を着ている筆者の場合は、弾が当たったとしっかりわかるくらいで、強い痛みは感じなかった。筆者は規制前のエアガンで撃たれた記憶もあり、最初は怖かったのだが、きちんと管理された戦場で、遠~中距離くらいの弾はそれほど痛くない。
一度は敵が待ち受けているところに飛び出してしまい、まさに「蜂の巣」になったりもした。もちろんゴーグルをしっかりつけ、帽子で頭も覆い、手袋をつけているからこそだが、きちんと体を衣服で覆っていれば、BB弾はそれほど痛くない、と言うことを学べたと思う。
「東京サバゲパーク」では戦闘時間そのものは10分ほど、前後に会場移動やルール説明などがあり、1サイクルは30分ほど、これを10時半から17時までみっちりと行なう。途中に食事休憩があるが、様々なルールで10戦ほど楽しめるのだ。まさに一日中サバゲーを満喫できる。かなり濃密な遊びが体験できた。
今回は何度かあえて試合に参加せず、キャットウォークからの撮影もしてみた。戦場を俯瞰的に眺めると得ることが多い。特にうまいプレーヤーの動きはかっこよく、参考になる。仲間と役割分担しているプレーヤーもいて、「もっとうまくなりたい」と思わされた。
やはりこだわりの装備で戦場に参加したい!
最後に「サバゲーを遊ぶための装備」にも少し触れておこう。極論を言えば「東京サバゲパーク」は戦闘服や銃はすべてレンタルしてくれるので“手ぶら”でサバイバルゲームを楽しむことができる。「とにかく体験してみたい」という人はレンタルでも可能だ。
しかしやはり、ちゃんと「サバイバルゲームを楽しむ」ならば装備はそろえたいところ。自分の銃、予備のマガジン、ゴーグル、マガジンポーチや、ハンドガンを収納するホルスター……肘当て、膝当ても欲しい。銃は本格的なものだと数万円はかかるが、ゴーグルやホルスターなどはそれぞれ数千円で購入できるので、まず1万円分の装備をそろえる、と言う感じでアップグレードしていくのも良いと思う。筆者はまさにこのタイプで、最小限の装備をそろえた感じだ。
こもと氏の装備はこだわっている。彼の“AK”へのこだわりは執筆済みだが、装備もこだわりがみなぎっている。ほかにもアニメ風の戦闘スタイルや、第二次大戦時の装備、西部劇風など参加しているプレーヤーのこだわりは本当に面白い。やはり好きな銃、好きな装備で戦場を駆け巡る、と言うのがサバイバルゲームの醍醐味だろう。
筆者はまだ2回しかサバイバルゲームに参加していない。体力も全然ないのでこれからどんどん参加! と言うところまでは勢いがないが、これからも何度かゲームに参加し、今後の原稿に活かしていきたい。