特別企画

【ちょい組み】「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」

手足との作成、緊張感を持って臨んだデカール貼り

 胴体の次は、脚の製作だ。L.E.D.ミラージュは基本色の白に鮮やかな赤の差し色が印象的な機体だが、実は赤い部分は脚に走っているラインしかない。ほかで使われているのは、アマテラスの騎士であるという証の“血の十字架”だけだ。

 「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様.」では、この脚の赤いラインを鮮やかなクリアパーツで表現しており非常にカッコイイ。また印象的だったのが、脚のかかと部分。ハイヒールの特にかかとが細い“ピンヒール”なのだ。このためパーツを置いただけでは安定しない。「このパーツで本当にL.E.D.ミラージュが立つのか?」と不安になってしまった。

【脚部の組み立て】
脚部もフレームを組み立ててからアーマーを取り付けていく
赤のクリアパーツが印象的だ

 そしてすね部分は「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」の大きな山場といえる“炎のエフェクト”がある。L.E.D.ミラージュは両足にすさまじい出力を誇るエンジンを搭載しているという設定だが、このプラモデルでは両足に炎のようなエフェクトが描かれ、そのエンジンのすさまじさを表現している。キットではデカールによってこれを再現している。

 今回、「Aトール」では挑戦しなかったデカールにも挑戦している。 デカールは使う部分を切り抜き水につけることで台紙からずらすことができ、本体に貼り付けていくのだが、まっすぐきちんと張るのは難しい。おまけに極薄なため、取り扱いは非常に繊細だ。細かいデカーールはなくさないように緊張するし、大きなデカールは貼り付けるときしわになりそうでさらに緊張する。

 炎のデカールは大きいが形が繊細なため、貼り付けるときにちぎれてしまった。このためあえて割り切り、ちぎれたデカールも位置を調整して貼り付けた。このほか組み立てながら何カ所かデカールを貼り付けている。L.E.D.ミラージュには"血の十字架"のマークが必須だからだ。

 L.E.D.ミラージュはアマテラスに絶対の忠誠を誓うミラージュ騎士団のMHであり、“血の十字架”のついていない存在をすべて抹消する。また敵対したものは、L.E.D.ミラージュに描かれた血の十字架により、アマテラスへの恐怖心を抱くのだ。肩の血の十字架は大きなデカールのため貼るのが難しかったが、印象的なパーツのためなんとか貼れて安心した。

【すねのデカール】
本商品の大きな特徴である炎のエフェクト。大きなデカールであり、転写するときにちぎれてしまったが、デザイン的にずれても大丈夫だった
脚が完成。組み上げるとグッとロボットぽさが増した

 L.E.D.ミラージュはアマテラスに絶対の忠誠を誓うミラージュ騎士団のMHであり、“血の十字架”のついていない存在をすべて抹消する。また敵対したものは、L.E.D.ミラージュに描かれた血の十字架により、アマテラスへの恐怖心を抱くのだ。肩の血の十字架は大きなデカールのため貼るのが難しかったが、印象的なパーツのためなんとか貼れて安心した。

 もう1つ、「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」のキットの大きな特徴として脚部分を"可動"か"無可動"で選べることができる。膝部分、股関節に可動用とは別に固定用のパーツが用意されているのだ。「Aトール」もそうだったが、正直このシリーズのキットは関節は設定されているものの、設計が繊細でそのまま組んだ場合動かそうとすると壊してしまいそうで、あまり関節は動かせなかった。このため今回脚は"無可動"を選択した。膝も股関節もしっかり固着しているため、安定度が高く、大きな胴体パーツをしっかり支えることができた。

【各部のデカール】
細かいデカールは貼ることでグッと情報量が増えて楽しい。やはり大きいデカールが難しく、肩の“血の十字架”は特に印象的なパーツなので苦労した

 脚が組み立てられたら腕部分だ。腕は繊細なフレームをアーマーで覆っていく形だが、すんなり組み立てることができた。「Aトール」の時はかなり苦労したが、こちらはサイズが大きかったことや、フレームとアーマーがしっかりわけられている設計が活かされていると感じた。

 一方、肩アーマーは難しかった。接着面がアバウトで、かなり調整しないとアーマーがしっかりまとまらない。ここは仮止めなどでしっかり位置を調整したい部分だろう。肩アーマーに少し隙間ができてしまったのは残念だったが、血の十字架のデカールももなんとか貼ることができ、それなりに満足できる形に仕上がった。

【腕の組み立て】
Aトールでは苦戦した腕の組み立てだが、今回はすんなり組み立てることができた。肘の関節が独特で、永野デザインが楽しめる
肩アーマーは接着位置が難しい部分がある。正面からではわからないが、前後のアーマー部分がずれて隙間ができてしまった
この時点で組み上げてみる。かなり満足感がある

 次は武器を作る。「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」はふた振りの太刀の様な剣が用意されている。この剣は抜く状態か鞘に収めた状態かを選択できる。筆者は1本だけを腰に差すことを選択した。柄部分の血の十字架は塗装での再現だったが、塗りつぶしてから塗料を拭うことでそれっぽく仕上げることができた。赤がにじんでしまったがまあ良しだろう。

【柄部分の装飾】
赤い塗装のところ、にじんでしまったものの、血の十字架もちゃんと判別できる

ついに完成、そのディテールをたっぷり楽しむ!

 実は完成にはもう一波乱あった。腰部分が結局うまくはまらずぐらぐらしてしまうのだ。このためここも割り切り、ジョイント部分を折り、パテでしっかり接着することにした。またやはりかかとのピンヒールは接地面が小さく、さらに立ち姿が後ろに重心をかけるような姿勢なので、飾るときには手持ちのスタンドで腰を支えるようにした。撮影時にもこのスタンドを使用している。

 ともあれ組み上げた「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」は筆者にとって強い満足感をもたらした。インフェルノナパームを装備した「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3」が2014年に出てから、いやそれより十数年も前から「いつかL.E.D.ミラージュのカッコイイ立体物が欲しい」と思っていた筆者の想いが叶ったのだ。

 それはやはり本商品の“組み立てるだけでカッコイイ”という間口の広さがあったからだと思う。最小限の塗装とスミ入れを行なっただけだが、筆者の完成写真で、「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」のディテールを楽しんで欲しい。

【完成!】
ほとんど素組みと言って良い状態で非常にカッコイイ
L.E.D.ミラージュのスケールは1/100。1/144スケールのAトールとはっきり大きさが違う
全高26cmの「DX超合金 VF-31J ジークフリード(ハヤテ・インメルマン機)」と並べてみた

 こだわればどこまでもこだわることができる。そう感じたプラモデルだった。しっかり組み立てるのには仮組や、パーツの調整、さらにモデラーは真鍮線を埋め込み補強する“軸打ち”までやるという。こういった手法は「ガレージキット」では積極的に行なわれるものであり、「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」は手を入れることで魅力的な存在になることは間違いない。

 一方で、説明書通りに造り未塗装で満足してしまう筆者でも組み上げられるキットであることは強調しておきたい。「L.E.D.ミラージュのカッコイイ立体物」という憧れの存在がちゃんと手にできるのである。難しい印象があり、確かに模型技術に応える存在ではあるが、きちんと組み上げることができるし、素組みでもカッコイイ。ぜひ手に取って欲しい。

 なお、現在「IMS 1/100 L.E.D.MIRAGE V3 単騎仕様 Ver.」は品切れであるが、7/31に再販が行なわれるとのこと。フレームランチャー装備型の方はまだボークスでも在庫があるようだ。きちんとチェックし、チャンスを逃さないようにしたい。

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