特別企画

【年末特別企画】冬休みに遊びたい「ボードゲーム」5選

多人数で遊べるモノから1人で遊べるモノまで

 ここ数年、いわゆるボードゲームやアナログゲームなどと呼ばれる電源を使わないゲームの人気が高まっている。店内でボードゲームを貸し出す、ボードゲームカフェも増えている。筆者はボードゲームに特別詳しいというわけではないが、ボードゲーム自体は好きで、ゲームマーケットに行ったり、友人とボードゲームカフェに行ったりはしている。ボードゲームは、PCやコンソール機のゲームに慣れていない人でも、和気あいあいと楽しめることが魅力だ。

 そこで、この冬休みに家族や友人と一緒に遊びたいボードゲームを独断と偏見で選ばせていただいた。なお、ここでいうボードゲームは広義のボードゲームであり、人狼のようなカードを使うがボードは使わないタイプのゲームも含めている。また、1ゲーム60分以内で終わる軽めのゲームを中心に紹介する。

「ナンジャモンジャ・ミドリ」

  • 発売日:2016年2月
  • 価格:1,430円
  • メーカー:すごろくや

 すごろくやの「ナンジャモンジャ・ミドリ」は、ナンジャモンジャと呼ばれる謎の生物が描かれた60枚のカードを使って遊ぶゲームだ。ルールは簡単で、中央に裏返しにしたカードをまとめて山札として置き、1人ずつ順番にカードをめくって絵を上にして重ねていく。初めて見るナンジャモンジャなら、そのカードをめくった人が自由に名前を付ける。その名前を他のプレイヤーも覚えておき、次に同じナンジャモンジャが出てきたら、その名前を早い者勝ちで素早くコールする。正解ならそれまでに重ねられたカードをすべてもらえる。山札がすべてなくなったら、ゲームは終了し、集めたカードの枚数が一番多い人が勝ちとなる。

 対象年齢は4歳からで、カードには絵しか描かれていないため、文字が読めない幼児でも遊べる。12種類のナンジャモンジャが描かれたカードが入っており、2~6人で遊ぶことができる。1プレイの所要時間は15分ほどだ。また、姉妹製品としてナンジャモンジャの絵が異なる「ナンジャモンジャ・シロ」もあり、2つを合わせることで最大12人までのプレイが可能だ。ルールは簡単だが、こうしたボードゲームは大人よりも子どもが強かったりするので、正月に集まった親戚と一緒に遊ぶのもおすすめだ。

「はぁって言うゲーム」

  • 発売日:2018年11月20日
  • 価格:1,760円
  • メーカー:幻冬舎

 幻冬舎の「はあって言うゲーム」は、お題カードを引いて、そのお題カードに書かれている言葉を、それぞれのプレイヤーが割り当てられた異なるシチュエーションを「声」と「表情」で演技し、お互いに当て合うゲームだ。例えば、お題カードが「はぁ」だった場合、「怒りの『はぁ』や「とぼけの『はぁ』などのシチュエーションが割り当てられる。身振りや手振りを使うことは禁じられており、あくまで「声」と「表情」だけで表現しなくてはならないことがポイントだ。

 対象年齢は8歳からで、プレイ人数は3~8人だが、人数が多い方が楽しい。できれば5人以上でのプレイをおすすめする。1プレイの所要時間は15分ほどだ。人気のボードゲームで、同じルールの第2弾や第3弾も発売されている。お題カードは全部で30種類が収録されており、台詞のない「寝顔」や「ウィンク」などの仕草や、「自己紹介」といった変わり種もある。飲み会やパーティなどで遊ぶと、とても盛り上がるボードゲームだ。

「ラッシュアワーゲーム」

  • 発売日:2019年
  • 価格:4,070円
  • メーカー:シンクファン

 シンクファンの「ラッシュアワーゲーム」は、混雑している駐車場から自分の車を脱出させるパズルゲームだ。車は前後にしか動かせないため、動かす順番が重要になる。最初の車の配置で難易度が決まるが、その初期配置が描かれたチャレンジカードが40枚付属しており、全部で40の問題が楽しめる。チャレンジカードは「BEGINNER」、「INTERMEDIATE」、「ADVANCED」、「EXPERT」の4段階の難易度に分かれており、それぞれ10題ずつ用意されている。最後に自分の車を外に出せる状態にすることを考えて、他の車の位置を逆算で求めていけばよい。

 シンプルなルールだが、論理的思考力が求められるパズルであり、難問をクリアしたときの喜びも大きい。対象年齢は8歳以上とされているが、ルールは簡単なので小学校低学年でも十分遊べ、EXPERTレベルは大人でも歯応えがある。昔、倉庫番にはまったという人にもおすすめだ。40題すべて解いたら、別売りの拡張キットを購入することで、新たな難問にチャレンジできる。

モノポリー ゲーマー スーパーマリオ

  • 発売日:2018年
  • 価格:3,400円
  • メーカー:ハズブロ

 ハズブロの「モノポリー ゲーマー スーパーマリオ」は、その名の通り、有名ボードゲーム「モノポリー」のスーパーマリオ版だ。通常のモノポリーのコマの代わりに、マリオやヨッシー、ピーチ姫などのスーパーマリオのキャラクターを使ってプレイする。キャラクターにはそれぞれ固有のアビリティがあり、スーパースターのマスに止まると、独自のスーパースターアビリティが発動する。コインを使って土地を売買するといったルールは本家モノポリーに準じているが、モノポリーとはルールが違う点もある。最大の違いは、ボードを一周するたびに行うボスファイトで、クッパが率いるボス軍団を1人ずつ倒していくというものだ。ラスボスのクッパを倒すとゲーム終了となる。

 また、通常のモノポリーでは破産してしまうと、ゲームから除外されてしまうが、スーパーマリオ版では破産してもそのままプレイを続けられるので、家族で遊ぶ場合なども、1人だけ先に抜けてしまってつまらない思いをする心配はない。対象年齢は8歳以上で、プレイ人数は2~4人である。小学生なら、計算力を鍛えるのにも役立つ。通常のモノポリーよりも短時間で遊べるので、モノポリー入門版としてもおすすめだ。

「アズール」

  • 発売日:2018年2月
  • 価格:6,160円
  • メーカー:ホビージャパン

 ホビージャパンの「アズール」は、プレイヤーがタイル・アーティストとなり、宮殿の壁をカラフルなタイルで装飾していくちょっと変わったボードゲームだ。

 タイルの色(図柄)は5種類で、合計100枚が入っている。それらのタイルをランダムで取り出せるように、すべて付属の袋に入れる。袋から取り出したタイルを4枚ずつ数枚の丸皿に載せれば準備は完了だ。まず、最初のプレイヤーは1つの丸皿を選び、その皿にある同じ色のタイルを獲得し、それ以外のタイルは場の中央に置く。獲得したタイルをプレイヤーそれぞれが持つ個人ボードの図案ラインに並べていく。図案ラインは5つの段に分かれているが、既にタイルが置かれている段には「同じ色」しか置けない。また、複数のタイルを置いている途中で1つの段が一杯になったら、余ったタイルは床ラインに並べなくてはならない(床ラインに並んだタイルは減点対象となる)。次のプレイヤーは丸皿を選ぶか、または場の中央を選ぶかを選択でき、どちらを選んだ場合でも、同じ色のタイルのみ獲得できる。これを順に繰り返して、場のタイルがすべてなくなったら、図案ラインに配置したタイルを図案ラインの右にある宮殿の壁へ移動させて貼っていく。

 ただし、タイルは同じ段の同じ色のマスにしか移動できない。壁に1枚タイルを貼るごとに1点が加算されるが、置いたタイルの上下あるいは左右に繋がるタイルがあれば、その繋がっている枚数分の点数がもらえる。こうして壁に貼り終わったら、得点を計算して、再び丸皿にタイルを4枚ずつ載せることからスタートする。プレイヤーの誰かが壁のタイルを横一列に5枚並べたら、その時点でゲームが終了し、合計得点を計算する。

 文章で書くと長くなってややこしく見えるが、実際にプレイしてみるとルール自体は分かりやすい。しかし、プレイングにはかなり頭を使うゲームであり、相手の邪魔を優先するか、それとも自分の得点を伸ばせるようにするか、その見極めが難しい。対象年齢は8歳以上で、プレイ人数は2~4人、プレイ時間は30~45分程度だ。運要素が低めのボードゲームであり、じっくり考えてプレイするのが好きな人におすすめだ。

 最初に述べたように、ここ数年、ボードゲームをプレイする人が増えてきている印象がある。筆者は今年は参加できなかったのだが(去年は参加した)、ボードゲームの展示即売会「ゲームマーケット」も、連日多くのボードゲームファンが詰めかけ活況であった。少しジャンルは違うが、人気DCG(デジタルカードゲーム)「Shadowverse」から、2022年には紙のカードでプレイするTCG(トレーディングカードゲーム)「Shadowverse EVOLVE」が登場することが発表された。デジタルからアナログへの揺り戻しのような現象は今後も起きる可能性がある。

 PCやコンソール機のゲームももちろん楽しいが、ボードゲームにはボードゲームならではの楽しさがある。コロナ禍も落ち着いて、久しぶりに帰省できるという人も多いことだろう。お気に入りのボードゲームを帰省する際の荷物に入れておけば、久しぶりに会った家族や友人とも楽しく遊べるだろう。