特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、戦車のプラモデルってどんなもん? 「1/35 ドイツIV号戦車G型 初期生産車」~まずは塗装しないで作ってみた~(前編)
2022年1月21日 00:00
板状パーツを貼り付け、車体を組み立てていく
前ページのラストでも言及しましたが、このキットは板状パーツを貼り付けて上に積み上げていきます。「そもそも戦車上部の構造体パーツは、箱状になっていたほうが楽なのでは?」と思われるかもしれませんが、各パーツを箱状ではなく板状にすることで、おそらくはこのシャープなモールド(彫刻)が生まれているのでしょう。
箱状のパーツだと、金型の関係でどうしても横の面のモールドが甘くなったりしますから(ここは確かめたわけではないので真相はわかりません)。いずれにせよどのパーツもモールドが細かくて、ひとつひとつ見入ってしまいますね。
では、まずは車体前部の装甲板を貼り付けましょう。前述したとおり、“板”をペタッと貼るだけです。
車体上部は前述したように、まさに箱を組み立てる感覚。ちょっと難しそうに思えるかもしれませんが、パーツの合わせ目にはしっかりしたガイドが設けられているので、位置決めで迷うこともなく、また、しっかりと付けることが可能です。
さてここで、冒頭に続き、「穴あけ箇所パート2」です。ただし今回は、すでに丸く凹んだ部分を貫通させる仕様。この箇所は北アフリカ戦線とロシア戦線で装備品が違うので、その装備品を付ける穴を選択するための開口となります。私は北アフリカ戦線を選択しているので、説明書に従ってその部分に穴を開けます。こちらも径は1.2mmなのですが、その径のピンバイスは前述したように持っていないので、くぼみに三角刀を突っ込んでグリグリと貫通させました。穴も開けたら上部をすべて組んでしまえば箱型の完成です。
次はフェンダーの取り付けに入りますが、その前に車体前面の機銃を。ボール状のパーツが使われていて、機銃はそこそこ可動します。
機銃を取り付けたらフェンダーの接着です。こちらも、上部の箱組と同様、板状のフェンダー(前後で分かれています)を接着するだけ。裏返して、まずは前部側を、続いて後部側を取り付けます。
いよいよ車体部分が完成に! 細かいパーツもどんどん接着
これにて、砲塔以外の車体はほぼできあがったことになります。いよいよ、上と下を合体させるときが来ました。こうなったらもう、本当に車体が完成ということになります。
なお、本来は車体と上部構造物も接着することにはなっていますが、私は接着していません。その理由は、接着しなくてもある程度のシブみで車体と上部構造物がしっかり噛み合ってくれてある程度固定できてしまうから。となれば、後々塗装がしたくなったら、上部をカポッと外せます。はずせれば、履帯へのアクセスが容易になります。当然塗装もしやすくなるというわけです。履帯そのものは、もし塗装をする場合はいったん接着したものをガリッと外せばよいかなと。
では(ほぼ)完成した車体を見てみましょう!
これまで作ってきたものがすべて組み合わさったことで、全体的にボリュームも出てきて“モノ”としての魅力も増してきました。あとは、細かいパーツだったり、開いている穴を塞ぐパネルを取り付ける作業です。ケーキで言えばデコレーションというところでしょうか。まずはスコップやクランク、アンテナケースを取り付けます。
お次はハッチ類です。なおエンジンハッチはスリットの開いた構造になっているのですが、その穴が2つのパーツで細かく再現されているところがまた、作り上げると見どころになって嬉しい点です。
エンジンハッチなどの取り付けが終われば、さらに細かいパーツの接続に入ります。ジャッキなどは5つのパーツで構成されていて、かなり細かいので見ごたえがある部分ですね。
こうして右側面のデコレーションを終えたあとは、車体後部に移ります。IV号戦車の後部には、ワイヤーロープが2本装備されているのですが、これを作ります。部材からワイヤーを取り出して105mmに切り出しフックのパーツに接続するのですが、今回は瞬間接着剤を使用しました。
と、ワイヤーロープを作ったまではよいものの、これを車体後部に引っ掛けて、さらに中央を付属のエナメル線でまとめなければならないのですが……。
ワイヤーロープの四苦八苦が終われば、さらなるアクセサリや、未だ残っている前面ハッチの取り付けになります。
こうして、車体にさまざまなアクセサリーを取り付けたら、砲塔以外は完成! このあとキットは、砲塔の組み立てと、フィギュアの組み立てに入り、後半戦となりますので今回はここまで。次回はすべて組み上がった状態をお見せできるでしょう! これがまた、迫力がでてきてよいのです。
なお、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、実はこのキット、パーツが細かい/小さいということ以外、特に組みにくいというか、構造が複雑な箇所がなかったのです。複雑で流麗な関節を持つロボットなどのキャラクターキットと違い、基本的に可動部のないキットは、ディテールが細かったりするので複雑に見えますが、戦車などは実はケーキと同じで、車体という本体にデコレーションを付けていけば出来上がってしまうというわけ。
もちろん、穴を開けたりワイヤーを云々したりといった、少し馴染みのない作業もありましたが、それだってパーツの組み合わせ自体は簡単なものです。どんどんと車体というカタチが出来上がっていき、様々な付属物という細かいパーツを取り付ける過程はとても楽しいし、「パーツのつけ忘れ」みたいなことはほぼ発生しないし、したとしても後から接着すればいいという構造なので、気も楽ではないでしょうか? 後半ではさらにスゴい姿になるIV号G型初期生産型。しばしお待ち下さい。