特別企画
ヘタ仙人の「プラモデルを楽しもう!」、デカールを貼ってみよう!
ガンダムデカールでディテールアップ! クリアーを吹いてツヤツヤに!
2021年7月28日 00:00
こんにちは、ヘタ仙人です。前回は、私がどのようにエアブラシを使ってプラモデルを楽しんでいるかを、お伝えしました。ですがその前に、劇的にプラモデルの見栄えがよくなる方法がありますので、今回はそれをやってみます。つまりは、「デカール」です。
ガンプラに限らず、たいていのプラモデルには、「シール」もしくは「デカール」が付属しています。
シールについては説明の必要はないでしょう。台紙から剥がして、ペタッと貼り付ければおしまいです。細かい部分の色再現をするためのシールだったり、マーキング用のシールなどもありますね。ただし、使ったことがある方ならわかると思いますが、シールはピンセットがあれば(いや、なくても)貼れる簡単なものながら、どうしても厚みが出てしまうのが悩みどころ。
そこで登場するのが、デカールです。デカールはシールよりも薄い素材でできていて、プラモデルに貼り付けてもシャープです。シールとは質感が全然違っていて、これがかなり嬉しい。
そしてデカールには大別して2種類が存在しています。タトゥーシールのように、こすって貼り付ける「ドライデカール」と、水溶性のノリを溶かして模型に貼り付ける「水転写デカール」です。一般的に「デカール」と呼ぶ場合は、水転写デカールを指しますので、今回は水転写デカールを使っていきたいと思います。
デカールは、部隊マークや機体ナンバー、そして「コーションマーク」と呼ばれる注意書き(ここが熱くなりますよ、とか、整備上必要な情報など)などで構成されています(シールもそうですが)。これらを、製品に同梱されている貼り指示(どこに何を貼るか? が指示されている)通りに使ってもいいですし、自分で好きなように貼ってもいいのです。マーキングが設定画として存在している場合もありますが、だいたいが製品用にデザインされていたりして、いわゆる公式的なイメージの「設定」とは一味違った楽しみができてしまいます。
今回取り上げる「HG 1/144 ダブルオークアンタ」は、色再現用のシールは付属しているもののデカールは入っていません(HGはたいていシールですよね)。そこで別売りのデカールを使って、機体の情報量を増やそう! というのが今回のテーマです。「ディテールアップ」は形状をいじってより細かい表現を施すわけですが、デカールを貼ることで、工作をしなくてもちょっとディテールアップ的なことができてしまうというわけです。
「HG 1/144 ダブルオークアンタ」に"専用デカール"を貼っていこう!
それでは早速今回取り上げるガンプラを紹介しましょう。使用するプラモデルはこちら!
BANDAI SPIRITS ホビーディビジョンの「HG 1/144 ダブルオークアンタ」(税込1,760円)です。このキット、組み立てが簡単なうえ、左肩のGNシールドのギミックが楽しく、お得感が高いんですよね。同機は1/144スケールではRGもリリースされていますので、より細かい仕様を楽しみたい方は、RGを購入するのもよいでしょう。
では次に、いよいよデカールのチョイスです。本キットにはデカールはついていません。デカールは、ほかのキットのものを転用したり、スケールモデルに付属しているものを使ってもよいのですが、ガンプラに関しては別売りオプションとして「ガンダムデカール」なるシリーズが存在しています。
このガンダムデカールは、キットには付属していない様々なマークが揃っているんですね。「HG 1/144 〇〇専用」と、キット専用のガンダムデカールもありますし、「地球連邦軍汎用」のように、複数のマークがまとまった製品もあります。つい最近も新製品が6種類発売されたのですが、個人的には「ガンダムデカール No.121 機動戦士ガンダムAGE汎用1」(550円)がソソりますね。AGEのシリーズはHGもMGも好きなキットが多いので。なおガンダムデカールは人気商品なので、欲しいデカールを見つけたら、なるべくその場で買っておくことをおすすめします。
さて、今回使用するのは、「ガンダムデカール No.86 HG 1/144 ダブルオークアンタ用」(税込440円)です。これはもう、ドンピシャで「HG 1/144 ダブルオークアンタ」専用デカールなのです。
なお、キットの説明書やガンダムデカールの説明書にも記述されていることですが、マーキングというものは、基本的にはユーザーの自由に、好きなところに貼ってもよいものです。だから宇宙世紀用のものを使っても、悪いわけではありません。また、デカールは印刷されているマークが余りますから、そうした余ったデカールを好きな位置に貼るのも面白いでしょう。
ただ、デカールによってはマーキング自体をメカデザイナーさんがデザインしたものもありますので、貼り指示を基本にしつつ、自分オリジナルで楽しんでいる人が多いのかな、と思います。
では、買ってきたガンダムデカールを袋から出してみましょう。
中には、デカール本体と説明書(貼り指示)が入っています。デカールは、プラモデルと同様にひとつひとつに番号が割り振ってあって、貼り指示を見ながら所定の位置に貼っていきます。もちろん、前述したとおり自由に貼るのも、アリです。とはいえ、たとえばライン状のものなどは、所定の位置以外に貼るのは難しいですけれどもね。
そして、使う道具はこちら。
水を入れるお皿と、デカールをつまむためのピンセット、そして綿棒です。なおお皿についてはなんだかデカいですね。もっと小さくてもいいのですが、今回は細長いライン状のデカールもありますので、大きいのを用意しました。普段は塗料皿など、小さいのを使っています。
道具のお話をしたところで、デカールを貼る基本的な手順を紹介しましょう。
1 使いたいデカールを、ハサミなどで台紙ごと切る。
2 切り離したデカールを、お皿に入れた水に浸ける。
3 デカールのノリが水によって溶けて、デカールが台紙から離れる。
4 デカールを台紙から離して、プラモデルに貼り、位置調整を行なう。
5 綿棒で余分な水分を吸い取り、密着させる。
5つの手順にわけて書きましたが、まあ、デカールを水に浸け、数分の時間が経って台紙から離れるようになったらパーツに貼るだけです。その際に、デカールはシールと違って薄いのでピンセットは必ず使いますし、また水を使うから綿棒も使う、といったところ。難しいことはありません。
では、実際の作業に入りましょう。まずはどこから貼ろうかな、ということで、初めてならば貼り指示を見て迷ってしまうかもしれませんが、たとえば左上から順番に貼っていく、などと法則を決めればよいと思います。今回は、貼り指示の左上、「28」番からやっていきましょうか。
なお、デカールをお水につけっぱなしだとノリが溶けていってしまうので、ある程度台紙に水が染みたら、お皿のヘリに置いておくのですが、「そのタイミングは?」という疑問もあるかもしれません。あんまり早く引き上げても、デカールがお水を弾いてしまったりするので、私は台紙がじんわりと水を吸ったかな?くらい、数秒間浸けてから引き上げています。
さて、デカールが台紙から離れたら(ピンセットの先でつついたりすると、ヌルっと動くのでわかります)、いよいよプラモデルに貼り付けます。説明書では、「台紙からスライドさせましょう」と書いてありますが、小さいデカールを台紙ごと持っていってパーツにスライドさせるのって、意外と神経を使います。なので、デカールの大きさによっては、ピンセットで台紙からつまみ上げて貼ったりしています。ただし、このやり方だともしかしたらノリが少なくなってしまっているかもしれないですね。説明書通りのほうが安全かもしれません。
この時点では、まだ位置が適当なので、ピンセットでちょいちょいとデカールをずらして、なんとなくこの位置かな? 並行になっているかな? というところまで持っていきます。そしてお次は、綿棒の登場です。
まだ水がそこそこ滴っている状況のデカールの端に綿棒の先を当てると、水がシュッと吸収されます。すると、デカールもある程度固定されるので、ここで最終的な微調整をしつつ、綿棒で上からデカールをやさしくやさしく押して、密着させます。
なお、この28番のような小さいデカールはまだいいのですが、もっと大きなデカールになると、密着させるために、綿棒をデカールの上をコロコロとローラー的に転がすように移動させたりします。が、これ、綿棒を移動させているつもりがデカールも一緒に移動しちゃったりして(!)なかなか難儀なことになる可能性もあります。
まあこれは、私が不器用なだけという話もあるのですが、だからこそ、不器用な方は不器用なりに、やり方を工夫してください。私の場合はコロコロさせずに、ゆっくり押したりしつつ、ある程度デカールが密着したかな? というタイミングで綿棒でなでたりしています。
まあ、それでもズレたりもするのですが……。
というわけで、まずは右肩の28番を貼り終わりました!
続いては左肩にも28番を貼るのですが、ここでちょっと工夫を。右と左はシンメトリな関係にありますので、こうした場合はパーツを並べて貼ることをおすすめします。もっと正確に貼りたいのならばマスキングテープなどでガイドを作ってもいいかもしれませんが、めんどくさいのでそこまではしませんでした。
さて、こうしてデカール貼りを続けていきますが、ついにやってきたのが、細長いデカール。ヒザアーマーに貼るラインなのですが、これはピンセットで台紙からつまむとたいへん危険です! デカールというやつはとにかく薄いので、静電気が原因なのか、尺取虫みたいに、端と端がすぐにひっついてしまうのです。ですから、大きいデカールは台紙からスライドさせるのがいいでしょう。
この作業、デカールを台紙からスライドさせると言うよりも、デカールの端をプラモデルに置き、台紙側をスライドさせて引き抜くほうが楽ではないでしょうか。なお、ラインは横方向ではなくて、縦方向に抜いたほうが楽だと思います。細長いデカールを横に移動させると端と端の足並みがそろわずに、デカールがヘンに折れ曲がって、尺取り虫化、もしくは切れる可能性が高まります。上記した写真の場合は、デカールの下端をピンセットで押さえながら、台紙を上方向に引き抜いています。このとき、デカールの台紙からの分離(ノリが十分溶けていない)が不完全だと、途中でデカールが切れるという悲劇も起きますのでご注意を。
こうしてどんどんデカールを貼っていくわけですが、貼り指示は一枚絵で、組立説明書のように順を追って説明されているわけではないので、途中でどこまでやったかわからなくなることも。そこで、不安な場合はチェックをいれておけば忘れることがなくて便利です。
(C)創通・サンライズ