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東京マルイ、セキトーなどBB弾メーカー5社への景品表示法の措置命令、何が問題だったのか?

 12月23日、消費者庁が公式サイトにて生分解性プラスチック製品に関し、10社への「景品表示法に基づく措置命令」を公告した。その中の5社は「生分解性バイオBB弾」に関するもので、セキトー、東京マルイ、晴和、ライラクス、Guay Guay Trading Co.,LTD.(G&G ARMAMENT)に対しての措置命令となる。

・エアガン用BB弾の販売事業者5社に対する景品表示法に基づく措置命令について

【各社の製品】
エスツーエス 日本製 パーフェクトグレードBB弾 ボタニカルBio 0.25g 2800発入り フォリッジグリーン
東京マルイ パーフェクトヒット バイオ 0.25gBB弾 1kg 4000発入
HITCALL 超精密 生分解バイオBB弾 0.2g 4000発 高精度 高真球 ウォーター研磨仕上げ採用
LayLax (ライラクス) SATELLITE ハイバレットBBバイオ 0.25g 4000発
G&G バイオBB弾 0.25g 1KG 4000shot ホワイト

 「生分解性バイオBB弾」とは、生分解性を有したBB弾のことで、平たく言えば“自然に帰る”性質を備える弾となる。措置命令の内容は、バイオBB弾の製品としての特徴である分解性能に関し、消費者に誤解を生じさせる表記や公告が行われているのでそれを改善するようにというものだ。ここで注意をしたいのは、PLA(ポリ乳酸)樹脂を原料にしている5社の生分解性バイオBB弾が、決して「分解されない」ということではない点だ。

 では何が問題かというと、一定の条件を満たす必要があることが十分に説明されていないことだ。具体的には、各社がバイオBB弾に使用しているPLA樹脂は確かに生分解性を有してはいるが、“地表にある状態”ではほとんど分解が促進されない。土中に埋まったり、水中に沈んだりして初めて分解が促進されていくので、あたかもフィールドに捲かれた状態でも分解していくような表示や広告は、消費者であるサバイバルゲーマーが誤解してしまうので止めるように、ということだ。

 ちなみに、タム・タムやマルゼンといったメーカーも生分解性のバイオBB弾は販売しているが、パッケージに「土中や水中で分解が進む」といった正確な表記をしているため今回の措置命令の対象になっていない。

【各社のパッケージ表記】
筆者が愛用している東京マルイと晴和のパッケージは図録入り
同じく筆者が愛用しているセキトーとライラクスも誤解を招く表現が指摘された
筆者愛用のタム・タムとマルゼンの生分解性バイオBB弾
「土中や土壌のバクテリア」と正確に表示されている

 なお、バイオBB弾が、パッケージに「分解される」と書いてあるにもかかわらず、フィールドに散らばったまま長く同様の状態で留まっていることはサバイバルゲーマーならば誰もが疑問に思っていたことでもあった。今回の件で疑問が解け、生分解性バイオBB弾への理解が進んだとも言えるだろう。バイオBB弾が分解されるには土中や水中にあるなど、バクテリアが活動しやすい環境が必要なのだ。

 一方で改めてバイオBB弾は分解される性質を持っており、環境問題も考えている商品であることが再確認されたとも言える。今後もサバイバルゲームフィールドでは、生分解性のバイオBB弾の使用が推奨されることは揺るがないだろう。

生分解性バイオBB弾が義務づけられているフィールドの地表には、BB弾が多数転がっている

なぜバイオBB弾はPLA樹脂による生分解性に辿り着いたのか? そして今後への課題

 ここで改めて、「地表でも分解される素材を用いたバイオ弾に代えるべきではないか?」という問題も考えてみたい。実はかつてより分解されやすい素材がBB弾に使われていたことがあったのだ。

 そもそもバイオ弾は1993年にNCP社が発売した「バイオニックサバイバー」に遡る。デンプンが主原料だった「バイオニックサバイバー」は現行のバイオ弾よりはるかに分解性が高かったが、真円度、つまり正確な球状にすることが難しく、結果として命中精度やホップアップをきかせての集団性が悪かった。BB弾としての肝心の精度に問題があったのである。

 また、「保存性」も悪かった。高い分解性ゆえに湿気や直射日光に弱く、保管していると膨らんで弾詰まりの原因になった。その後東京マルイやマルゼンから、真円度の高い、精度が高い製品も発売されたが、膨らみ易さは依然として問題で、価格も高くて中々普及に至らなかった。しかしこの頃に「バイオBB弾」という環境に配慮した製品が登場したことで、各地でサバイバルゲームの許可が得やすくなったという功績は大きかった。

筆者が愛用していたマルゼンの「エコロジーBB弾」。1100発1000円

 その後1999年にエクセル社が現在の製品に近い成分の生分解性を持ったPLA樹脂のBB弾を発売。1,700発で1,000円という当時としては破格の価格と、保存しても膨らみにくく、ホップアップでの集弾性も高かったために、広く普及し、サバイバルゲームでは「エクセルバイオ弾」を使うのが当たり前になった。その後各社もこの素材を使ったBB弾が発売され現在に到っている。

 そういった経緯を考えると、"実用性"において、現行の生分解性バイオ弾をPLA樹脂から変更することは難しいことがわかる。無論、ある程度の保存が可能で真円度が高く、地表でも分解が促進されるBB弾が誕生すればそれがベターなのも間違いない。

 我々ユーザーとしても、現行の生分解性バイオ弾を使用しながら、持続可能性についても考えていきたい。例えば、無駄にBB弾をバラ撒かない、ということは今すぐ始められる貢献だ。そしてより環境に良い製品が誕生すれば応援していくようにすることが求められるだろう。

現在のサバイバルゲームブームに多大な貢献のあったエクセルは、残念ながら活動休止となった