特別企画

【エアガン施設探訪】コンセプトは「マカロニウェスタン」! モデルガンを発火できるバー「14」

クトゥルフ神話や歴史物、アニメやゲームファンも大歓迎の楽しい場所

【Dead Gunman's Society 14】

場所:東京都中野区東中野4-2-25 森ビル 3F

営業時間:18:00~24:00

※火曜定休

土日は15時から営業

 弊誌ではエアガンや、モデルガン関連の施設を特別企画で紹介しているが、今回は東中野のバー「Dead Gunman's Society 14(以下、14)」は非常にユニークなお店だ。コンセプトは「マカロニウェスタンの世界」、メキシコの民家風の内装に、びっしりと壁に飾られたモデルガン、テンガロンハットやガンベルトなど「どんなお店か」がしっかり伝わるビジュアルが魅力だ。

 トイガンファンにとって見逃せないのはこのお店は店内で「発火」可能なこと。マスター・おみつ氏の許可が得られれば「発火」、つまりモデルガンに火薬をセットし撃ち鳴らすことが可能なのだ。銃声そのままの大きな音がするモデルガンは、エアガンのシューティングレンジでも撃つことができない。都内で非常に貴重なモデルガン好きな人向けのスペースと言える。

 そして「14」はそれだけではない。クトゥルフ神話、歴史物、ドール、ゲーム、アニメ……。濃い様々な趣味に対して深い懐を持つマスターや常連の集まる楽しい空間なのだ。今回はおみつ氏にお店の細かい話を聞いた。「14」の魅力を紹介していこう。

「14」のマスター、おみつ氏。こだわりの衣装は“メキシコ人キャラクター”として細かい設定があるとのこと

壁にずらりと飾られたモデルガン、メキシコの内装、「マカロニウエスタン」の世界を満喫

 マスターのおみつ氏が運営しているバー「14(じゅうよん)」は非常にユニークなお店だ。コンセプトは「マカロニウェスタンの世界」。

 西部劇でおなじみの両開きの扉を開けると白い漆喰風の内装に、ずらりと並べられたモデルガン。カラフルな布が掛けられ、木の椅子、そしてカウンターには酒瓶が並ぶ。ただ細かくチェックすると印象が変わってくる。カウンターにはドールやフィギュア、本棚にはコミック、樽の中には模造刀やウレタン製の武器が入っていたり、なかなかカオスな空間だ。

【お店の中へ】
西部劇に欠かせない両開きの扉
モデルガンに酒瓶、メキシコ風の内装と、圧倒的な情報量だ

 おみつ氏は「14」を、「大好きなアニメやゲームが語れる場所」にしたかったという。しかしアニメ好き、ゲーム好きを前面に出したバーは東京にはライバル店が多い。どういった差別化を図るか、というところでたどりついたのが、「マカロニウェスタンの世界」というコンセプトだった。

 「私はおいしい料理が作れるわけでもないし、お酒に対して深い知識があるわけでもない。では何で勝負するかと考え、お店のコンセプトをはっきりだそうと思いました。調べたらあまり西部劇コンセプトのお店というのは少なく、では『マカロニウェスタン』の世界、メキシコの雰囲気を前面に出す、ということでこんな店になりました」。

 お店のテーマとして選んだ「マカロニウェスタンの世界」だが、けっして思いつきではない。まず基礎としておみつ氏は「マカロニウェスタンの世界」が好きだったという。それは物心ついてからで、両親の影響などではなく、“なんとなく”好きで、テレビ東京が14時からやっている「午後のロードショー」での「マカロニウェスタン」が好きだったとのこと。お店のために様々な小物を買い足してはいるが、基礎となるのは学生時代から集めていた。

 モデルガンコレクションはもちろんおみつ氏の私物。それまでは部屋の中で箱に詰めて保管していたが、店を開くにあたり買い足したものと自身のコレクションを壁に展示している。元々はスペインのデニックスというメーカーの安価なレプリカガンを集めていたが、ハートフォードなどの本格的なモデルガンを集めていったとのこと。店の展示は火縄銃などと原理が同じ「フリントロック式」、シリンダーに火薬と弾を込めて連射が可能になった「パーカッションリボルバー」と作られた年代ごとに展示場所を分けているとのことだ。

【飾られた銃】
上段には火縄銃とフリントロックピストル、下段は西部劇の代表的な銃「SAA(シングルアクションアーミー)」
中央のウェブリーフォスベリーリボルバーは3Dプリンターで成型した個人販売の商品だという
パーカッションピストルとライフル

 「マカロニウェスタン」は、19世紀末からアメリカで撮られた「西部劇」に対し、ヨーロッパで撮影された西部劇を指す。根底に流れているのは“アンチ・アメリカ西部劇”。善悪が明快で爽快な作風が特徴の西部劇に対し、暴力的、露悪的な演出が強まり、悪漢ヒーローものなども多い。またインディアン(ネイティブアメリカン)との抗争といったアメリカの西部開拓時代ではなく、かつてはその力でアメリカで暴れ回った西部の英雄達が、時代の波に押されメキシコに逃れるといったメキシコ革命期を舞台とした作品も多い。

 「マカロニウエスタン」はアメリカの俳優達も多く起用され、クリント・イーストウッドは、セルジオ・レオーネ監督の「荒野の用心棒」を皮切りに様々なマカロニウェスタンに出演し注目された。イーストウッドは自身も監督を務め西部劇も何本か制作している。マカロニウエスタンはその後のアメリカの西部劇にも強い影響を与えた。西部劇ファンもマカロニウエスタンを好きな作品に上げる人が多い。筆者もその1人であり、おみつ氏のコンセプトに強く共感した。

【貸し出し衣装】
帽子、ガンベルト、衣装とお店で借りることも
編集部の屋敷が衣装を装備。武器も持たせてもらえる

 「14」では雰囲気たっぷりのお店の中で“コスプレ”もできる。カウボーイハットやポンチョ、ガンベルトなどが置いてあり借りることができるのだ。もちろん衣装を持ってきてここで着用することも可能。トイガン・モデルガンファンにとって見逃せないのは、お店の許可を得ることで、モデルガンの“発火”、火薬を鳴らすことができることだ。

 モデルガンの発火は大きな音がするので昨今の住宅事情では楽しめない人も多い。モデルガンの発火が可能な施設も少ない。「14」ではお客さんがバンバン銃を撃ち鳴らすことも許可されている。都内では珍しい存在といえるだろう。ただし弾の出るエアガンの発射は不可だ。一方、モデルガンならば西部劇の銃に限らずお客さんが持ち寄れば近・現代のモデルガンも可能。オートマチック拳銃のモデルガンはスライドがブローバックし薬莢が飛ぶのが楽しいところだが、飛んだ薬莢を皆で探すような場面も。

酒瓶でぎっしりのカウンター
ドールとフィギュアはこのお店の多面性を見せてくれる
帽子、ガンベルト、衣装とお店で借りることも
電子オルガン。写真はおみつ氏が参加した西部劇イベントのもの
ファストドロウ大会も開催

 「14」のTwitterでは「ファストドロウ(早撃ち)大会」の模様も報告されている。モデルガンの銃口から飛び出る火線と衝撃で風船が割れるので、シグナルと共に風船をいかに早く割るかを競う競技で、世界記録は0.2秒、これにいかに近づけるかを競う競技だ。モデルガンメーカーのハートフォードが定期的に大会絵を主催しているので、計測機器などのノウハウはファンが共有している。こだわりのガンマンはホルスターの位置、使うためのSAA(コルトシングルアクションアーミー)のカスタマイズなどこだわっているが、もちろん飛び込み参加も可能だ。

 おみつ氏自身も“愛銃”を持っている。ベースはパーカッションリボルバーの「コルト M1861 ネイビー」だが、シリンダー部分を交換し薬莢を使用する「コンバージョンモデル」となっている。グリップも小さな「バードヘッド」と呼ばれるものに交換している。一部の部品にM1851を使ったり、いくつかのモデルガンやパーツを取り付けたオリジナルカスタムを2丁装備するのがおみつ氏の“正装”とのこと。残念ながら愛用のガンベルトは今は壊れてしまっているという。

【おみつ氏の愛銃】
「コルト M1861 ネイビー」をベースに様々なパーツを組み合わせた愛銃。薬莢対応のシリンダー、エジェクターロッド、グリップなど、こだわりがみなぎっている
カウンターにはもちろんショットガンを常備

ゲームブックやクトゥルフ神話、ドールにアニメ、様々な濃い話が楽しめる

 気になったのはお店の名前だ。実は「14」という名前の元ネタはマカロニウエスタンではなく、「ゲームブック」なのだ。お店の正式名称は「Dead Gunman's Society 14」だが、短く「14(じゅうよん)」と読む。フォーティーンではなく、じゅうよんである。この14という店名の由来は“ゲームブックのパラグラフ”からだ。

 ゲームブックとは「火吹き山の魔法使い」、「バルサスの要塞」といった海外の作品を皮切りに日本でも様々な作品が出た書籍で遊ぶゲームで、1980年代に大きなブームとなった。ゲームブックは通常の本とは違い、数十から数百の“パラグラフ”にわかれている。プレーヤーは冒険者となって物語を進めていくのだが、選択によって読む箇所が異なっていく。

【店名の由来】
店名の由来はJ・H・ブレナン氏のゲームブック。復刻されたときに「グレイルクエスト」という名前で統一されたが、当時は「ドラゴンファンタジー」というシリーズ名だった

 「君はおどろおどろしい森の小道を進んでいると分かれ道に出た。右は開けた場所に続いているが、左は一層樹木が生い茂っている。右に進むなら5に、左に進むなら6へ進め」。というように、指示に従いパラグラフを読み進めていく。サイコロを使った戦闘や、謎を解くことでパラグラフがわかる仕掛けなどもあった。ジャンルはファンタジーが中心だが、SFやミステリーなどもあり、「ドルアーガーの塔」などコンピューターゲームや、コミック、小説が原作のものなどバラエティ豊かに展開した。いくつかの作品は現代に復刻されている。

 「14」というのは、おみつ氏の大好きだったJ・H・ブレナン氏のゲームブック「ドラゴンファンタジー(現:グレイルクエスト)」で、全8巻にもわたる人気シリーズにちなんでいる。アイルランドの作家であるブレナン氏は独特の皮肉とユーモアで物語を表現し、その魅力も大きかったという。14というのは各巻共通のパラグラフで、その選択肢は“死”を意味するのだ。

 ゲームブックの中にはバッドエンドを示すパラグラフがある作品も少なくない。物語の序盤でも、後半でも、選択肢を誤ると死亡してしまう選択肢があって、「グレイルクエスト」における“14”のパラグラフはデッドエンドを意味する。おみつ氏はこのお店を「死んだ人間が行く場所」という意味を込めて「14」という名前にしたという。なかなかに不吉な店名だが、意味を知るとゲームが好きで、しかもゲームブックというある世代に強く刺さる店のテーマや雰囲気を現したお店と言える。

「ドラゴンファンタジー」として出版時の挿絵の原画を貸してもらえている

 ちなみにおみつ氏は「14」開店時にお店の名前の了承を得るため「グレイルクエスト」を翻訳・出版した関係者に連絡を取ったとのこと。その方は14という店名の使用を快諾してくれただけでなく、当時の本に使われていたイラスト原画を貸し出してくれた。イラストは日本オリジナルだったため貸し出すことができたのだ。ファンにはたまらない資料だ。

 このイラストのように、「14」ではお店のコンセプトは「マカロニウェスタンの世界」だが、実は隠しキャラ的に様々なものがある。要素として大きいのが「クトゥルフ神話の世界」。作家のH・Pラグクラフトの小説から広がった宇宙的恐怖を描くSF神話世界「クトゥルフ神話」が好きで、その要素を盛り込んでいるとのこと。ゲームブックだけでなくTRPG(テーブルトークRPG)も好きで、お店でお客がセッション(数人で集まりTRPGをプレイする)事もあるとのことだ。

 また、1920年代の禁酒法のアメリカも好きで、着替えなどに使う隣室では当時のギャングが使っていた「トンプソン・サブマシンガン」のモデルガンや、隠されたお酒のケースなども置いている。コンピューターゲーム、アニメも大好きで、カウンターにはフィギュアも置いてある。お店ではアニメのキャラクターの誕生日を祝うイベントもあるという。

 その中でも面白いのが「ドール」。ドールは素体を様々にカスタマイズし衣装などもこだわる“大人の趣味”だが、お店で飾られているドールはそれぞれおみつ氏がバックボーンを設定し、衣装を決めている。マカロニウエスタンから禁酒法時代まで、時代考証も考え衣装やアクセサリーを決めているとのこと。

お店を細かくチェックすると、おみつ氏の多趣味さが実感できる。話のきっかけになるだろう
控え室は禁酒法テイスト。トンプソンや隠された酒瓶などがある

 おみつ氏の知識は非常に深く、取材の合間で様々な雑談を楽しめた。おみつ氏と濃い話をするためにも「14」を訪れる価値はありそうだ。「西部劇に関係なくゲーム、アニメのお話もしていただければと思います。最近は『【推しの子】』と『機動戦士ガンダム 水星の魔女』にハマってましたし、昔のアニメも好物です。銃、西部劇、クトゥルフ、歴史物、シャーロックホームズ……色々何でもお話しいただければ」とおみつ氏は語った。

 「西部劇や歴史も、ゲームブックもそうなんですけど、これまではこういった話をできる人が身の回りに全然いなかったんです。お店を始めるときも知り合いには『お前、こんなに西部劇好きだったのか』と驚かれて……。『14』を運営するようになって趣味の話がお客さんとしっかりできるのは楽しいです」とおみつ氏は言葉を続けた。

メキシカンフード、ノンアルコールも充実! もちろんお酒は西部劇へのこだわりが!

 そしてバーと言えばやはりお酒だ。バーではやはりお酒の話が楽しい。「14」ならではのこだわりのお酒も用意しているという。こちらではメキシコの「テキーラ」よりもアメリカンウィスキーである「バーボン」がよく出るとのこと。アメリカの歴史があるバーボンが人気で、「BULLEIT BOURBON」は開拓時代の前から作られたバーボンだったが、1987年に曾々祖父のレシピを復活させたものだという。

 「Ranger Creek」はテキサスのバーボン。銃の口径にちなんだ「Ranger Creek 44」と「Ranger Creek 36」がある。「OLD CROW」は値段も手頃なバーボンだ。「TEMPLETON -RYE-」は禁酒法時代のバーボンでアル・カポネが愛飲していた。そしてギャング時代が舞台のドラマにちなんだウイスキーが「Sadler's Peaky Blinder」である。ラベルにカポネの絵が貼ってあるのが面白い。バーではこういったお酒の話を聞きながら飲むのが最高だ。

【色々なお酒】
開拓時代の前から作られたバーボンを復刻させた「BULLEIT BOURBON」
テキサスのバーボン。銃の口径にちなんだ「Ranger Creek 44」と「Ranger Creek 36」がある
歴史があり、低価格のケンタキーバーボン「OLD CROW」
禁酒法時代のバーボンでアル・カポネが愛飲していた「TEMPLETON -RYE-」
ギャング時代が舞台のドラマにちなんだウイスキー「Sadler's Peaky Blinder」
クトゥルフを思わせる瓶が面白いスパイスドラム「KRAKEN」
シナモンとレッドペッパーの入ったブレンドウィスキー「FIRE BALL」。攻撃魔法風の名前だ

 おみつ氏オススメが「KRAKEN」というラム。巨大な海の怪物クラーケンが目印の、バニラをきかせたスパイスドラムだが、瓶の形やラベルなどが「クトゥルフっぽい」ということでネタにも良いとのこと。また「FIRE BALL」という攻撃魔法のような名前のシナモンとレッドペッパーの入ったブレンドウィスキーもオススメ。スパイスをきかせたこのお酒はジンジャーエールと割るとお酒が苦手な人もジュース感覚で楽しめる。お店ではお酒が苦手な人も少なくなく、ノンアルコールドリンクや、カクテルも用意しているという。

 フードメニューは手伝ってくれる料理人がいると凝ったメニューに変わるという。おみつ氏1人の時はシンプルなメキシカンフードがつまみで頼める。「ビバ、メヒコ」はコンビーフの入ったトマトベースのソースをドリトスに付けて食べるメニュー。「ケサディア」はタコスにコンビーフとチーズを挟んだ料理だ。他にデカイポップコーンなども。デザートメニューもある。

 料金はチャージ(入室料)が500円、アルコールも食事もほぼ1,000円以下と手頃だ。注文と同時にお金を払う都度会計となっている。バーによってはメニューがほとんどないお店もある。「14」は値段が明確に表示されてるので頼みやすいというところもバー初心者向けと言えるだろう。

【メニュー】
こだわりが感じられるメニュー
「ビバ、メヒコ」はコンビーフの入ったトマトベースのソースをドリトスに付けて食べるメニュー
タコスにコンビーフとチーズを挟んだ料理「ケサディア」
「FIRE BALL」をジンジャーエールで割ったもの。お菓子感覚の甘さのあるドリンクに

 おみつ氏は銃に詳しい人や、ゲームに詳しい人、アニメが好きな人に来て欲しいという。「特に、面白いことが好きなので、やはり面白いイベントを企画してくれるお客さんにきて欲しいと思います。最近だとボードゲームとTRPGに近い要素のある『マーダーミステリー』をやろう、というイベントを企画していただきまして、盛り上がりましたね。TRPGを本当に鎧を着て武器を装備して楽しむ『ラープ』をやったりもしました。『スカイリム』が好きな人が集まるときには私は猫人の種族・カジートになりきって猫マスクをかぶってお客さんを迎えました。好きなものを持っている方には、気軽に来て欲しいです」とおみつ氏は語った。

 一方で「14」はお店としてちょっと入りにくい。外の看板は控えめだし、建物の3階のため見つけにくい。おみつ氏はあえて入口はわかりにくくしているという。バーは酔客がふらりと入ってくることが多いが、「14」ではそういったお客さんは歓迎していない。お店のコンセプトや、アニメやゲームに興味のない人が来てもお互いに楽しくない。「14」というお店がどんな店かわかっていて、楽しさを見つけるために来て欲しいと思っているとのこと。

 貸し切りでの撮影会にも使って欲しいという。飾り付けられた「14」の店内はコスプレなどの撮影にぴったりだし、小道具も充実している。少人数のパーティーなども歓迎しているとのこと。口コミでお店の魅力を知ってもらい、拡げていきたいとおみつ氏は考えている。

 おみつ氏は読者へのメッセージとして「入りづらいお店かもしれませんが、趣味が合えば絶対面白いと思います。ぜひ来てください」と語りかけた。

バーはやはりマスターの魅力が大きい。おみつ氏と話をするためだけでも「14」を訪れる価値はあるだろう

 筆者はバーが好きだ。お酒の話、趣味の話、他の人がお客さんと話をしているのを聞いているのも好きだし、マスターと話すのも楽しい。特にお酒の話は面白い。お酒には歴史や地理のバックボーンがある。ガツンとくるものから軽いもの、おしゃれなお酒……。「シャアが『坊やだからさ』の時に飲んでたお酒」などネタを持ってるお店もある。

 特に「14」は西部劇、クトゥルフ、禁酒法、ゲームブック、コンピューターゲームなど筆者にとってまさに”どストライク”だった。プライベートでもぜひ来たいと思った。モデルガンなどもじっくりチェックしたい。

 ネット配信などで現在は昔よりずっと様々なコンテンツにアクセスできるハードルが下がっている。様々なコンテンツは現在世代を超えた人気を獲得し、「同世代と話が合わないけど、この時代のコンテンツが好き」という濃いファンも多くなっていると思う。「14」はある意味世代を超え、様々な人が集まれる空間ではないかという印象を持った。本記事を読んで興味を持った人はぜひお店を訪れて欲しい。