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【エアソフトガン実践入門】ハンドガンを手にして撃ってみよう!

ブローバックアクションとリコイルが楽しい「V10 ウルトラコンパクト ブラック」

 コンパクトなフォルムがカッコイイガスブローバックガン「V10 ウルトラコンパクト ブラック」。このエアソフトガンはスプリングフィールドアーモリーというメーカーのV10 ウルトラコンパクトがモチーフとなっている。この銃は「M1911」のカスタムモデルであり、携帯しやすく銃のサイズを縮めている。M1911の全長は218mmであるのに対し、V10は180mmと30mm近く小型化しているのにもかかわらず、使用弾丸は同じ.45ACPなため反動はより大きくなる。

 このリコイルショックを低減するため、銃口近くのスライド前部を大きくえぐり、バレルにポートを設け、ここから燃焼ガスを噴出することで銃の跳ね上がりを抑えるように設計されている。このスライドのえぐりが前から見ると「V」の形をしており、ポートが10個あいていることが「V10」の名前の由来となっている。1990年代に発表された30年近く前の銃だが、現代にも通じるデザインセンスを感じる。そのデザインのカッコ良さ、コンパクトさで人気が高い銃である。

【M1911のカスタムモデル】
V10 ウルトラコンパクト(左)と、M1911を並べてみた。基本構造などは同じで縮小化、携帯性を高めている。V10 ウルトラコンパクトは1990年代の銃だが、モダンな雰囲気がある

 ガスブローバックガン「V10 ウルトラコンパクト ブラック」は、銀のフレームで販売されていた製品のブラックバージョン。側面とそれ以外でとで質感が異なる表面仕上げを採用。リアサイトは実銃の部品を製作したノバック社正式承認のダイカスト製だ。様々なところで開発者のこだわりが感じられる製品だ。

 本製品の最大の魅力はブローバックした際のリコイルの強さだ。エアコッキングガンでは味わえない激しく動くスライド(ブローバック)とガツンとくるりコイルはガスブローバックガンならではのものだ。ずしりとくる重量感や、ダイカスト製のマガジン、グリップセイフティやトリガーの金属感など手に持つと高い満足感が得られる。

【外観】
コンパクトにまとまりながら、フィンガーチャンネルの造型されたグリップや、別パーツのリアサイト、スライド上部の穴など戦闘的な雰囲気のあるカッコイイデザインだ。特にブラックになってエッジが立っていると感じる

 エアーコッキングガンと異なるのは、あらかじめマガジンにガスを注入しなくてはいけないこと。マガジンにガスを充填した後BB弾を装填、グリップにマガジンを差し入れスライドを引くことで発射準備完了だ。

【東京マルイ「V10 ウルトラコンパクト ブラック」、ガツンとくるブローバック】
素早くスライドが動いているのが確認できる。リコイル(反動)もガツンときて、映画での銃の発砲シーンと重なり、高い臨場感が味わえる

 引き金を引くとバスンという音と共にBB弾が発射され、それと同時にスライドが動き手にリコイルショック(反動)がくる。スライドはそのまま瞬時に元の位置に戻る。同時にBB弾のチャンバーへの装填とハンマーの引き起こしは終わっているので、引き金を引けばそのまま次弾が発射される。連射すればバン、バン、バンと連続してBB弾が発射される。映画やアニメの射撃シーンと目の前の銃の挙動が重なる。この射撃感はとても楽しい。

 ちなみにエアソフトガンにはエアコッキングガン、ガスガン、電動ガンといった種類があるが、ガスガンはそのガスが噴出するメカニズムでの挙動、内部システムの表現で、一番実銃に近い雰囲気がある。もちろん実銃に較べて弾の威力は遙かに低く、反動も弱いが、"銃を撃つ雰囲気"としてガスをどう噴出させるか、内部機構をどう設計するかなど、開発者が努力した成果を味わえるのだ。

【東京マルイ「V10 ウルトラコンパクト ブラック」で的を撃ってみる】
引き金を引くと弾の発射と共にスライドが動き反動がくる。的にはしっかり弾が当たる。このブローバックアクションが"撃つ楽しさ"を増幅させてくれる

 エアソフトガンのBB弾を発射する速度は法律によって規制されている。今回紹介したエアーコッキングガン「コルト M1911A1ガバメント」とガスブローバックガン「V10 ウルトラコンパクト ブラック」は同じく18歳以上使用を想定している製品であり、的を射貫く弾の初速や弾の威力に大きな開きはない。しかしこのブローバックの感触や、連射できるメカニズムで、ガスブローバックガンは大きな魅力を持っていると言えるだろう。

 さらに「V10 ウルトラコンパクト ブラック」はスライドを外し、部品を分解、メンテナンスなどもできる。スライドにはホップを調整できるダイヤルがあり、弾に逆回転を与える強さを調整し、弾道を換え、飛距離を伸ばすと言ったこともできる。特にガスブローバックガンは各部品が激しく動くため、定期的に掃除やシリコンオイルを塗るといったメンテナンスも求められる。

 もう1つ、「マイクロプロサイト用マウント」が付属しているのも大きな特徴。マイクロプロサイトはレンズに赤い光点を表示できる照準用光学機器で、調整することでより素早く正確な照準が可能になる。

 銃のリアサイトとフロントサイトを使う本来の射撃では、リアサイトからフロントサイトを重ね、さらにそれをターゲットに合わせる必要があるが、マイクロプロサイトを使うことでスクリーンに表示された赤い点をターゲットに合わせるだけで照準できるので、2つのサイトを合わせるより断然早く狙うことができ、スピードを競う射撃や、複数の標的を狙う競技性の高い遊びに活躍してくれる。本製品はこの機器を取り付けられるマウントが付属しているのだ。

【ディテール】
バレルに空けられた穴。ここから発射時のガスが吹き出し、銃身の跳ね上がりを抑えるのだ
細かい刻印
特徴的なトリガー
指をしっかり固定する「フィンガーチャンネル」のあるグリップ
ノバック社製式承認のダイカスト製リアサイト
ダイカスト製のマガジン。ガスボンベも兼ねている
スライドを外したところ。メンテナンスもこまめにしたい
【マイクロプロサイトを装着】
光学照準装置である別売の「マイクロプロサイト」を接続できるベースが同梱されている
マイクロプロサイトを装着、より現代風のスタイルに
マイクロプロサイトは2017年11月発売、価格は7,480円(税込)

弾が出るからこそ楽しい! 安全に気をつけてエアソフトガンで遊ぼう!

 今回はあくまで「部屋の中で遊ぶ」ということを想定して遊び方、商品の楽しみ方を紹介してみた。エアソフトガンは弾が出るため事故を起こしやすい。誤って他の人に弾が当たったりすることは何としても避けなければならない。

 ただ、空き地などで他の人に十分注意すればより広いところで遊べるだろう。都内やサバゲーフィールドでは射撃が楽しめるシューティングレンジなどもある。こういった場所での射撃、またはサバイバルゲームへの参加など、工夫をすればもっと楽しく遊ぶこともできるだろう。

 このほか、製品の外見を眺めたり、にぎった感触を楽しむといった遊び方も可能だ。東京マルイのガスハンドガンには「フォロアストッパー」という部品があり、弾を込めずに空撃ちして、リコイルやスライドの動きだけを楽しむこともできる。また、「写真を撮る」というのも楽しい遊び方だ。今回も布を敷いての撮影をしてみた。外観にもきちんとこだわる東京マルイの製品だからこそ、写真を撮るのも面白い。

 エアガンは弾が出る玩具だけにその扱いは注意が必要だ。遊び終わった際はちゃんとマガジンを外し、弾抜きをし、銃口に保護キャップをつけておきたい。そして遊ぶときはサバイバルゲームのゲーム中以外は銃口を決して人に向けない様にしたい。加えて、撃つ瞬間までトリガーに指を掛けないことも心がける。こういったことに気をつけて、"銃"というロマンのある存在を再現したトイガンをたっぷり楽しんで欲しい。

 「エアソフトガン実践入門」は全2回の予定だ。次回はサバイバルゲームに持って行く製品を紹介したい。注意点はもちろん、拡張性の高い製品のカスタマイズも紹介するので、お楽しみに!

【写真を撮ってみる】
布を敷いたり、小道具を配置すると楽しい。ちなみに今回使ったカートリッジはモデルガン用のものだ