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【夏休み特集】夏は水陸両用モビルスーツ!2024年大活躍の「ズゴック」ガンプラを振り返る

「HG 1/144 ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)」の発売が待たれる!

 夏と言えば海、海と言えば水陸両用モビルスーツということで、今年は1月公開の映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」でも大活躍を見せた「ズゴック」のガンプラについて特集したいと思います。映画での活躍のほか、5月発表の「プレバンガンプラ総選挙2024」ではなんと第2位に「HG 1/144 アメイジングズゴック」が入賞。ズゴック人気が過去最高潮に達していることがわかります。

 1/144シリーズや1/100シリーズをはじめ、HGUCやMG、RGと数多くのガンプラシリーズで立体化してきたズゴック。「HG 1/144 ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)」の開発も進む中、今回は「機動戦士ガンダム」版のHGUCキットを用いた「SEED FREEDOM」ガンプラとの共演からお届けします。

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」作中で大立ち回りの赤いズゴック

 新興国「ファウンデーション」との共闘に参加した世界平和監視機構「コンパス」のキラ・ヤマトは彼らの罠にはまり、シュラ・サーペンタインが駆る強力な最新鋭モビルスーツ「ブラックナイトスコード シヴァ」に圧倒されてしまう。

【最新鋭MS「ブラックナイトスコード シヴァ」】
胸部ハッチを開放、「近接短針投射システム」を一斉掃射!

 間合いを詰めたブラックナイトスコード シヴァは胸部ハッチを開放、「近接短針投射システム」を一斉掃射。キラの駆る「ライジングフリーダムガンダム」はそれを全身に受け機能を停止、さらに同胞のアグネス・ギーベンラートの「ギャンシュトローム」の裏切りによって行動不能に陥ってしまった。

【一機の“赤いズゴック”が戦闘に介入】
親友アスランがキラの窮地を救う!

 絶体絶命の状況の中、水上を滑走する一機の赤いモビルスーツがあった。絶望の戦いの中、キラの親友アスラン・ザラが“赤いズゴック”で戦闘に介入してきたのだった。ズゴックは頭部からのミサイルや両腕のビーム砲を使いギャンシュトロームとブラックナイトスコード シヴァをけん制、キラを救出してコンパスのもとへ帰投する。

【がっちり組みあう2機】
タイムアップで双方撤退するものの、実力は互角!

 そして劇中終盤にもやはり窮地に陥るキラの「ストライクフリーダムガンダム弐式」をアスランのズゴックがその身をもって「近接短針投射システム」の一斉掃射を受け止め、キラを助けるのだった。ズタボロになったズゴックはまばゆいばかりの光を放ち、リアクティブアーマーのように爆散、その中から「インフィニットジャスティスガンダム弐式」が姿を現す!

 劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開前までは赤い「イモータルジャスティスガンダム」には誰が乗るのか明かされておらず、「もちろんアスランだよね?」「まさかシンが?」などなどファンの大論争を生み、シンが乗ることがわかっても「じゃぁ、アスランは何に乗るの?」「アスランいつ出てくるの?」と映画を観ながら皆さんヤキモキしていたと思います。

 そうこうしているうちにキラが大ピンチになった時に駆けつける赤いズゴック!そのパイロットはなんと親友のアスラン!筆者もそうでしたがもう驚くしかありませんでした。そして劇中後半で「キャバリアー・アイフリッド0」を装備して宇宙空間を飛ぶズゴックを観ながら「これはもう……」と思っていたら衝撃的な装甲パージ演出からのインフィニットジャスティスガンダム弐式登場、アスラン本領発揮でファン大興奮となりました。

 ここまでの写真のズゴックは「HGUC 1/144 MSM-07S ズゴック(シャア専用)」を使用しました。「HG 1/144 ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)」の発売が待たれます!

各グレードで幅広く展開!ズゴックのガンプラ

 TVアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ではファーストガンダムへのオマージュも含め「ザク(ウォーリア)」「グフ(イグナイテッド)」「ドム(トルーパー)」と同様のデザインのモビルスーツが登場、話題を集めました。そして劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」ではその後の時間軸となるため、それらの発展・後継機として「ゲルググ(メナース)」「ギャン(シュトローム)」が登場しました。

 そんな中登場した「ズゴック」は元ネタとなるファーストガンダムでは水陸両用モビルスーツとしてジオン軍エースパイロットである「シャア・アズナブル」が“赤いズゴック”に乗って南米にある地球連邦軍の「ジャブロー基地」へ潜入、戦車を投げ飛ばしたりホバークラフトを叩き落したり量産開始されて間もないジムの腹部をツメで貫いたりなど大暴れします。

 アスランのズゴックも初登場したときはジャブローへ潜入したズゴックと同じようにゆっくり立ち上がる(BGMもそれっぽく!)演出もあってファーストから観ているファンはいろいろな想いが重なる瞬間でもありました。

 ここではこれまでに発売されてきたズゴックのガンプラを紹介していきたいと思います。ズゴック自体はそれほどバリエーションが無いこともあり種類はそれほど多くはありませんが、ガンプラの各グレード毎にしっかりとリリースされていることから人気のあるモビルスーツと言えます。筆者もこのデザイン大好きです!

【ズゴックの初期ガンプラ】
1/144 シャア専用ズゴック(1981年7月:330円)/量産型ズゴック(1980年12月:330円)
1/100 シャア専用ズゴック(1981年12月:880円)/量産型ズゴック(1982年6月:880円)

 でました!ガンダムをスターダムに押し上げた立役者“ガンプラ=ガンダムのプラモデル”の初期シリーズの中から1/144、1/100スケールのズゴックです。1/144スケール版では当時の仕様でそれぞれ赤1色、青1色でしか作られていないランナーからパーツを切り取り(ツメ切り使っちゃった!もしくはもぎ取った!)、接着剤を使って組み上げたものです。もちろん設定どおりのカラーリングにするには塗装が必要でした。ズゴックのツメは開閉状態を選んで接着する方式だったんですがこれがなかなか定着しなくて苦労した記憶があります。

 1/100スケール版ではその大きさを利点に頭部のカバーが別パーツ化されるなど各部のディテールがより細かく、何より3色に分けられたランナー、そしてツメはスプリングによる自動開閉になるなど特別感や高級感を感じたものです。3色構成になったおかげでモノアイ周辺を黒、モノアイをピンクで塗ってやるだけでそれらしく見えたものです。当時は消費税がありませんでしたから1/144スケールが300円、1/100スケールが800円だったというのも思い出しますね。

【ズゴックEのガンプラ】
1/144 ズゴックE(1989年3月:660円)/HGUC 1/144 ズゴックE(2003年8月:1,320円)

 適応するのが水中と陸地がメインであるためそれほどバリエーションはないズゴックですが、ガンプラ化されたのはOVA「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」に登場した“ズゴックE”があります。劇中で設定されたズゴックのバリエーション機体であり、独特なデザインとしながらもそれはズゴックを感じさせるものです。型式の“E”は“Experiment(実験)”という意味でありズゴックの性能を高めるための試験機です。

 まだHGなどのグレード展開になっていない旧キットに属する1/144スケールでズゴックEが1989年に発売されていますが、ガンプラは毎年技術革新を遂げている中にありこのキットではクリアー素材のモノアイだったり、ツメ(クロー)やソールはつま先やかかとが独立可動するなど進化を感じさせるものでした。さらに2003年にHGUCシリーズでリリースされています。腕や脚のジャバラの節ごとの可動を実現し、よりスタイルが洗練されるなどさらにガンプラの技術革新が際立ちました。

【ズゴックのSDガンプラ】
SDガンダムGジェネレーション30 シャア専用ズゴック(2000年2月:440円)/ガンダムGジェネレーション43 量産型ズゴック(2000年5月:440円)

 ズゴックをはじめ、ゴッグやアッガイ、ゾックといったジオン軍の水陸両用モビルスーツは水中での抵抗をなくすため丸っこいデザインがされています。その愛らしい姿をしてファンからは“ジオン水泳部”と独特の愛称で呼ばれています。ガンプラのもう一つのシリーズといっていい“SDガンダム”のデフォルメされたデザインととても相性のいいズゴックがゲームソフト“Gジェネレーション”に登場した機体をベースにガンプラ化されました。カラーリング再現は完璧ではないもののツメも開閉状態を交換して楽しめるなどSDガンダムならではの楽しさを味わえます。

【ズゴックのHGガンプラ】
HGUC 1/144 MSM-07S ズゴック(シャア専用)(2001年2月:770円)/MSM-07 ズゴック(1999年11月:770円)

 ガンプラを再び盛り上げることとなったグレードシリーズでついにズゴックが登場。腕・足・胴の各部をボールジョイント接続とすることでスムーズな可動と曲線を実現しています。カラーリングもほぼ完璧に再現することができており、クローは開閉機構を標準装備。足裏にもスクリューのモールドを配するなど“ズゴックが実際に存在したら”というリアリティのあるキットになっています。

【ズゴックのMGガンプラ】
MG 1/100 シャア専用ズゴック(2003年11月:3,300円)/量産型ズゴック(2003年5月:3,300円)
MG 1/100 ズゴック(ユニコーンカラーVer.)(2013年11月:3,300円※プレミアムバンダイ専売)

 HGシリーズから3年強ほど経ち、さらに技術革新の進んだMGシリーズにズゴックが登場しました。MGならではのフレーム構造を採用し、胸部のダクトやモノアイさえも可動します。さらに防水イメージの軟質素材を採用していてHG以上に組んでいて実機を感じることができる仕様になっています。

 シャア専用機では腕や大腿部の蛇腹部分に伸縮機構を持たせ、幻のクロー4本仕様を可能とするパーツが付属しています。これは設定にはなくメカデザイナー・大河原邦男氏によって描かれた映画「機動戦士ガンダムII 哀・戦士編」のイラストのズゴックを再現するためでそれを知るファンは色めきだったものです。

 そして後年公開されたOVA「機動戦士ガンダムUC」にて“モビルスーツ大運動会”とも呼ばれるエピソード4に登場した“袖付き”仕様のズゴックが量産型をベースにカラーリングを変更して袖付きの装飾シールを追加して2013年にリリースされました。

【ズゴックのRGガンプラ】
RG 1/144 MSM-07S シャア専用ズゴック(2014年7月:2,750円)/MSM-07 量産型ズゴック(2015年8月:2,750円※プレミアムバンダイ専売)

 ついにズゴックはRGへと到達!HG、MGで培ってきた技術を惜しみなく投入してこれまで以上に実機考証を重ねて流線型ボディを追求しています。内部フレームはRGでおなじみ「アドヴァンスドMSジョイント」で表現、水陸両用機としての説得力を与えています。水中移動のための機体各所に配置されたソナー、水抜き穴、脚部やバックパックへのプロペラ構造を盛り込むなどRGならではの緻密なディテールが満載となっています。すごいところまできたものです。

【ズゴックのアメイジングなガンプラ】
HG 1/144 アメイジングズゴック(2017年10月:1,650円※プレミアムバンダイ専売)

 「紅の彗星、推参!」。2017年に公開された「ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲」に登場した三代目メイジン・カワグチの愛機「アメイジングズゴック」がリリースされました。HGUCズゴックをベースに前腕を大幅にカスタム、前腕部に4種類のパーツを換装することでMSV(アッグ・アッグガイ・ジュアッグ・ゾゴック)の特徴を持たせることが可能です。

 先日募集(現在終了しています)された「プレバンガンプラ総選挙2024」において総合2位を獲得するなど「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」でのズゴック大活躍もあってその注目度はかなり高いです。同映画のノベライズには「アメイジングズゴック」と表記されていることも影響しているかもしれません!

HG 1/144 ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)の発売が待たれる!

 そもそも、「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」に登場したアスランのズゴックはキット化の予定ではなかったとのことですが、映画での大活躍からのあまりの反響のために急遽企画開発がスタートしたそうです。

第62回 静岡ホビーショーで初お披露目となった「HG 1/144 ズゴック(SEED FREEDOM Ver.)」
足裏にはインフィニットジャスティスガンダム弐式のものと思しきソールも

 現在BANDAI SPIRITS ホビー事業部による「ガンプラパッケージ投票!」が7月29日から8月23日まで開催されています。候補となる劇中シーンに投票してファンみんなでズゴックのパッケージが決められる貴重な機会となっていますのでぜひ参加しましょう!

【アスランのズゴック、ついにキット化!】
パッケージデザインをファンが投票して決める!
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