インタビュー
「METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉Sガンダム ブースター・ユニット装着型」企画者インタビュー
設定画イメージを再現したSガンダム、ZプラスをBst型にできるパーツも付属
2024年1月11日 10:00
- 【METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉Sガンダム ブースター・ユニット装着型】
- 2024年1月12日16時より魂ウェブ商店にて予約開始
- 2024年6月 発送予定
- 価格:30,250円(税込)
BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部のフィギュアブランド「METAL ROBOT魂」シリーズより「METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉Sガンダム ブースター・ユニット装着型」が1月12日16時に通販サイト「プレミアムバンダイ」内の「魂ウェブ商店」にて予約受付を開始する。価格は30,250円(税込)。
「METAL ROBOT魂」はダイキャスト素材による重厚感を持つ「超合金」と、ロボットを愛する心から生まれた「ロボット魂」が融合したダブルネームブランド。そして、メカデザイナー・カトキハジメ氏によるコンセプトデザイン、監修によってレーベルの枠を超えたプロジェクト「Ka signature」の商品となっている。
そして、今回「Sガンダム」(スペリオルガンダム)が再び「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」で立体化。さらに、オプションパーツ「ブースターユニット」がセットとなっている。
2018年に発売された「METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉 Sガンダム」と「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> Sガンダム専用オプションパーツ ブースターユニット」が6年の時を経て、セットとなって再び登場する。
しかし、単なる再販商品ではない。そこには新年から新たな展開を期待させる一歩と「Sガンダム」の懐かしくも新しい表現が詰め込まれていた。
今回、コレクターズ事業部で本商品を担当している宮邉優希氏にインタビューを行なった。宮邉氏の語る「METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉Sガンダム ブースター・ユニット装着型」の魅力や開発の経緯、オススメポイントを聞いてみた。
‟究極のガンダム”を目指して開発された「Sガンダム」とは?
インタビューに入る前に、「Sガンダム」について触れておきたい。
「Sガンダム」は模型誌の連載企画、小説である「ガンダム・センチネル」に登場した試作モビルスーツ。「機動戦士ガンダムZZ」に登場した「ZZガンダム」と同時期に開発された機体で、‟究極のガンダム”を目指したものとなっている。
ZZガンダム同様にコア・ブロックにAパーツ、Bパーツの各パーツが合体することでモビルスーツとなる。また、制御AI「ALICE」や大火力の武装である「ビーム・スマートガン」、頭部に装備された有線式の準サイコミュ兵器「インコム」と印象的な装備を有している。
そして、4基のブースターを装備した高速高機動仕様「Bst型」となり、作中では発電衛星SOL7804を強襲した。
また、モビルスーツ「ゼータプラスC1」にこの4基のブースターが装備された「ゼータプラスC1 Bst型」(通称ハミングバード)がある。本商品では別売りの「METAL ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS>ゼータプラス C1」に専用ジョイントパーツを使用することでBst型を再現することができる。
カラーリングも新たにSガンダムが再出撃。新規パーツによってゼータプラスのハミングバード形態も実現
――初めに「METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉Sガンダム ブースター・ユニット装着型」立体化の経緯を聞かせてください。
宮邉氏:過去に「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」で「Sガンダム」をはじめ、「Ex-Sガンダム」、「ゼータプラスC1」と「ガンダム・センチネル」が立体化されましたが、そこからの商品展開の期間が空いています。そこでリブート、再復活を含めて今後「ガンダム・センチネル」シリーズを盛り上げていきたいというのが一つあります。
宮邉氏:今後の目標としましてはアムロ・レイが乗ったとされる「MSZ-006C1[Bst] ZプラスC1型 ハミングバード」や「ディープストライカー」まで立体化していきたいと思っています。そのスタートとして「ガンダム・センチネル」の‟最初の機体”というところでもう一度「Sガンダム」とブースターパーツを商品化いたしました。
――「Sガンダム」は2018年に1度商品化されていましたね。今回リブートに当たり、変更されたポイントはありますか?
宮邉氏:一番大きなポイントは彩色です。過去に発売された商品は明るい青色を使用していましたが、今回の「Sガンダム」は深みのある青に変更。また細かいところで赤の色も明るめの彩色に変更しております。
宮邉氏:今回この彩色を採用したのは、カトキハジメさんによる設定画のカラーリングに近い「Sガンダム」がまだ完成品フィギュアで出ていませんでした。そこでカトキさんにご相談し、当時の模型誌に掲載されていたイメージを再現したいと思い、青と赤の色味を変えました。
――なるほど。よりホビーチックなカラーリング表現となっているのですね。他にも彩色を変えたところはありますか?
宮邉氏:今回は過去に発売された商品と違う点としましては、膝や肘部分のダイキャスト部分にも塗装をしております。そうすることで設定画により近いカラーリング表現となっています。(6月28日 追記:仕様変更により製品版の関節のダイキャストは塗装なしとなっています)
宮邉氏:ガンプラの作例で作っていただいたイメージに近いものを完成品フィギュアでも感じていただけるのが、大きいかと思います。
――「ガンダム・センチネル」が模型連載企画で作例が掲載されていました。当時のユーザーさんが持っているだろうイメージが「METAL ROBOT魂」シリーズで具現化されるのは懐かしくも新鮮ですね。
宮邉氏:そういった部分も楽しんでいただけると嬉しいですね。
――「METAL ROBOT魂」シリーズの特徴ともいえるダイキャストが見える部分をあえて隠すのは新しい試みに感じます。
宮邉氏:実は過去に発売した「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」でダイキャスト部分を塗装しています。
宮邉氏:2018年に発売された「Sガンダム」は当時の技術的な面でダイキャストの上から塗装が難しかった点と関節部の擦れの懸念もありました。ダイキャストが見える部分ももちろん魅力ではあるのですが、「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」でダイキャスト部分の塗装から確信を得て、今回の「Sガンダム」では採用しました。なので、塗装量が本商品は増えているので非常に豪華な彩色表現となっています。
――「Sガンダム」は過去に「GUNDAM FIX FIGURATION」シリーズでも立体化されていますが、改めて「METAL ROBOT魂」シリーズならではのアプローチはありますか?
宮邉氏:そうですね。やはり「Sガンダム」の印象的な武装である頭部インコム部分は、ケーブルパーツを使用して展開することができるのは大きなポイントです。また、肩部分も展開ギミックを備えていまして、ここからダイキャスト部分がのぞくようになっています。今回は関節部分を塗装しておりますので、こういった部分で金属感を感じていただけるかと思います。
――可動部分はいかがでしょうか? 「Sガンダム」のバックパックの大口径ビーム・カノンなどは設定的には自由に操作できるようになっています
宮邉氏:もちろん、大口径ビーム・カノンに関してはボールジョイントを採用し、フレキシブルに可動しますので、肩の可動と合わせて前面に砲口を向けることもできます。
――ビーム・スマートガンも細かく造形されていますね。
宮邉氏:はい。前商品同様、今回も2種類のビーム・スマートガンが付属します。通常のものとバレル部分やバイポッドを備えた連射式となっており、連射式はバレルの伸縮ギミックが搭載されています。そして、エネルギー供給用のサポート・ユニットを本体の腰に差しけることで劇中イメージを再現できます。
――腰を入れて巨大な射撃武器を構えられるプロポーションの良さと可動は「METAL ROBOT魂」シリーズならではの良さですね。ダイキャストの使用で保持力も安心感があります。
宮邉氏:そうですね。ユーザーさんも二つ付くので満足感のあるものになっているかと思います。また、2丁持ちなどのフィギュアならではの遊びも楽しめます。他にも膝のビーム・サーベル・ボックス・ユニットからビームサーベルを取り出すアクションもできます。
――これだけ武装が盛り盛りですが、今回彩色見本を拝見してスマートな印象を受けました。肩やバックパックは大きく見ごたえがありつつ、脚部はスラっとしていています
宮邉氏:強化機体にあたる「Ex-Sガンダム」とはだいぶ印象が違いますからね。なので、「Ex-Sガンダム」もGクルーザーへの変形機構を含めて企画検討をしていきたいです。
――「複雑な変形機構もMETAL ROBOT魂なら!」と期待感が高まりますね。
宮邉氏:完成品フィギュアではGクルーザーへの変形再現ができていないので、すぐにできるものではないですがやってみたいです。
――新規で「METAL ROBOT魂のSガンダムを待っていた」という方に見てほしいポイントを教えてください。
宮邉氏:そうですね。商品本体とは違いますが、今回初めて「ガンダム・センチネル」に触れる方、改めて作品に触れる方にも楽しんでいただけるように商品ページを作りました。ここで「『ガンダム・センチネル』はどんな作品だったのか」と世界観に触れて、商品イメージを膨らませられるようにしています。
――2023年11月17日に開催されました「TAMASHII NATIONS 2023」でも「ガンダム・センチネル」の参考出展がされていたのも印象的でした。「センチネルが熱い!」と思わせる熱量がありました。
宮邉氏:「TAMASHII NATIONS 2023」はまさに「ガンダム・センチネル」の展開を感じ取ってほしい部分ではありました。「ゼータプラスC2」などが展示されたから「今後の他のセンチネル系も?」と期待を持っていただきたかった展示でした。
――話は戻りますが、今回「Sガンダム」本体だけでなくブースターパーツもセットになり、遊びの幅が大きく広がりますね
宮邉氏:ブースターパーツも本商品のポイントになります。「Sガンダム」がカラー変更が基本になりますので、目新しさを出す意味でもセットになっています。そして、新規パーツとして「METAL ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS> ゼータプラス C1」専用のジョイントパーツが付きます。こちらを使用することで、ブースターパーツを取りつけた「ハミングバード形態」にすることができます。
宮邉氏:こちらのパーツは「ゼータプラスC1」の腕部と脚部を取り外して、ジョイントパーツを付けることでブースターパーツを接続することができます。そして、後部にプロペラントタンクも付けることができ、簡易的なパーツで付け替えが楽しめるようになっています。そのうえでジョイントパーツ部分が目立ってしてしまうのも悪いので、なるべく目立たないようにしつつハミングバード形態にできるようにカトキさんと調整していきました。
――しかし、「METAL ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS> ゼータプラス C1」は2018年発売商品で、もちろん当時はブースターユニットを装備する設計ではなかった。そこに合わせるのに苦労した点はありましたか?
宮邉氏:今回(写真で)お見せしているこちらは2018年発売の商品を使っています。なので、購入されたユーザーの方にも楽しんでいただけます。そして、本商品に付属しているビーム・スマートガンも機体の下部に備えてることもできます。
宮邉氏:そこで苦労した点になるわけですが、ハミングバード形態を再現できたが飾るためのジョイントがないことに気づいたんです。そこで新規でディスプレイパーツを作成し、しっかりと飾れるようにしました。
宮邉氏:「ガンダム・センチネル」では赤や青の「ゼータプラス」がハミングバードとして紹介されましたが、今回は「ゼータプラスC1」のカラーリングとなっておりますので、カトキハジメさんによるMETAL ROBOT魂オリジナル形態に近いイメージとなっています。こちらのカラーリングをぜひお手元で見てほしいです。
――ブースターユニットの変更点はありますか?
宮邉氏:そうですね。こちら細かい部分にはなるのですが、カラーリングの変更をしております。過去のブースターユニットを持っている方にも新しい発見があるかと思います。
――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします
宮邉氏:今回の商品では、ユーザーの皆様が見慣れているだろう設定画に近づけた彩色で「Sガンダム」をお送りいたします。今回ダイキャスト部分を塗装してより設定画に近づけていますので、ぜひ手に取って実感していただきたいです。そして、「METAL ROBOT魂(Ka signature)<SIDE MS> ゼータプラス C1」でのBst型の再現できる新規パーツも付いてきますので、こちらも魅力的に仕上げておりますのでよろしくお願いいたします。また、METAL ROBOT魂で「ガンダム・センチネル」の再展開というところで、今後シリーズ展開を期待していただきたいです。
今回「METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉Sガンダム ブースター・ユニット装着型」をお送りしてきた。
再び「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」シリーズで「Sガンダム」が登場し、イベントでの参考出展など2024年は「ガンダム・センチネル」が熱くなる予感。2024年も「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」シリーズ商品から目が離せない。
その先陣を切る「METAL ROBOT魂 (Ka signature) 〈SIDE MS〉Sガンダム ブースター・ユニット装着型」も明日1月12日16時より予約が開始されるので、こちらもぜひチェックしてほしい。
(C)創通・サンライズ
※6月28日 追記:仕様変更により製品版の関節のダイキャストは塗装なしとなっています