インタビュー

「ベイブレード X」担当者・篠永恭平氏インタビュー、「ベイブレード」は企業をつなげる真剣勝負のコミュニケーションツール

【BEYBLADE X 企業対抗戦】
8月11日開催
会場:秋葉原UDX

 タカラトミーはバトルホビー「ベイブレード X」において、 ビジネスパーソンの交流を目的とした「BEYBLADE X 企業対抗戦」を8月11日、秋葉原UDXにて開催した。イベントでは64もの企業が参加、激戦を繰り広げた。HOBBY Watchも「インプレスチーム」としてこの戦いに参加した。

 本大会で面白いのは「名刺交換」があること。ベイブレードで戦う前に自分の名を名乗り、お辞儀をしながら名刺を交換するのはいかにも「企業対抗戦」らしい。さらに企業交流のスペースも設けられており、試合を見るだけでなく、この機会につながりを持とうという企業の活動も支援していた。これらの「企業の名を背負った戦士達」が戦うのだ。

 戦いでも勝利に派手に歓声を上げるチームや、静かにガッツポーズを取る選手に軽く肩を叩くチームなど、企業や人によって大きな違いがあった。他の大会と同じような熱気との中に「BEYBLADE X 企業対抗戦」ならではの空気がある、とてもユニークな大会となった。

 この「BEYBLADE X 企業対抗戦」は運営にどんな実感をもたらしたか? 今回、「ベイブレード X」を担当する、タカラトミー アクションブランド&TCGGビジネス本部 ベイブレード事業部 マーケティング&プロダクト部マーケティング課長の篠永恭平氏に今回の「企業対抗戦」への想いや、可能性を聞いた。

「ベイブレード X」を担当する、タカラトミー アクションブランド&TCGGビジネス本部 ベイブレード事業部 マーケティング&プロダクト部マーケティング課長の篠永恭平氏

「ベイブレード X」がつなぐ企業コミュニケーション

――今回開催された「ベイブレード X 企業対抗戦」ですが、この感想をお願いします。

篠永氏:「とても盛り上がってうれしい」というのがストレートな感想です。実は「ベイブレード X」での企業対抗戦は以前「ニコニコ超会議2024」で「企業対抗エキシビションマッチ」として開催していました。その時は「ニコニコ超会議」に参加した企業のみでの戦いだったのです。

 今回、公募という形で開催させていただいたところ、非常に多くの企業が手を上げてくださり、64社、192名ものブレーダーが企業を背負って参加してくださいました。改めて現在の「ベイブレード X」の盛り上がりを実感できました。

64社、192人もの選手が大会に参加

――今回のイベントで特に印象に残った場面はありますか?

篠永氏:やはり「名刺交換」です。他のイベントではない状況だと思うんです。各企業さんが対戦する前に名刺交換を行ってからバトルする(笑)。「ベイブレード X」の“核”の1つが「コミュニケーションツール」という役割だと思うんです。人と企業が「ベイブレード X」で繋がるんだ、ということを目の前で見ることができました。

 また勝ったとき、本当にブレーダーさんが大きくガッツポーズを取るし、仲間が声を上げて褒め称える。ハイタッチしたり、めちゃくちゃ喜ぶ。同じ企業の皆さんの絆が深まる、その瞬間を見ることもできました。企業と企業、社内でも繋がりを強めていく。この空間を作ることができて良かったと思っています。

試合前に行われた名刺交換

――参加した企業の方は、経験のあるブレーダーの知識を活かしたチームもあるけど、あまり経験のないチームも真剣に挑む。その上で勝ったり負けたりで盛り上がる。他の「ベイブレード X」とも違うイベントになったと思います。

篠永氏:「ベイブレード X」はちょっと基礎を知り、練習すれば戦いを楽しめます。「勝ってうれしい、負けて悔しい」。単純なことなんですが、勝敗がはっきり出るし、コミュニケーションのきっかけにもなる。練習量や知識で様々な人が集まって、企業を看板に戦うという「ベイブレード X 企業対抗戦」は、「ベイブレード X」の本質を提示できたと思います。

――以前見させていただいた「ベイブレード X」の戦いでは、「ウィザーロドロッド」、「コバルトドレイク」といった定番の強いベイのカスタマイズと出す順番で勝つ、といったある程度定番ベイが固まっていた印象がありましたが、今回はバーストしやすいけど耐久力が高い「クロックミラージュ」や、2つに分離する「バレットグリフォン」など、新しくてユニークなベイを使う選手も出てきていて、チームの個性も出ていたと思います。

篠永氏:ラインナップを更新していく中で、本当に強いこと、勝つことのみを突き詰めれば、現在でもある程度の定番は決まってしまうところはあります。ですが本来、人の数だけ「ベイブレード X」の楽しみ方って違うと思うんです。極端な戦術や、デザインが好き、と言うだけでベイを選び、そこで力を磨いてもいい。そういうユーザーさんに思い入れを持ってもらうベイをもっと多く世に出していければいいと思います。

非常に熱い戦いが繰り広げられた
トーナメントの合間には対戦企業を指名する戦いも

――そのなかで現在、「ベイブレード X」は手に入りにくい状況になっています。新作も争奪戦のような状況がある。現在の対策の姿勢として、特にアピールしておきたいところはありますか?

篠永氏:ご不便をおかけしている状況が正直あります。弊社としても品薄になっている状況を認識していることを文章で告知するとともに、増産やタカラトミーモールでの受注販売、抽選販売によって、できるだけ多くの人にきちんと商品が届く状況づくりに努力しています。

 私たちが理想としているのは皆さんが好きなベイブレードで、好きなだけ思いっきり遊べる世界です。それは私たち自身の強い望みです。そのためにできるアクションをやっていければなと思っております。

――最後にユーザーへのメッセージをお願いします。

篠永氏:本当にいつも「ベイブレード X」を楽しんでいただいてありがとうございます。ベイブレードは単純に言えばコマとコマがぶつかり合うだけなのかもしれないですが、その中にいろんな人との繋がりを生み出せる。コミュニケーションツールの1つだと思っています。その本質が多くのブレーダーの方に届いて、皆さんが思いっきり遊べるような環境を、これからもどんどん作っていきたいと思っております。引き続き皆さん楽しんでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

各企業の資料を展示・配布するコーナーも設置

 「ベイブレード X 企業対抗戦」は「ベイブレード X」を通じ、各企業が自社をアピールし、普段は繋がることもない他業種とコミュニケーションを行うことができる非常にユニークなイベントだ。

 筆者が特に面白かったのは練習を重ね、ベイを選び抜いた強豪チームだけでなく、知識が少ない中車内で仲間を集め、きちんと勝つための作戦を練るチームや、選手達が好きなベイにこだわってカスタマイズを行い戦いに挑むなど、チームによってベイへの関わり合い方も違うところだ。

 たとえば他のスポーツだと身体能力や練習量の差で如実に実力差が出る。「ベイブレード X」はだれでもランチャーを引けばベイに強力な回転を生じさせ、激しい戦いができる。誰でも楽しく戦えるのは大きな可能性を感じた。今回、筆者は選手として参加し、他の企業と言葉を交わすことで独特のつながりを得て、そして何より勝ちたいと思った。この「真剣勝負をしたい」という気持ちは、普通の「企業懇親会」では得られない。バトルホビーの可能性をしっかり感じたイベントだった。