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石坂浩二さんが率いる「ろうがんず」が「全部作る!石坂浩二会長の愛車遍歴」をテーマにランボルギーニ、フェラーリなどカープラモデル27車種を披露【#静岡ホビーショー】

【第35回モデラーズクラブ合同作品展】
5月16日、17日開催
会場:ツインメッセ静岡(静岡市駿河区曲金3丁目1-10)

 「第64回 静岡ホビーショー」一般公開日の会場内で実施される、モデラーによる展示会「第35回モデラーズクラブ合同作品展」に、俳優でモデラーとしても知られる石坂浩二さんが会長をつとめる模型サークル「ろうがんず」が今年も出展し、来場者が楽しそうに作品を眺め、メンバーの解説に耳を傾けていた。今回の出展テーマは「石坂さんの愛車遍歴」。石坂さんの話も聞くことができた。

「第35回モデラーズクラブ合同作品展」の「ろうがんず」の展示コーナー。会長の石坂浩二さんの写真やフィギュアとともに、著名な車が多数並んでいる
いちモデラーとして、ブースに集まった模型ファンと談笑する石坂浩二さん。筆者も俳優やタレントとしても昔からのファンなので、実際に話せて本当に感激だった

 同サークルは毎年決まったテーマのもとに会員が製作した模型をこの展示会で披露していて、今年は「全部作る!石坂浩二会長の愛車遍歴」のテーマのもと、石坂さんが自身で買って乗っていたり、家に置いてあったり、あるいは作品などで関わった車をリストアップし、その中から製作可能な27台のプラモデルをメンバーやゲストが製作し、石坂さんの写真やグラビア、年表などと共に展示した。

車に添えられているのは石坂さんのブロマイドやグラビア写真。そのかたわらには3Dプリンター製の本人をモデルとしたフィギュアが置かれている
世界的なのフィギュアペインターのカルビン・タン氏が製作した、若き日の石坂さんのフィギュア。主演作「男の挑戦」のレーサー姿をモデルとしているようだ

 石坂さんが率いる「ろうがんず」は、老眼世代の模型ファンが、趣味であるプラモデルに“恩返し”として、広い世代にプラモデルを広め、市民権を得るための活動を行っている。

 モデラーズクラブの展示もその活動の一環で、以前まではメンバーが各々好きなものを作って展示していたが、特定の模型ファンだけでなく一般の来場者の目にもとまるようなテーマを事前に話し合って決めて、会場のメンバーはおそろいのジャケットを着て、展示を見ている人に気さくに話しかけるというスタイルで展示を行っている。

バックの年表には石坂さんの出演作と当時の出来事と共に、愛車の写真をプラモのパッケージで表している

 今回の展示は、メンバーやゲストが作った1/24~1/30スケールの新旧車種のカーモデルがずらりと並んでいるわけだが、そのテーマである「全部作る石坂浩二会長の愛車遍歴」を思い出すと、見る目が大きく変わる。

 1970年代後半のスーパーカーブームで見たことのあるスポーツカーや、オープンタイプのクラシックカーのレプリカ、仕事をきっかけに乗った国産の名車など、博物館に展示してあってもおかしくないような車種が揃っている。

「本当にこれに乗ってたの!?」と思ってしまうような車種がずらりと並ぶ。幻のスーパーカー「ランボルギーニ イオタ SVR」まで!
オープンタイプのクラシックカー「デュッセンバーグ(クローン)」(左)と、黒色の「フェラーリ 348tb」(右)

 昼前には石坂さんご本人もブースにやってきて、来場者と楽しそうに会話をしていた。今回の企画についてどんな思いがあるのか尋ねてみると「企画者が昔から(この企画を)やろうって言われてたんだけど、僕はずっと嫌だって言ってたんだよね(笑)」と返答。

 元々プライベートのことを積極的に話す性格ではなく、さらにプラモデルを作るメンバー全員がこだわり派のため、そのヒアリングとして当時の内装や仕様を一つ一つ思い出すのが本当に大変だったそう。「みんな内装については本当にうるさくて(笑)、シートのステッチのことまで聞いてくるんですよ」とのことで、展示ではほとんど見えない部分も、石坂さんからヒアリングした細かな特徴までしっかり作り込んであるという。

仲間が作った車のプラモデルを眺めながら思い出を語る石坂さん

 ちなみに石坂さんこれまで乗った車の中で最もお気に入りなのは、「フェラーリ308GTB」と話す。乗っていた当時は、自身と愛車のフェラーリ308GTBをフィーチャーした子ども向けの書籍が作られ、思い出にも強く残っているという。現在乗っている「フェラーリ458イタリア」は、308の設計が引き継がれた孫のような存在として可愛がっているそうだ。

フェラーリの中でも特に好きだという「フェラーリ308GTB」。左にあるのが製作に協力した書籍「石坂浩二お兄さんのフェラーリ図鑑」(1978年)。当時乗っていた308GTBの走行写真やコメントも載っている

 今回石坂さん自身も「フェラーリ 360スパイダー」を製作している。フェラーリでも特別色だというこの色は、タミヤのパールライトブルーのスプレーを使って塗装したが、よく攪拌しないと塗料の粒が出てしまい、そのたびに塗装をやり直すことになった。

 ところが現在、情勢不安により塗料用の溶剤の値が上がっていて、普段なら洗浄のために遠慮なく溶剤を使うものの、今回はそれができず「僕が模型を作っている最中に、あんなことしないでほしいよね(笑)」と笑いながらも、プラモデルにも影響を与えている情勢に苦言を呈していた。

タミヤ製の「フェラーリ 360スパイダー」。石坂さん自身の作品で、キットも自前のものを2つ使ったそう

 「石坂さんが実際に乗った」という車種がモチーフなので、作るにはそのキットを調達しなければならない。現在はプラモデルとして発売されていない車も多く、ネットオークションなどで入手したものもあったが、メンバーがコレクションしている新旧のキットを提供したことで実現したという。

特に既に存在しないメーカーの古いキットは入手が困難だったという

 今回の企画の発案したのは、「ろうがんず」のメンバーではない、モデラーの中潟憲雄さん。石坂さんと飲んで話したときに、その車の遍歴を聞いて驚愕し、愛車を紹介するTV番組に出演することを勧めたが、本人の性格からその話にはあまり乗り気にならなかった。それならと、「ろうがんず」やモデラー仲間で、石坂さんが関わった車の模型を作って、このモデラーズクラブで展示する企画をやってはどうかと石坂さんと会うたびに提言していて、提案5年目にしてついに叶ったという。

 中潟さん自身も今回石坂さんが絡んだ模型を制作している。石坂さん主演の「男の挑戦」(1968年)という映画で、テストドライバー役でサーキット走行を行うために赴いたテストコースで、福澤幸雄さんという伝説のレーシングドライバーと出会い、「トヨタ2000GT」に乗ってコース走行の仕方を教えてもらったというエピソードをジオラマにしている。

福澤さんと石坂さんのコース上での運命的な出会いをジオラマで表現した中潟氏の作品。左の「トヨタ2000GT」が福澤さんの車で、石坂さんはそれに同乗してコースの走り方を教わったそうだ。右の「トヨタスポーツ800」は、劇中で石坂さんが乗った車
キットの下に見えるのが「男の挑戦」のポスター。福澤さんも出演者としてクレジットされているが、この映画が公開された翌年の1969年にテスト走行の事故で亡くなったという。享年25歳

関わったモデラー全員が石坂さん本人からの聞き取りのもと、強いこだわりを持って製作したカーモデル群。お気に入りの車種には石坂さん本人のコメントも添えられ、車を本当に愛している人生をおくっていることがわかる、いつまでも眺めていられる楽しい展示であった。また来年の展示も楽しみにしたい。