レビュー
アクションフィギュア「超合金魂 宇宙海賊戦艦 アルカディア号」レビュー
2020年12月16日 00:00
このフォルムとディテールだけでごはん10杯食べられる
こうしてアルカディア号を組み終えたわけですが、ここでぜひ言っておきたいのは、このアルカディア号のフォルムやデザインの素晴らしさについてです。確かに超合金魂は製品仕様として、発光や砲塔回転、そして音声ギミックという素晴らしいギミックが施されており、製品の特徴として、それらの特徴が、まずは紹介されてきました。
ですが私は言いたいのです。この、約430mmという、圧力ある質感を持った造形物そのものの魅力こそ感じてほしい! かつて、未だCG処理など行われていなかった放送当時、オープニングで地球をバックにしながら「ゴゴゴゴ」と回転していたあのアルカディア号、堕落した地球人を背に、単艦でマゾーンの艦隊に突入するアルカディア号、古来からの海賊の戦法に則り、衝角(ラム)を突き出して全速前進するアルカディア号。その力強い姿が、ボリュームのある艦首、流麗な船体、そして大きく張り出した主翼と宇宙時代の特異点のような船尾楼へと続くライン、それらの流れのアクセントになるブリッジ周りの細かいディテールで再現されているわけです。
ちょっと角度を変えて眺めてみるだけで新たな発見があり、少しずつ少しずつ角度を変えながら、ときには片目をつぶって“心の中の広角レンズ”でその巨大な艦体をパースを利かせて眺める時間は至福であります。まあキャプテンハーロックのことを知らない人には何を言っているのかわからないかもしれませんが、ともあれSF艦船の立体物というのはいいものだなあと。
そしてやはり、アルカディア号というよりは宇宙海賊は髑髏です。この髑髏とそれに連なるエングレービングは金属質な光沢を放ち、触ると少しひんやりします。ここはスケール感云々というよりも、大人のための完成品トイとして、高級感漂う演出が楽しめる場所であり、これまた満足感が高まります。
さらに船尾楼です。宇宙戦艦に木の材質らしき(模しているのだとは思いますが)設備があるのは、どう考えても違和感があるわけですが、それこそがまた、この艦の大きな魅力でもありますよね。
(C)松本零士・東映アニメーション