レビュー
アオシマ「1/24 ニッサン S30 フェアレディZ エアロカスタムVer.2 '75」レビュー
2021年3月5日 00:00
組み立てはシンプル、だからこそしっかり組み上げられる!
組み立てには接着剤を使用するため、スナップフィットモデルでみる「つなぎ目」が目立たない構成となっている。組んだ時のスキが目立たずないのも魅力的だ。
今回の接着には流し込みタイプのセメント接着剤とハケ塗りタイプの瞬間接着剤を使用。流し込みタイプはヘッドライトなど合わせ目がはっきりしているパーツに使用し、ハケ塗りタイプはサイドミラーやリアパーツなどパーツが小さかったり、塗る面積があるパーツに使用している。特に流し込みタイプは隙間にちょんとハケの先をつければ、サラサラなセメント接着剤が浸透するので便利だ。セメント接着剤はパーツを溶かして接着するものなので、塗装後は塗料ごと溶かすので色の異なるパーツ接着では量を調整する必要がある。
ハケ塗りタイプは粘度が高く乾燥時間が短いのが特徴。また、乾かすと白化するので付けすぎや目立った箇所への使用は避けたい。これまで触れたことがないプラモツールを使う楽しさや、それぞれの長所と短所を実感できるのもカーモデルならではの楽しみといえる。
最後に細かいロゴなどのデカールを張りつけて完成。
作り手の全力に応えてくれるキット
「1/24 ニッサン S30 フェアレディZ エアロカスタムVer.2 '75」を組んでみての感想はカーモデルだかこそ体感できる「納車できました」感。実車も購入から納車まで点検などの過程を経て自分の手元に届く。流線形のボディや存在感あるフロントスポイラー、低く設定された車高などスポーツカーならではの機能性と芸術性を取り入れたデザインに感服する。そして、コーナリングを重視したタイヤのネガティブキャンバー設定や横Gに対応したバケットシートは筆者の「レーサーへの憧憬」が出せて満足の造形だ。「自分の理想のフェアレディZ」を1/24スケールに詰め込むことができるキットとなっている。フロントのスポイラーやフェンダー、ウィングの塗装のはみ出しや接着のムラがあるのも、一つの思い入れとして楽しさにすることができた。
そして、このキットはさらなるポテンシャルを持っている。シャーシパーツには電池ボックスをいれる箇所があり、ヘッドライトなどの電飾がしやすい構造となっている。「1/24 ニッサン S30 フェアレディZ エアロカスタムVer.2 '75」は作り手の全力に応え、理想の形を体現できるキットだと筆者は実感した。そして、さらなる挑戦を受け入れられるポテンシャルの高さは、作り手を育てるキットでもあると感じた。
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