レビュー
ガンプラ「HGUC 1/144 ΞガンダムVSペーネロペー ファンネル・ミサイル エフェクトセット」レビュー
2021年4月23日 00:00
「HGUC 1/144 Ξガンダム」
「RX-105 Ξ(クスィー)ガンダム」とは
ペーネロペー同様に「RX-105 Ξガンダム」のおさらいしておきましょう。この機体は型式番号が「RX-105」であり、ペーネロペー同様アナハイム・エレクトロニクスが開発した機体と噂されていますがその確証は得られていない模様。“ガンダム”という名称ではあるものの頭部を含めこれまでのガンダムタイプとは異なるデザインとなっていますが脚部に「RX-93 νガンダム」の意匠を見ることができます。
第5世代モビルスーツとなる本機は頭長高26mほどとこちらも巨大でミノフスキー・フライト・ユニットを内蔵していることが最大の特徴であり“単機で飛べる”機体となっています。飛行時に機体各所のビームバリアーを展開することで大気との摩擦を減らし、その速度はマッハ2を越えて全速では機体全体が発光するとも言われています。そしてこの機体のパイロットは“マフティー・ナビーユ・エリン”ことハサウェイ・ノアとなっています。
「Ξガンダム」のランナーを確認。こちらはスタンダードなガンダムタイプのガンプラという印象
こちらもランナー19枚となりますが、巨大な1ピースのパーツも少なくどちらかというと通常のガンダムタイプ同様に同じランナーの物もあり種類としては少ない印象でしょうか。それでいてあの巨体を再現するわけですからパーツの量は多めではあります。
ランナーからパーツにかけて伸びるゲートも組み立てれば隠れる部分へとうまい具合に配置されているようで、単純に切り出して組み合わせるだけで美しい仕上がりが期待できそうです。細かい部分ですと平手パーツの指が肉抜きされていてちょっと残念でしょうか。劇場版のΞガンダムの設定画では平手のデザイン画となっていますので気になる方は穴埋めしたほうがよさそうです。
「Ξガンダム」を組み立てる!奇をてらったつくりではなくてもガンダムタイプとは違う作りごたえ
それでは早速組み立てていきましょう。ボディを構成するパーツを切り出して並べてみると、これまでのガンダムタイプの教科書が通用しない構成になっていました。とくに胸部にあたる部分の特徴的なパーツ構成はパズルのような感覚もありますが、そこはガンプラ。組立説明図とパーツをよく見比べて合わせていけばカッチリピッタリ合ってくれるので、組み立てているときの充実感は(まだ序盤ですが)とてもすばらしいものがあります。
ボディ前面の部分……なんという名称を使えばいいのかわかりませんが、この部分は小説、ゲーム、そして今回の劇場版でカラーリングが変わっているところですね。劇場版は白ですが他のメディアでは青で塗られている画像もありますから塗装される方は腕の見せ所になりますね。
腕部を組み立てる。Ξガンダムの特徴である巨大な腕は桁違いのパワーを感じさせる
腕部の作りはHG準拠のオーソドックスなつくりとなっています。ただ、それが一回りか二回りほど“大きい”というのがΞガンダムの特徴として上げられます。ペーネロペー同様質実剛健な作りで関節も大きく、外装をガイドにして剛性も確保しています。なによりパーツが大きいので実は作業がしやすいのも嬉しいポイントではないでしょうか。
肘関節の2重ロールも肩と前腕の2カ所ですばらしいのですが可動範囲はデザインの影響もあってあまり広くはない印象で、全て組み上がるとさらに制限がかかりそうです。そしてランナーチェックでも感じた平手の肉抜きは内側になる部分ではあるもののやはり気になりますね。指の外側の一段落ちくらいまで塞いでやれば一気に雰囲気がよくなりそうです。
脚部を組み立てる。νガンダムの意匠を感じながら開発系譜を想像する
重い機体を支えるためにも一段と太いシェイプの脚部になっています。ソールもフライト・フォームへの変形のために前部が折れる構造になっていますが、残念ながら左右に生えているブレード状のパーツは回転させられずに付け替え作業が必要になります。アキレス腱の部分にあるバーニアノズルが外れやすいので場合によっては接着してしまってもいいですね。
マッシブなデザインながら膝関節は180度曲げることができます。脛部は全体的にνガンダム的なデザインと色使いになっていてモビルスーツの開発系譜を感じることができます。設計でもフレーム構造にしていない点もペーネロペーと同様で軽量化と組み立ての簡略化にも寄与していると思われ、これは価格抑制にもつながりますね。膝裏も裏打ちされているなど満足度の高い脚部となっています。
腰部を組み立てる。巨大なボディと四肢を支えるために太く頑強なつくりになっている
巨大で重量のあるボディと四肢を支えるため股間のパーツがとても太く大きいものになっています。さらにスタンドを接続するための接続ガイドもだいぶ大きいもの(※ペーネロペーと同様です)となっています。前後のアーマー裏も裏打ちされて重量感もたっぷりです。この裏打ちパーツにミサイルのモールドがありますが、劇中でどのように描かれるか楽しみになります。組立説明書に前後アーマーは中央の軸を切り離すように指示されていますのでそのようにしました。この時の背徳感がちょっと好きです。
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