レビュー
「Figure-rise Standard トライチェイサー2000」レビュー
繊細な造形美と仮面ライダーとの一体感が楽しめる
2021年11月15日 00:00
- 【Figure-rise Standard トライチェイサー2000】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:2021年10月30日
- 価格:3,960円(税込)
- ジャンル:プラモデル
- サイズ:全長約185mm
BANDAI SPIRITSより「Figure-rise Standard トライチェイサー2000」が10月30日に発売された。
本商品はBANDAI SPIRITSのキャラクタープラモデルシリーズ「Figure-rise Standard」の「仮面ライダー」シリーズの中で初となるオートバイプラモ。「仮面ライダー」では馴染み深いオートバイだが、これまでBANDAI SPIRITSでは「オートバイのプラモデル」はなかった。
そして、満を持して登場したのが、平成仮面ライダー最初の作品「仮面ライダークウガ」が乗る「トライチェイサー2000」だ。
気になるのは、「プラモデル」ならではの作りごたえや造形、そして色分けだ。完成品フィギュアでも発売された「トライチェイサー2000」のキット化だけに、その期待値は大きい。
また、別売りの「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ マイティフォーム」合わせた時のサイズ感やプレイバリューも重要だ。今回はその魅力に迫っていく
「仮面ライダークウガ」で活躍した「トライチェイサー2000」
「トライチェイサー2000」は2000年に放送された特撮テレビドラマ「仮面ライダークウガ」に登場。都市用特殊白バイとして警視庁が開発した新型オートバイの試作マシンだ。
第4話にて、協力者である一条薫刑事より仮面ライダークウガこと五代雄介に託され、敵である未確認生命体(グロンギ)との戦いで活躍してきた。
劇中では敵とのカーチェイスの他にも、悪路でのアクロバットなど「仮面ライダー」シリーズ屈指のバイクアクションを展開した。廃車の上を走り、階段を駆け上り、細い足場で車体を反転させるなど激しいアクションに筆者は度肝を抜かれた。
他にも「仮面ライダークウガ」をサポートする「ゴウラム」との合体や物語が進むにつれて改良が加えられる細かい描写も見どころだ。
躍動感満載のパッケージ。こだわりのランナー成型色
パッケージを確認。パッケージは第27話にて登場した敵、ゴ・ダバー・バとの戦いのシーンが描かれている。
パッケージ内にはランナーが5枚、タイヤの軟質パーツ2つ、取扱説明書が封入。さらに、シールとマーキングシール、スプリングとリード線が入っている。リード線の長さは約230mm。
ランナーは多色成型のものやゴールドメッキのものがあり、細かい色分けがされている。
パーツ数は抑えられ、初心者にも組み立てやすい印象となっている。
筆者が気になるのは、スプリングとリード線。スケールモデルを作った経験がほとんどないため、リアリティを引き出すパーツだと理解しながらも「どう組み立てるのか?」に興味が湧いた。
では、組み立て工程を見ていこう。
サクサク組み立てでリアリティある内部構造を作る
組み立ては接着剤を必要としないスナップフィットモデル。
最初に組み立てるのはエンジン部位。エンジンは鉄色のパーツで形成され、メカニック感の強い色合いとなっている。また、造形も細かく作りこまれている。
続いてエンジンからリア・タイアに動力を伝えるスイングアーム部位を作成。チェーンの蛇腹型の造形再現やそれを保護するカバーで形成されている。
カバー部分はシールで色分けされている。
次にリアタイヤを作成。タイヤの基部はスポーク部分とゴールドメッキの内枠を合わせて作成する。スポークの重なりでリアリティある造形が再現されている。
また、太めのタイヤによって実際のオートバイのような安定感や構造が再現されている。
ここから、エンジンを覆うフレームを組み立てる。フレームにはシールによる色分けを施し、劇中に近いカラーリングを再現する。
スプリングは衝撃を吸収するサスペンションが再現されている。
ここでリード線を使う。リード線はブレーキワイヤーとして使用する。約100mmにリード線を分け、エンジン部位の左側面に先端を差し込んで、もう片方をハンドル側へ配置させる。
続いてフロントタイヤを作成。構造はリアタイヤと同じだが、フロント側はタイヤ幅が細めで基部が少し大きめとなっている。
フロントタイヤを支えるフロントフォークはシルバーの成型色で、左側にリード線を仕込む構成となっている。リード線はあまりのものから約125mm使用する。
フロントフォークとタイヤを繋ぐ軸にリード線を巻き付けて固定するため、ピンセットやラジオペンチを使うのがオススメだ。
ここまでで6割ほどの完成具合。筆者はオートバイの形になってきた喜びとその造形の細やかさに舌を巻いた。スナップフィットの簡単な作業工程とシールによる色分けで、組み立てを進めるほどに楽しさがこみあげてくる。
そして、現実感あるオートバイの構造が魅力的に表現されている。
この先の組み立て工程では、現実感を内包したフレームから特撮作品らしいカッコ良さ全開のシルエットを形成するパーツが多くなってくる。
©石森プロ・東映