レビュー
「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」レビュー
西部劇風早撃ちも可能! 軽快なハンマー操作と実射性を両立
2022年4月19日 00:00
- 【SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック】
- 4月19日発売
- 価格:14,080円(税込)
- 全長:285mm
- 重量:435g(空のカートリッジをセットした場合)
- 装弾数:6発
- 弾丸:6mm BB(0.12~0.2g)
東京マルイは4月19日にエアーコッキングガン「【エアーリボルバー プロ】SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」を発売した。
エアーコッキングガンは空気を圧縮し弾を撃ち出すタイプのトイガンで、ガスガンや電動ガンのようにパワーソースを必要としない。空気を圧縮するのにかなり力が必要となる製品も多いが、「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」はハンマーを起こすだけで弾を発射するエネルギーを確保できる、軽快な動作が大きなセールスポイントだ。
そしてSAA(シングルアクションアーミー)というモチーフが魅力だ。SAAは「西部劇の銃」として知られ、映画やテレビドラマにも数多く登場し、現代でも根強い人気がある。今回、「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」のサンプルを借り、発売前に触れることができた。筆者は個人的に西部劇グッズを集めており世界観に浸って遊んでみた。
こだわりの外観と、最新メカニズムで高い実射性を併せ持つSAAトイガンの決定版
最初にモチーフとなる実銃を簡単に紹介したい。「コルト シングルアクションアーミー(SAA)」は1873年に生産が始まり、アメリカ陸軍にM1873として制式採用された。SAAは様々なバリエーションがあり、「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」のモチーフとなったタイプは.45口径の「ロングコルト弾」という強力なカートリッジを使用するタイプ。
「アーティラリー」はバレル長が5.5インチの"砲兵向け"に生まれた。SAA.45の民間モデルはアーティラリーよりバレルが短い4.75インチモデルの「シビリアン」は、広く使われた。また、「ウインチェスターM1873ライフル」と同じ弾を使えるタイプも多く使われ、ウィンチェスターM1873と共に「西部を征した銃」とも呼ばれている。「ピースメーカー」という通称も有名だ。
SAAは昔のドラマや映画で多く登場する銃なだけに現代でも人気が高い。開拓時代から続くアメリカ・テキサス州の法執行官「テキサス・レンジャー」ではSAAを好んで使う者もいるという。西部劇のショーで欠かせない銃であり、日本ではSAAのモデルガンでのガンプレイや早撃ち大会も行なわれている。ゲーム「メタルギアソリッド」の重要人物の1人「リボルバー・オセロット」が好んで使う銃として印象に残っている人もいるだろう。
今回紹介する東京マルイの「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」は、1956年から1974年にかけて7万丁生産された「2ndジェネレーション」を再現している。SAAは現在4thジェネレーションとなっているが、完成度の高さで評価が高く、オークションで高価で取引されているのは2ndジェネレーションとのことだ。
ここでまず製品のパッケージにも触れておきたい。「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」のパッケージは外箱のデザインも凝っているが、内箱が布張りになっている。ちょっとアンティークな雰囲気もあり、SAAによく似合う。こういうこだわりもうれしいところだ。
より細かく製品を見ていこう「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」は6連発のリボルバーだ。「コルトパイソン」や「S&W M29」と比べると細見のシルエットに見える。それはシリンダーに「スイングアウト」の機能がないというところも影響しているだろう。リボルバー型拳銃はシリンダーを銃側面に移動させることでシリンダー内部の弾丸を一気に交換することができるが、SAAはそういった機構がない。スイングアウト式の「コルト・M1889ネービ」が登場するのはSAA誕生から25年以上後になる。設計はもちろん、部品の素材強度的にもスイングアウト式は難しかった時代なのだ。
SAAの弾丸の装填はハンマーを半分まで起こす「ハーフコック」にすることでシリンダーがロックされずに回転できるようになる。このハーフコック状態でローディングゲートを開くことで給弾できる。なお、弾を装填しきった場合、ハンマーをフルコックして射撃可能な状態にすることで準備完了になる。
「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」では実銃にはない「セフティ」をかけることでハンマーを起こした状態での保持が可能だ。セイフティはネジの形のボタンになっており、元のデザインに影響しない工夫がされている。指でハンマーを戻す「指デコ(デコッキング)」は推奨されていない。暴発や、弾が2発装填されてしまう可能性があるためだ。
エアコッキングガンはハンマーを起こしたり、自動拳銃モチーフだとスライドを動かして空気を圧縮させるが、充分な弾速を出すためこの動作にかなり力が必要な製品が多い。「SAA.45 アーティラリー 5-1/2インチ ブラック」は10歳以上対象商品となっており、18歳以上のエアソフトガンと比べ初速は抑えめになっているが、ハンマーはかなり楽に起こすことができる。片手で親指を使ってしっかり起こせるので、ホルスターから銃を引き抜きながらハンマーを起こし、腰だめで撃つ「早撃ち」や、引き金を引いたまま、もう片方の手でハンマーを起こす「ファニングショット」のような"西部劇アクション"もできるのが大きなセールスポイントなのだ。
それでいて「しっかり飛び、当たる」ところが本製品の最大のウリだ。リボルバータイプのエアソフトガンはBB弾をセットする薬室を密閉することが難しく射撃性能が低くなる製品も多いようだが、本製品はメカニズムの詰まったカートリッジに秘密がある。このカートリッジの内部機構でしっかりエアーを送り込むことで、安定した飛距離と弾道を実現している。さらにホップアップを調整することで飛距離を伸ばすことができる。こちらは専用の治具を使い調整可能だ。
次ページでは射撃シーンを紹介したい。しっかり飛び、当たる様子を見せると共に、ハンマーをもう片方の手で動かす「ファニングショット」も試してみた。