レビュー

ガンプラ「HG 1/144 ジム/ジムII/ジムIII セット」レビュー

一年戦争中、RX計画から生まれたガンダムの量産タイプ「RGM-79 ジム」

 「RGM-79 ジム」はガンダム・ガンキャノン・ガンタンクをはじめとした“RX計画”と呼ばれる地球連邦軍のモビルスーツ開発計画のロードマップ上に存在し、戦闘で勝つために必然な“量で圧倒”するために開発が急がれていた量産型モビルスーツです。

 ジムを開発するにあたり、まさに実戦を繰り返してきたホワイトベース隊のアムロ・レイ曹長が担当する「RX-78 ガンダム」をベースとすることでそれに搭載される“教育型コンピューター”が学習したこれまでの戦闘データをもとに基礎設計が行われたことでジオンより10年遅れているといわれた当初の開発想定スペックから相当なレベルに引き上げられたものと思われます。

【ジム|昼MS【ガンチャン】】

 特に、戦闘してきた相手がジオン公国軍エースパイロットのシャア・アズナブル率いる部隊であったこと、それを撃退あるいは回避するなどして(ガンダムそのものが持つ能力の高さがあったにせよ)かなり有効な戦闘のケーススタディ・データを持ち込めたものと推察されます。

 量産型ということで“安価に大量に作る”必要があるジムはガンダムと似たような形状のパーツを随所に採用。部材や製法、基準はガンダムに及ばないもののその設計ゆえ大量生産を可能とし、一年戦争後期の激化する戦場ではその物量でジオン公国軍を圧倒。地球連邦軍を勝利に導きました。

 それではガンプラ「HGUC 1/144 RGM-79 ジム」を組んでいきましょう。そもそもこのキットは2001年に発売開始されたHGUCシリーズ初期を代表するガンプラです。新設計となった新時代のガンプラを体現したこのジムはカラフルなパーツ割りと新たな設計手法によって可動性能を格段にアップさせていました。

【組立:ジム(脚部)】
当時画期的だった軸と関節カバーパーツの採用、関節軸の新設計で作って遊んで楽しいガンプラという想い出が蘇ります
装甲内にポリパーツを組み込んでいきます
大腿部と脛下を関節カバーパーツでディテールアップと関節部塗装にも対応!
現在のENTRY GRADE的にさくっと組み上がります
膝関節を曲げてもメカディテールが露出することでリアリティが増します
【組立:ジム(胸部)】
胸部ダクトの別パーツ化、カラフルなパーツ分割でジムのボディを再現
ボディ内部にポリパーツを組み込みます
首部のポリパーツの回転軸は使わずに固定、大胆な設計です
コクピットハッチ部のブラックはシールで再現します
【組立:ジム(腕部)】
脚部同様、現在のHGシリーズにつながる組みやすさを考慮したフレーム構造の“はしり”ともいうべき設計が垣間見えます
ポリパーツを装甲内に組み込み、張り合わせます
こちらも関節部にはポリパーツをカバーするパーツがあります
豊富なハンドパーツが用意されるようになった時期のガンプラでもありますね
【組立:ジム(腰部)】
このころからだいぶ定型になりつつあった腰部のパーツ割り。とくにガンダムタイプは前後左右の装甲の設計が共通になっていました
左右にポリパーツ、前装甲も若干の上下スイング可動ができます
脚部を組み込んで……
左右の装甲を組付けます
【組立:ジム(頭部・ランドセル・肩装甲他)】
頭部は3パーツ、1ピースで成型された肩装甲は当時驚きました
大胆な頭部構造。内部メカはなくクリアーパーツで中は中空なのでクリアーパーツ裏を塗って表現する方法がありました
よく見るとクリアーパーツ内が透けているのがわかりますね
白いランドセルの左側にのみビーム・サーベルラックがあります
ジム本体をアセンブルします
作りやすいですね!あっという間に組み上がります
【組立:ジム(装備)】
装備はビーム・スプレー・ガン、ビーム刃が付いたビーム・サーベル、シールドとなります
シールドはガンダムと同じ形状です
基部にポリパーツを組み込んでマウントのボールジョイントを受け止めます
ビーム・スプレー・ガンは3ピース構造、専用のハンドパーツが付属します
ビーム・サーベルにはランドセル装備用と使用状態のものが付属します