レビュー

ガンプラ「HG 1/144 ジム/ジムII/ジムIII セット」レビュー

地球連邦軍を勝利に導いたジムの直系の後継機「RMS-179 ジムII」

 「RMS-179 ジムII」は一年戦争後のU.C.0080年代に「連邦軍再建計画」によって大戦中に大量生産されたジムを有効活用かつバージョンアップを進めて開発されたまさにジムの直系の後継機となる機体。U.C.0083(機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー)に登場した「RGM-79N ジム・カスタム」は高性能化を極めた機種であったがゆえ多くの機体を用意することはできずコストパフォーマンスのよい機種を開発することになりました。

【ジムII|昼MS【ガンチャン】】

 そういった経緯もあり初代ジムをベースとすることで量産性に優れながらも時代に合わせて各部装備や性能をアップさせています。頭部のセンサー類の強化、ランドセルのノズルは4発仕様、肩部アーマーには姿勢制御スラスター、脚部のいわゆる“ふくらはぎ”部には3基ずつスラスターが用意され高出力・高機動化がはかられています。ジムIIは地球連邦軍と反地球連邦組織A.E.U.G.(エゥーゴ)両勢力で運用されました。

 U.C.0087(機動戦士Zガンダム)年代ではすでに実戦配備されていて初代ジムを彷彿とさせる赤いボディが地球連邦軍仕様、緑のボディがエゥーゴ仕様となりますが、すでに旧式となりつつあったジムIIを運用するエゥーゴは早々に「RMS-099 リック・ディアス」の次世代機としてムーバブル・フレームを採用する「MSA-003 ネモ」を開発、次第に機種転換を行っていくことになります。

 ガンプラとしてのジムIIは実は次に紹介するジムIIIのあとに発売されたこともあってジムIIIのバリエーションキット的な様相を呈しています。そのためAランナーはほぼ共通で脚部、胸部、腰部、ポリパーツなど同じパーツで構成されていることがわかります。

 キットは初代ジムから約10年後に発売されたこともあり、HGシリーズのかんたん組立を継承しながら簡易フレーム的ディテールや可動性能が付加されていくところも感じられるのでこのセットを組んでみると“ガンプラの進化の歴史”も感じられて楽しいと思います。

【組立:ジムII(ボディ・頭部・ランドセル)】
初代ジムの構造を踏襲しつつ、パワーアップしている装備を組めます
初代ジムは胸部から肩の軸が出ていましたが、ジムIIではポリパーツでスイング可動もできるようになりました
コクピットハッチもカラーパーツで再現、腹部には大きなボールジョイント受けが設計されています
頭部はメカディテールがモールドされ、クリアーパーツで覆います
メカディテールはメタリックカラーで塗るとディテールもりもりになりそうです
ランドセルはノズル4発!ビーム・サーベル基部は左に1つ
基部はぐらつかない設計です
ジムII用の強化ランドセルがいいバランスです
【組立:ジムII(腕部)】
段々とHGにもフレーム的構造が取り入れられた時代を感じられます
前腕にはポリパーツを組み込みますが、肘関節は簡易フレーム構造!
構成要素を縦に組み上げると……
ジムIIの腕部完成!
ジムの進化のようにどんどん可動性能が上がっていくのを感じられます
【組立:ジムII(脚部)】
脚部も腕部同様に簡易フレーム構造を実装!
当時、特に足首とソール、脛の構造には驚かされました
ボールジョイントの受けを組み込んだ足首メカはつま先可動的な構造のソールに組み込まれます
大腿部と……
膝関節もフレーム的な構造と、パイピングなどのディテールが楽しい
股関節接続ブロックもロール回転するようになり、一段上の可動性能を獲得しました
足首周りの可動性能で設置性能も格段に上がりました
すごい可動性能!
【組立:ジムII(腰部)】
腰部は培われた技術と実績のある構成となっており、組みやすさもピカイチです
リア側のパーツに左右装甲用、中央に股関節用ポリパーツを組み込みます
ボディとの接続に大きなボールジョイントのポリパーツが用意されます
これはいいアイデアでした!脚部を接続した股関節は腰部中央で左右にスイングする機構です
ジムII本体完成!
【組立:ジムII(装備・ハンド)】
シールドは初代ジムからつながる同じデザイン
腕部との接続基部にポリパーツを組み込みます
接続フレーム自体は簡略化され、前腕に対して90度切り替えて接続できます
フォアグリップを備え若干大型化されたビーム・ライフルに進化
専用のハンドパーツが付きます
クリアーのビーム・サーベルを装備
このセットにはジムIIIに付属していたハンドパーツがジムII用にボーナスパーツとして付属しています!
平手と、ディテールたっぷりの握りこぶし
握りこぶしは親指が別パーツになることでハイディテールな表情が出せます