レビュー

「HG 1/100 YF-29 デュランダルバルキリーフルセットパック」レビュー

マクシミリアン・ジーナス機

差替えによる変形で可能となった各パーツの細かなディテール

 「YF-29 デュランダルバルキリー(マクシミリアン・ジーナス機)」は、3段変形をパーツの差替えによってそのシークエンスを簡略化しつつ、各形態のプロポーションやディテールを追求したキットとなっている。

 組み立ての工程はバトロイドからとなる。まずは、バトロイド形態の頭部の組み立てを見ていこう。

 頭部のアンテナはもちろん、バイザー部分も成形色で色分けされ劇中に近いイメージで組み立てることができる。バイザーの鮮やかな配色までしっかり表現され、スタイリッシュな表情となっている。

 次に胸部パーツはグレーを基調としたフレームカラーで構成されている。スマートな外観ながら、肩や首、胴体の可動がしっかりと組み込まれている。

 そして、マーキングシールで色分けが施され、肩や正面のエンブレムが表現されている。

細かなパーツ分けで肩や胴体と柔軟な可動部分が盛り込まれている
細かな色分けはマーキングシールで表現。極薄ながらしっかりと色の表現が出ている

 正面のカバーパーツは、全形態で使用される。多色成型で色分けされ、クリアパーツで表現されたフォールドクォーツも中に細かいモールドが施されている。

マーキングシールでホワイトのラインが追加される。

 胸部とカバーパーツを合わせれば、バトロイドの胸部パーツが完成する。

 続いて胴体部分。バトロイドではファイター、ガウォーク時の機首が収納され、腹部となっている。細身の造形やキャノピー、カナード翼も再現されている。

 キャノピーやその内部のコックピットはバトロイド形態では目立たない箇所だが、ここにもマーキングシールが施され徹底した色分け表現が伺える。特にコックピット内のディスプレイシールもあり、可変戦闘機としての表現へのこだわりが感じられる。

胸部への接続口など差し替えだからこそできる可動部などが見える。それでも機首の造形もしっかり表現されている
コックピット内にはディスプレイシール
キャノピーの外縁をなぞるような黒のラインもシールで表現

 胸部パーツと胴体パーツを合わせると逆三角形のスマートで美しい胴体が露わになってくる。

 腕部はモナカ方式で肘関節を挟み込んで、外装部分を被せていく構造となっている。色分けはもちろんだが、細かいなモールド表現や「YF-29 デュランダルバルキリー」の標準装備である機関砲の造形も再現されている。

細身の腕部が再現されている
肘関節もしっかり可動

 肩部分は関節をアーマー部分に入れ込む形となっている。もちろん、マイクロミサイルランチャーとして機能も再現されている。

 合わせて手首パーツは手甲部分を被せて完成する。

アーマー内部のマイクロミサイルランチャーも造形され、開閉ギミックも搭載されている。組み立て構造は左右共通となっている
黄色のラインはマーキングシールで表現

 次に左腕部に装備するシールド。こちらはアサルトナイフを収納する機構も備わっている。また、スーパーパーツ装着時の追加装甲は重ねるだけの簡単な仕組みで、脱着も可能。

シールド内側にアサルトナイフの収納機構を備えている
青のラインはマーキングシールを施して色分け

 腕部、肩部、シールドを合わせて両腕が完成。滑らかな外装のラインなどスマートで、美しいデザインとなっている。

 続く腰部パーツは、各形態で使用するパーツとなっており、胴体、両脚部の接続口が設けられている。黒の枠線部分もパーツ分けで表現されている。

 中央部分の細かい色分けはマーキングシールで表現されている。

 脚部パーツの組み立ては、まず足首から入る。こちらは細かくパーツ分けされ、バトロイド、ガウォーク時のしっかりと地に足が付く状態からファイター時におけるノズルの絞った形状を表現するための可動が随所に組み込まれている。

細かなパーツ分けで足先、踵の可動を確保。アーマー部分もしっかりと色分け再現されている
アーマー部分は黒のマーキングシールで色分け表現が入る

 メインエンジン部分となる脚部は多くのパーツで構成されている。色分けもさることながら、足首の伸縮や膝などの可動部、さらにマイクロミサイルランチャーと豊富なギミックを搭載している。

 そして、エアインテークなどの内部メカ表現もしっかりと再現され、濃密な造形美を獲得している。

細かなパーツ分けで可動、ギミックを備えながら、細身の脚部造形を再現
細かい色分けはマーキングシールで再現
バトロイド時の膝関節可動
側面に装備されたマイクロミサイルランチャーは開閉ギミックを搭載

 ここまで組み立てたパーツを合わせることで「YF-29 デュランダルバルキリー」のバトロイド形態の胴体が完成する。

 続いて主翼パーツを見ていこう。主翼は左右で同じ組み立て工程となっている。

 特徴的な前進翼に外翼のエンジンポッドの造形に加え、伸縮機構も備わっている。伸縮機構は支柱を使用したスライド方式となっているが、主翼の厚みを抑えつつ外観もすっきりしたものとなっている。

マックスが所属する「ケイオス」のマーキングや外縁部分などはマーキングシールで再現されている

 左右の主翼ができたところで中央部を合わせて組み立てていく。こちらはMDEビーム砲の展開ギミック備え、主翼の角度調整も備わっている。

 組み上げると巨大な剣の鍔のような鋭角なデザインが完成し、「YF-29 デュランダルバルキリー」を象徴する造形が再現されている

 マーキングシールではマックスのパーソナルマークを施すが、こちらはMDEビーム砲の展開に合わせてシールも分割構造となっている。ビーム砲を支える基部が機体に収まるため、シールによって収まらないのではないかと不安であった。

 しかし、シールを貼った状態でもすんなりと収納状態にすることができる。また、展開した際のシールの擦れもほとんどない。さらに分割シールによるシール間の隙間も気にならないほど、一体感あるデザインが再現されている。

 そして、胴体部と接続することでバトロイド形態が完成する。

 「YF-29 デュランダルバルキリー」に装着するスーパーパーツは、外翼にかぶせるための追加マイクロミサイルランチャーとエンジンポッドの増槽となっている。

 外翼につけるスーパーパーツは複雑な形状にながら組み立ては挟み込む簡単な構造で組み立てやすい。また、マイクロミサイルランチャーの開閉は別パーツとの差し替えによって再現することができる。

 追加のブースターはノズルの伸縮機能を備え、組み立てはノズル部分と連携部を外装で挟み込む形となる。

 スーパーパーツまで完成したら、次は各種武装を組み立てていく。

 アサルトナイフはランナーから切り離して完成となり、シールド内側に収納することができる。

アサルトナイフはシールド内側の収納スペースに入れることができる

 ビームガンポッドは通常のビームガトリング、重粒子ビーム砲時はパーツ位置を変更して再現できる。また、専用の握り手があり、こちらを使用してバトロイド、ガウォーク形態では腕部に持たせることができる。

通常のビームガトリング状態
重粒子ビーム砲時は銃身が伸長、展開する形状をパーツ位置を変更して再現

 次はガウォーク、ファイター形態に使用する機首パーツ。こちらはエッジの効いたラインが再現され、クリアグリーンのパーツも使用され、鮮やかな雰囲気が増している。バトロイドの胴体同様コックピット内、キャノピーのマーキングシールに加え、側面部のラインも追加されディテールアップされている。

マーキングシールでディテールアップ

 そして、収納状態の頭部は別パーツで表現され、こちらは簡略化されたデザインにマーキングシールで再現されている。

収納状態の頭部は簡略化された頭部にアンテナパーツを付ける
細かなディテールはマーキングシールで表現

 次にファイター形態で使用する胴体パーツ。こちらはランナーから切り離してマーキングシールを貼るだけとなっている。

 その他、ランディングギア、大出力フォールド・ウェーブ・プロジェクターの展開パーツを組み立てる。

ファイター形態時のランディングギア
大出力フォールド・ウェーブ・プロジェクターの展開パーツ

 最後に専用台座を組み立てて完成だ。

 組み立て工程を紹介したところで、完成した「HG 1/100 YF-29 デュランダルバルキリー(マクシミリアン・ジーナス機)フルセットパック」の各形態を見ていこう。