レビュー

モデルガン「プロテクター パームピストル」レビュー

コネティ加藤氏、「プロテクター パームピストル」メールインタビュー

 今回、レビューに加え、開発者のこだわりポイントをピックアップすべくハートフォード代表のコネティ加藤氏にメールインタビューを行った。独特の機構をモデルガンでいかに再現するか、加藤氏自身のパームピストルへの想いなどを感じて欲しい。

――「プロテクターパームピストル」をモチーフとした大きな理由、この銃に魅力を感じた部分はどこですか?

加藤氏:製造が1890年代ということで銃自体にウェスタンの香りが残っていること。それとやはり特異な形状、外観、メカニズムですね。懐中時計を意識して製作されていますがそのソフトさと銃というハードなものの落差にとてもインパクトありました。

ハートフォード代表コネティ加藤氏。写真は2021年の「戦士の銃」のインタビュー時のもの

――商品化にあたり、苦労した箇所はどこでしょうか?

加藤氏:可動させるメカニズムです。ハンマー・コック、シリンダーの回転、レットオフ、シリンダーのストップなど一連の動作がそれぞれシンクロしなければ快調な動きにならないわけでハンマーをコックする為のシアー部のサイズや形状に苦労しました。

 レーザーカットのパーツが増えた理由はそこです。金型製作していたら修正(形状、サイズ)が簡単に出来ませんからね。そういった意味ではとてもお金がかかった製品です。

――特にユーザーに注目して欲しい商品ポイントは?

加藤氏:銃の歴史においてこのような特異な銃が存在したことを知ってもらいたいのとぜひそのものとメカニズムに興味を持って手に取って頂きたいと思います。

モデルガンは発火できるのが楽しいポイント。7mm火薬は音も大きく、小さなボディで迫力の発火ができる

――最後にユーザーへのメッセージをお願いします。

加藤氏:当社は設立当初より古き良きアーリーアメリカン、西部開拓時代の銃の再現に取り組んできました。「コルトシングルアクションアーミー45」通称ピースメーカー、「コルト・パターソン」、「コルト・ウォーカー」、「コルト・ドラグーン」などなど立体化してきました。次回作の「コルト・ライトニング」しかりです。これらは上質なお部屋のインテリア品としてコレクション頂けることを願っています。

――ありがとうございました。

背景布で銃に世界観を持たせる、ユニークなこの銃を手にして欲しい!

 最後は布を敷いて写真を撮っていこう。ハンドガンは撮影ブースでも写真が撮りやすいし、背景に布を置くだけで世界観が生まれて、楽しい。「プロテクター パームピストル」は懐中時計のような使い方を想定していたということで、鎖も付けてみた。

 実銃は鎖を付けてポケットの中に入れて持ち運んでいたいたのだろうか? わざと見せて脅しに使うこともあっただろうし、銃に見えない外見から隠して所持し暗殺に使ったり、ポーカーなどのギャンブルでいかさまを見つけたとき、もしくはばれたときに逃げるために使用したかもしれない。「プロテクター パームピストル」の小ささと特異な外見は様々な想像を可能にする。

懐中時計用の鎖を付けてみた
コルトシングルアクションアーミーと一緒に
黒い布の上に
英字新聞柄の布
フェイクレザー

 モデルガン「プロテクター パームピストル」は魅力的な商品だ。変わった銃が好きという人はもちろん、この形やコンセプトに魅力を感じた人も手にして欲しいと思う。銃が進化していく過程で登場した特異な銃である。

 この銃を持つ人はどんな人だろう? 19世紀のギャンブラーが懐刀として所持していただろうか? 裕福な商品が護身用として購入しただろうか。19世紀の銃を現代持っている人がいたら、その人はどんな理由でこれを持っているのか?

 「プロテクター パームピストル」は独特のカッコ良さがある。コスプレでのキャラクター性の強化にも面白いかもしれない。この銃は隠し武器としてぴったりだ。特に開拓時代の終焉時期のキャラクターのコスプレには相性が良い。例えばギャンブラーの隠し武器や、ガンマンの予備の銃といったシチュエーションはどうだろう。

 一方でリロードはしにくいので撃ちまくる状況には合わない。この銃を両手に持って映画「リベリオン」の銃を持った格闘技「ガン・カタ」のように使うというのは、かなりぶっ飛んだキャラクターになるだろう。オリジナル世界観でのコスプレの小道具としても、かなりロマンをかき立てるアイテムだと思う。

 何よりも歴史に埋もれていたこの銃を、現代においてモデルガンとして商品化したハートフォードに拍手を送りたい。皆さんも手に取ってみてはいかがだろうか?