レビュー
プラモデル「頭文字D 拓海のハチロク」、「頭文字D 啓介のFD」レビュー
2023年12月14日 00:00
しげの氏の描き文字と流線で世界に引き込むペーパークラフトジオラマ
11月30日に発売された「頭文字D 拓海のハチロク」、「頭文字D 啓介のFD」には初回特典として、「つながる!『峠』ジオラマペーパークラフト」が付属している。このペーパークラフトは「頭文字D」ファンにはたまらない特典なのだ。
ペーパークラフトの内容は道路と背景を描いたシートと、組立式のガードレールで構成されている。組み立て説明書を兼ねた用紙からガードレールを切り出し、ノリやボンドで貼り付ければ完成だ。
楽しいのは背景、道路、そしてガードレールすべてがしげの氏のマンガそのままのデザインなところ。組み立ててプラモデルを置けば、一気に「頭文字D」の世界のジオラマになるのだ。
しかも2つ繋げることで作中ならではの急カーブが表現できるのである! 今回は様々なアングルとクルマの位置を変えて撮影してみた。道路に対して真横になってしまうような激しいドリフトや、内側の溝に引っかけて強引にカーブを曲がる拓海の必殺技「溝落とし」も意識して配置してみた。こだわったアングルで撮りたくなる仕掛けだ。
拓海と啓介の2つのクルマがあるならば再現する作中シーンは初めての対決だろう。秋名山の走り屋には腕の立つものがいない、出てきたのは時代遅れのハチロク、と侮っていたギャラリーを拓海のハチロクの走りが変えていく。
啓介のFDが直線で引き離してもハチロクの脅威のコーナーワークが徐々に追い詰めていく。そして5連続のヘアピンカーブ、拓海はオーバースピードでカーブに突っ込み、本来曲がれないカーブを内側の溝に前輪を引っかけて強引に曲がる「溝落とし」を使い、啓介の前に出て、勝利する。秋名を知り尽くしており、常人にない発想とそれを実現できるドライビングテクニックを持った拓海の実力がまざまざと高橋兄弟や走り屋達に刻まれた瞬間だ。
この勝利が拓海を走り屋の世界へと導いていく。ある意味で「頭文字D」という作品のスタートを印象づけたシーンと言える。2つのプラモデルと「つながる!『峠』ジオラマペーパークラフト」があれば、劇中のシーンも再現可能なのだ。
「頭文字D 拓海のハチロク」、「頭文字D 啓介のFD」は「頭文字D」ファンにはたまらない商品だ。ぜひ手に取って欲しい。何より初回特典の「つながる!『峠』ジオラマペーパークラフト」は大きな魅力だ。他のクルマを置くだけで、「頭文字D」の世界が広がる。このペーパークラフトを使って様々な対決シーンを追求することも良いだろう。
さらにアオシマの「つながる!ジオラマペーパークラフト」キャンペーンは「頭文字D」で終わらない。12月の「ランボルギーニ カウンタック LPI 800-4(初回生産分)」、「ランボルギーニ カウンタック LP400(初回生産分)」、2024年1月発売の「トヨタ GR 86(初回生産分)」では「つながる!『石畳』ジオラマペーパークラフト」が付属するのだ。こちらもぜひチェックして欲しい。
(C)しげの秀一/講談社