レビュー

「トミカプレミアムunlimited 08 ヱヴァンゲリヲン新劇場版 アルピーヌ ルノー A310(葛城ミサト)」レビュー

【トミカプレミアムunlimited 08 ヱヴァンゲリヲン新劇場版 アルピーヌ ルノー A310(葛󠄀城ミサト)】

2025年2月15日発売

価格:1,320円

全長:約70mm

 映画やドラマ、コミックといったさまざまなシーンに登場し、その魅力あふれる活躍が鮮烈に思い出されるクルマを、造形や細部に渡る塗装で最大限に再現したトミカ、それが「トミカプレミアムunlimited」だ。そのシリーズ最新作が「トミカプレミアムunlimited 08 ヱヴァンゲリヲン新劇場版 アルピーヌ ルノー A310(葛城ミサト)」である。

 「トミカプレミアムunlimited 08 ヱヴァンゲリヲン新劇場版 アルピーヌ ルノー A310(葛城ミサト)(以下、トミカプレミアムunlimited アルピーヌ ルノー A310)」は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序」に登場する車がモチーフ。葛城ミサトが第3新東京市に来た碇シンジを出迎えるために乗った車だ。

 アルピーヌ ルノー A310は1971年から1984年まで生産されたスポーツカー。レースにも参加できる高性能車種である。本商品ではこのベース車を改造した劇中の使用をしっかり再現されている。「トミカプレミアムunlimited アルピーヌ ルノー A310)」の魅力を紹介していこう。

ミサトのA310は、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序」だけでなく、TV版「新世紀エヴァンゲリオン」にも登場している。「シンジを迎えに来たミサトの車」として覚えているファンも多いだろう

劇場版「序」にて、印象的な活躍をしたミサトのA310

 商品の詳細に触れる前に、葛城ミサトのアルピーヌ ルノー A310の概要を紹介していこう。アルピーヌ ルノー A310はフランスの自動車メーカー・アルピーヌが、親会社のルノーのエンジンなどを使って生み出したスポーツカーだ。生産は1971年から1984年まで。アルピーヌはこの車の前にA110というスポーツカーを生み出しており、ラリーカーとして高い評価を受けた。A310はその後継として開発された。

 基本的な構成はA110を踏襲しながら、外観は大きく変わっている。特に前方のフロントライト回りが曲線の多かったA110に対し、鋭角的なマスクになっており、補助灯を含む6つの角形ライトが並んでいる。前期型はA110と同じ水冷直列4気筒のエンジンを搭載していたが、1976年のモデルからV型6気筒に変更されている。前期型はA110と同じエンジンだが内装が豪華になったため車体が重くなり、運動性がA110より劣るという評価もあった。V6エンジンになってからは、高い性能と独特のエンジン音でさらなる人気を得た。

パッケージ。ミサトと背景の風景で劇中の記憶がよみがえる

 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序」はTV版と違い時代設定は明かされていない(TV版は2015年と明示される)が、作中では近未来として描写されており、ミサトのA310もエンジンを電気式に置き換え、右ハンドルに改造されている。

 ミサトのA310は印象的な登場をする。主人公・碇シンジが3年間会っていなかった父・碇ゲンドウに呼び出され神奈川県の芦ノ湖北岸あたりに作られた第3新東京市にやってくる。しかし全く同じタイミングで巨大な謎の生命体・使徒が第3新東京市を襲う。迎えに来るはずの葛城ミサトへ電話も繋がらず、シンジは避難を考えるが、目の前に使徒が現れ、国連軍と激しい戦闘を始める。使徒が墜落した国連軍のVTOLを踏みつけ、その爆風にシンジが巻き込まれようとした瞬間、間一髪でミサトのA310がその爆風からシンジを守った。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序」

 シンジはA310に乗り、ミサトは使徒の足下からA310を避難させるが、国連軍はすさまじい破壊力を持つN2地雷の場所に使徒を誘い込み、起爆、A310は木の葉のように吹っ飛ばされてしまう。切り札だったN2地雷も使徒に効果がなく、国連軍は第3新東京市防衛をNERV(ネルフ)司令官・碇ゲンドウに一任する。その頃ミサトとシンジはA310をガムテープで補修、NERV本部に向かっていた……。

 このようにミサトのA310は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 序」のオープニング、シンジとミサトの出会いで重要な役割を果たす。この一件でA310は大破してしまうのだが、「作品に登場する実在の車」として、A310は視聴者の記憶に刻まれた。次章からはいよいよ「トミカプレミアムunlimited アルピーヌ ルノー A310)」を見ていこう。

電気エンジン搭載、右ハンドル車として生まれ変わった劇中のA310を再現

 まず、「トミカプレミアムunlimited アルピーヌ ルノー A310)」の全体を見ていこう。ミサトのA310は“後期型ボディに前期型ヘッドライトを組み合わせている”のも特徴だ。特にこのヘッドライト周辺は1970年代の車らしい角張った雰囲気が濃いようにも感じる。

 本来、A310のリアウィンドウは格子状のカバーに覆われているが、ミサトのA310はガラスウィンドウで内部が見えるようになっており、ここからバッテリー式の電気エンジンを見ることができる。

【全身】
前面。6つのライトが特徴的だ
側面、車内もしっかり再現されているのがわかる
背面、ナンバープレートもしっかり再現している

 ディテールを見よう。大きな特徴は6つのライトだ。中央の仕切りもしっかり再現しており、ヘッドライトの周辺はちょっとレトロフューチャーな雰囲気がある。6つのライトは未来的だが、全体の角張ったシルエットが1970年代的なのだ。

【ライト】
特徴的なライト。ミサトのA310後期型だが、ライト周辺は前期型のものとなっている
シルエットとしては1970年代のレトロな雰囲気がある

 車内をのぞき込むとレース仕様のシートが見える。本来A310は左ハンドル仕様なのだが、ミサトのA310は右ハンドル仕様になっているのが確認できる。フロントガラス用のエアコン「デフロスタ」はかなり大型のようで、フロントガラス越しに格子が見える。シートは体を包み込むようなレース仕様のもので、塗装で茶色の皮っぽい質感が再現されているのも楽しい。

【車内】
茶色のドライブシートがしっかり再現されている
かなりしっかりと表現されているデフロスタ

 リアウィンドウからはエンジンが見える。この銀色の部分は電気エンジンだ。オリジナルのA310はリアウィンドウはなく、格子状のカバーとなっているのでここが最大の違いと言えるだろう。ナンバープレートは「東2 ネ 33-10」。非常に細かいがきちんと印刷が判別できるのが楽しい。

【背面】
実車と異なりリアウィンドウがある。銀色に見えるのが電気エンジンだ
ナンバープレートもしっかり再現

 次章では色々なアングルで商品を撮ってみたい。

様々な角度からミサトのA310を見てみよう

 「トミカプレミアムunlimited アルピーヌ ルノー A310)」を色々な角度で撮ってみよう。トミカならではの精密さ、モチーフの面白さが改めて確認できる。

【色々なアングルで】

 「トミカプレミアムunlimited アルピーヌ ルノー A310」は「ヱヴァンゲリヲン」ファンにとって特に楽しいアイテムだ。外観のデザインだけでなく、改造車であるポイントもきちんと再現しており、手にすることで劇中世界に浸ることができる。ぜひ手にしてほしい。