レビュー

東京マルイ「SG553プラス」レビュー

究極のサバゲー向きエアガン。その魅力と実力を徹底紹介

【SG553プラス】
2月21日発売
メーカー希望小売価格:54,780円
全長:516mm/714mm(ストック展開時)
銃身長:247mm
重量:2,395g(空マガジン、ニッケル水素バッテリー含む)
弾丸:6mm BB(0.2~0.25g)
装弾数:40発
推奨バッテリー:8.4Vニッケル水素1300mAhミニSバッテリー/MS•Li-Poバッテリー[スタンダードタイプ]
種別:アサルトライフル

 東京マルイの「電動ガンプラス」は、初心者から上級者まで自信を持って勧められる電動ガンシリーズだ。正確な弾道と、FET回路「PLUSシステム」による高い安全性とセミオート発射時のキレのいいトリガーレスポンスを実現。箱出しでサバゲーに投入できる頼れるエアガンだ。

 これまで「P-90プラス」(40,480円)、「パトリオットプラス」(43,780円)、「G36Cプラス」(43,780円)が発売されてきたが、今回第4弾として「SG553プラス」(54,780円)が登場した。

 17歳以下でも楽しめる「電動ガン Rシリーズ」が「M4A1R」、「AK47R」(ともに38,280円)と定番モデルでリリースされたことを考えると、「電動ガンプラス」シリーズはある意味予想できない順番で「プラス化」されてきたことになる。

 今回は、東京マルイの「SG553プラス」の魅力、サバゲーでの使い勝手や戦闘力についてレビューしていく。

市街地戦に対応したスイス製アサルトライフル「SG553」

 実銃の「SG553」は、スイスの銃器メーカー「SIG Sauer(シグ・ザウエル)」が開発したアサルトライフル。スイス軍の正式ライフルとして採用された「SG550」の改良版として、市街地などでの近代的な戦闘に対応するため、2000年代初頭に開発された。

 使用する弾は「5.56x45mm NATO弾」。「SG550」よりも軽量かつコンパクトで操作性にも優れており、折りたたみ式ストックにより狭い場所でも動きやすく、ピカティニーレールで様々なオプションパーツを装着できるのも「SG553」の特徴だ。

 「SG553」はスイス軍をはじめ、世界各国の特殊部隊や法執行機関で採用されており、民間市場では、射撃競技や狩猟などにも用いられている。

折りたたみ式ストックにより発射可能な状態でコンパクト化できる

所有欲を満たしてくれる質感! マガジン、バッテリー込みで実測2,326gと比較的軽量

 ここからは、「SG553プラス」の基本スペックを解説しいく。前述のとおり、本製品は「電動ガンプラス」シリーズの第4弾。価格は54,780円だ。

 専用マガジンは「SGシリーズ用スペアマガジン」(装弾数40発)で、3,520円で追加購入可能。また、従来の「SIG用リアルタイプ新型スペアマガジン」(装弾数43発)が2,640円、「SIG用 220連射マガジン」(装弾数220発)が3,740円で販売されており、「SG553プラス」でも使用可能だ。

左側面
右側面
ハンドガード上下左右にピカティニーレールを装備している

 全長はストック展開時で714mm、ストック折り畳み時で516mm。銃身長(インナーバレル)は247mm。重量は2,395g(空マガジン、ニッケル水素バッテリー含む)。ハンドガード、アッパーレシーバー、ロアレシーバーには強化樹脂を採用し、グリップやストックを含め非光沢のブラック塗装が施されている。所有欲を満たしてくれる質感だといえる。

前面と背面
銃口アップ(インナーバレルは真鍮製)
上面と下面
マガジン挿入口

 同梱品は、「SG553プラス」本体、マガジン「SGシリーズ用スペアマガジン」、保護キャップ、クリーニングロッド、チャージャー、チャージングロッド、六角レンチ、BB弾(0.2g/100発)、MS•Li-Poバッテリースタンダードタイプ用スペーサー、バッテリーカバープレート×2、バッテリーカバープレート用両面テープ×4、説明書類。

同梱品一覧
バッテリーカバープレート×2、バッテリーカバープレート用両面テープ×4は説明書類のケースに収められている

 付属の「SGシリーズ用スペアマガジン」は実銃の「5.56x45mm NATO弾」を模した中身が透けて見えるシースルー仕様。装弾数は40発で、「SIG用リアルタイプ新型スペアマガジン」の装弾数43発より3発少ないが、最後の1発まで撃ち切れる新型フォロアーが採用されている。

 なお、この新型フォロアーは飛び出た状態のままで本体に挿入すると、スプリングが曲がってしまう。撃ち切ったあとや、保管する際には、必ずフォロアーを押し込むことを徹底しよう。

 サバゲーで付属の「SGシリーズ用スペアマガジン」を使用するのであれば追加で2本目以降を購入するか、装弾数220発の「SIG用 220連射マガジン」を用意したいところだ。

左側面と右側面
上面、下面、前面、背面
最後の1発まで撃ち切れる新型フォロアーを採用
「SGシリーズ用スペアマガジン」はジョイントにより連結できる

 バッテリーは「8.4Vニッケル水素1300mAhミニSバッテリー」または「MS•Li-Poバッテリー[スタンダードタイプ]」を使用可能。

 重量は、本体が2,105g、MS•Li-Poバッテリーが85g、マガジンが125g、0.25g BB弾フルロードのマガジンが134g。本体、MS•Li-Poバッテリー、マガジン、0.25g BB弾40発の合計重量は実測2,326gだ。ドットサイトやスコープを装着するとその重量もプラスされるが、サバゲーに使用する電動ガンとしては比較的、軽量と言える。

本体、MS•Li-Poバッテリー、マガジン、0.25g BB弾40発の合計重量は実測2,326g
「SGシリーズ用スペアマガジン」の実測重量は125g
0.25g BB弾フルロードの「SGシリーズ用スペアマガジン」の実測重量は134g

短めのマガジンにより伏せ撃ちしやすい

 本製品はハンドガード内にバッテリーを収納するタイプ。今回はMS•Li-Poバッテリーを使用したが、脱着は容易だ。手順としても、ロアレシーバーのロックピンをはずし、ハンドガード下部を手前にずらし、ハンドガード上部を手前から引き上げれば、すぐにバッテリースペースにアクセスできる。「MS•Li-Poバッテリースタンダードタイプ用スペーサー」が同梱されており、「SG553プラス」を激しく振っても、MS•Li-Poバッテリーが中で暴れることはない。

 デフォルトの状態では中のバッテリーが見えるが、同じく同梱される「バッテリーカバープレート」を取り付ければ、バッテリーのラベルを隠せる。東京マルイらしい、細かな配慮を感じる。

【MS•Li-Poバッテリーの装着手順】
「バッテリーカバープレート」を取り付ければ、バッテリーのラベルを隠せる

 セレクターは左右どちらからでも操作できるアンビ仕様。コッキングハンドルは右側に配置。コッキングハンドルを引くと、なかにホップアップ調整ダイヤルがあり、奥に回すとホップ(強)、手前に回すとホップ(弱)となる。グローブを装着したままでも、人差し指であればホップアップを調整可能だ。

上からセーフティー、セミオート、フルオート
ホップアップ調整ダイヤルは奥に回すとホップ(強)、手前に回すとホップ(弱)

 ストックは前述のとおり折りたたみ可能で、その状態で発射操作を行なえる。制限されるのは右セレクターの操作と、付属のマガジンを連結した際に左側のマガジンを挿入できないことぐらいだ。迷路のような近接戦闘エリアでクリアリングしながらプレイする際には、フォールディングストック仕様は重宝するはずだ。

ストックを折りたためば狭い通路での取り回しがよくなる

 もうひとつユニークな装備が、左右に動くトリガーガード。これは冬季に厚手のグローブを装着しているときの操作を想定した仕様で、たしかに扱いやすい。ただし説明書にも記載されているが、かなり固くて動かしにくかった。個体差もあるかもしれないが、もしトリガーガードが動かない場合には、突起部分を上方向に押しながら動かしてみよう。説明書ではマイナスドライバーを使うように解説されていた。もし傷をつけたくないのであれば木製の割り箸などを使った方がいいかもしれない。

トリガーガードは左右に動かせる

 アイアンサイトは非常にシンプル。どちらも引き起こして使用タイプで、調整できるのはリアサイトの上下のみ。また調整の際にはマイナスドライバーでネジを緩める必要がある。とは言え東京マルイのエアガンの精度であれば、左右調整は不要だろう。光学サイトが故障したときの保険としてのアイアンサイトと考えれば、実用十分だ。

サイトピクチャー。実際に覗いた際には左のように見える

初速は安定、30m先の手や肘、足などに3発で必中できる命中精度

 最後に実射性能をチェックしていく。今回使用したバッテリーは「MS•Li-Poバッテリー[スタンダードタイプ]」。BB弾は東京マルイ製ファイネストBBの0.2g弾と0.25g弾を使用している。

 まず初速については、0.2g弾使用時にホップ最弱で最大92.8m/s・平均92.4m/s・最小92.0m/s、ホップ最強で最大78.4m/s・平均78.1m/s・最小77.7m/s、0.25g弾使用時にホップ最弱で最大81.2m/s・平均80.9m/s・最小80.6m/s、ホップ最強で最大68.4m/s・平均67.9m/s・最小67.4m/sとなった。

 最大、最小の初速差は1m/sに収まっている。箱出しでこれだけ初速が安定しているのは、東京マルイならではといえる。

【0.2g弾使用時の初速】
ホップ最弱で最大92.8m/s・平均92.4m/s・最小92.0m/s
ホップ最強で最大78.4m/s・平均78.1m/s・最小77.7m/s
【0.25g弾使用時の初速】
ホップ最弱で最大81.2m/s・平均80.9m/s・最小80.6m/s
ホップ最強で最大68.4m/s・平均67.9m/s・最小67.4m/s

 なお、0.25g弾使用時に適正ホップで射撃した際には、最大77.6m/s・平均76.9m/s・最小76.5m/sとなった。ホップ最弱の初速は平均80.9m/sで、適正ホップの初速は平均76.9m/sなので、その差は4m/s。このぐらいの初速差であれば、実用上問題ないと考える。

【0.25g弾使用時の適正ホップでの初速】
最大77.6m/s・平均76.9m/s・最小76.5m/s

 連射速度については最大18.2発/秒、平均17.1発/秒、最小17.4発/秒となった。もっと連射速度が速い電動ガンも発売されているが、実際にサバゲーで使用する際には、このぐらいの回転数のほうがオーバーキルしなくて済むので扱いやすい。

【MS•Li-Poバッテリー使用時の連射速度】
最大18.2発/秒、平均17.1発/秒、最小17.4発/秒

 トリガープルは最大0.62kg、平均0.592kg、最小0.57kgと軽め。またトリガーストロークも短めだ。バリケート越しに接敵した場合でも、バリケートから薄く出てくる「お相手様」に撃ち勝てるだけのキレのよさを備えている。

【トリガープル】
最大0.62kg、平均0.592kg、最小0.57kg
上がフリー、真ん中が発射されるポイント、下がトリガーを引き切ったときの位置
グリップの太さは中央部分で実測14cm前後

 射撃音はセミオート時で最大90.1dBA、平均84.74dBA、最小78.7dBA、フルオート時で103.5dBAとなった。特にセミオートの際には、数値よりも射撃音が小さく感じられる。「プロサイレンサー(ナイツタイプ)」(6,050円)や「プロサイレンサー(ショートタイプ)」(4,180円)などを取り付ければ、隠密的な立ち回りが楽しめると思う。

【射撃音】
射撃音はセミオート時で最大90.1dBA、平均84.74dBA、最小78.7dBA、フルオート時で103.5dBA

 命中精度は非常に高い。0.2g弾で30メートル先のマンターゲットのヘッドショットをほぼ決められる。0.25g弾であればさらに集弾性能が向上し、何度もターゲットの中央に当てることができた。30メートル先の手や肘、足などであれば、3発も撃てば必中できるだけの命中精度を備えていることは間違いない。

【「SG553プラス」実射】

「SG553プラス」はサバゲーのための申し子とでも言うべき1丁

 現在、冒頭でも述べたが「電動ガンプラス」には「P-90プラス」、「パトリオットプラス」、「G36Cプラス」、そして今回の「SG553プラス」の4モデルがラインナップされている。このうち「G36Cプラス」と「SG553プラス」にはフォールディングストックが装備されており、ストックを伸ばしたときにはしっかりと構えられ、狭い通路では折り畳むことで立ち回りが容易となる。

 また、「SG553プラス」は2,395gと、「G36Cプラス」の2,886gよりも491gも軽い。丈夫なフォールディングストックを備えているのに、「P-90プラス」の2,200g、「パトリオットプラス」の2,207gに迫る軽量性を実現しているのは大きなアドバンテージだ。

 サバゲーで使用する際の若干の懸念は装弾数。「P-90プラス」、「パトリオットプラス」が68発、「G36Cプラス」が50発なのに対して、「SG553プラス」は40発と最も少ない。とは言えセミオートメインのゲームであれば、それほど不利というわけでもない。むしろマガジンチェンジを楽しめると歓迎する方も多いのではないだろうか。

 アサルトライフルとしては重量も比較的軽量。ハンドガード上下左右、アッパーレシーバー上部にピカティニーレールが備えられているので、拡張性は申しぶんなし。そして、なによりも「プラス化」により戦闘力が着実に向上した「SG553プラス」は、まさにサバゲーのための申し子とも言うべき1丁と言える。