特別企画
【年末特別企画】HOBBY Watchライター陣が選ぶ2020年オススメ「アクションフィギュア」
2020年12月30日 00:00
この12月現在も続くコロナ禍により、展示会の中止や製品の発売延期・中止などが相次ぎ、おもちゃ・ホビー業界にも大きな影響があった2020年。それでも各社の奮闘により、魅力的な製品が多数発売された。筆者も今年もその中からいくつかを購入し、弊誌やGAME Watchにて、主にアクションフィギュアやガンプラを中心としたレビューを寄稿させていただき、おかげさまでたくさんの方々に目に止めてもらえたようで、改めて幸せを感じている。
このたび編集部より“HOBBY Watchライター陣が選ぶ2020年オススメ「アクションフィギュア」”という依頼を受けたわけだが、その上位に入るものは弊誌にて既にレビューさせてもらっているというのが事実だったりするので、そちらを見ていただきつつ、本稿では筆者のスケジュールや購入時期などの関係でやむなくレビューの機会を逃してしまった逸品を3つ紹介しよう。
2020年オススメ「アクションフィギュア」その1:「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダー電王 ソードフォーム/ガンフォーム」
発売日:2020年5月30日
価格:8,800円(税込)
全高:145mm
メーカー:BANDAI SPIRITS
キャラクターの骨格から造形を行い、ヒーローの存在感とフィギュアとしての自然な可動を両立させることを追求した「真骨彫製法」によってリリースされた「S.H.Figuarts」の仮面ライダー電王は、なんと「ソードフォーム」と「ガンフォーム」のコンパーチブル仕様でのリリースである。
劇中のようにプラットフォームからの変身というわけにはいかないが、胸部装甲、脚部装甲、頭部、バックルを交換することで、2つのフォームを楽しめる仕様だ。元々中の人(良太郎)は1人なのでこの仕様でも何も問題がないが、プレミアムバンダイにて受注販売された「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダー電王 プラットフォーム」を購入すれば、それを素体として2人揃えることもできた。
塗装や造形はさすがの完成度で、アーマーや複眼のぬらっとした光沢には思わず見とれてしまうほどの美しさがある。「桃太郎」のイヌ・サル・キジをイメージした意匠のある額のラインもバッチリ造形されている。このシリーズは前述のプラットフォームの他、イマジンのモモタロスが一般発売されたが、ロッドフォームやアックスフォームの情報はまだ出ていない。当然、ラインナップされることが予想されるわけだが、その発売の折にはぜひこのソードフォーム/ガンフォームの再販も望みたい。
2020年オススメ「アクションフィギュア」その2:「ミニアクションシリーズ 未来ロボ ダルタニアス」
発売日:2020年8月
価格:3,500円(税別)
サイズ:150mm(全高)
メーカー:アート・ストーム
香港のACTION TOYSが発売し、アート・ストームが国内販売を行っている「ミニアクションシリーズ」の第4弾として発売されたのがこの「未来ロボ ダルタニアス」だ。昨年放映40周年を迎えた同名アニメーションの主人公ロボットをアクションフィギュア化した製品で、人間型ロボット「アトラウス」とライオン型ロボット「ベラリオス」、戦闘機の「ガンパー」の3機のメカが合体する。
この「ミニアクションシリーズ」では、過去に「超電磁ロボ コンバトラーV」、「超電磁マシーン ボルテスV」、「闘将ダイモス」の3種がリリースされていて、合体後のサイズは15cmほどの大きさながら、劇中に近い合体変形を実現している。このダルタニアスも同様で、合体前の3機は手のひらに乗るほど小さいが、変形プロセスはかなり凝っていて、先日リニューアルされた「超合金魂」のダルタニアスにも負けていない。これが税別3,500円で楽しめるというコストパフォーマンスの高さも驚きのポイントだ。
小さいだけあって、合体前後に多少の余剰パーツが出てしまうのは仕方ないところだが、可動部分も小さくデリケートなので変形には少々気を遣うが、超合金魂版はサイズや価格などで手が出ないという人にも薦められる製品である。ちなみにこのダルタニアスは一般流通がなく、アート・ストーム直販予約のみの販売であった。今後どんなラインナップが登場するのかは、公式サイトなどでチェックしていただければと思う。
2020年オススメ「アクションフィギュア」その3:「ダイアクロン DA-54 トライヴァース トライランブラー」
発売日:2020年7月下旬
価格:13,200円(税込)
サイズ:150mm(全高)
メーカー:タカラトミー
タカラトミーのハイターゲットトイ「ダイアクロン」シリーズの中型アイテム「トライヴァース」の最新機「トライランブラー」だ。格闘機動力を特化機能とした機体で、装甲、飛行、パワーアーム、ビーム砲といった機能を持つマルチロールユニット「エクゾ・リゾルバー」を装備している。
「ダイアクロン」シリーズの新作だけあって、とにかく高いプレイバリューを誇っている。ダイアクロン隊員が乗る「ボレットコア」を中心に、通常の「決戦機動モード」から、「トップマシン」と「ボトムマシン」への分離変形や、バイクのような形の「マシンモード」AモードとBモード、作業用マシン風の「メックモード」へと変形し、さらにエグゾ・リゾルバーは3種のメカへの変形が可能だ。もちろんこれまでのトライヴァースシリーズやそのパワーアップシステム「ヴァースライザー」との連動にも対応している。
ヒロイックなルックスと美しい塗装、プレイバリューの高さに加えて、おもちゃとしての堅牢さも誇る。余剰パーツがほとんど出ないのもこのシリーズの特徴で、おもちゃメーカーの本領発揮というところだろうか。サイズの割に価格は高めだが、それだけの価値のあるアイテムである。なおこのトラインランブラーは、タカラトミーモールでの限定発売で、「レッドチェイサー」なるレッドカラーのバージョンも発売された。
2020年オススメホビー記事!
筆者が積極的に購入したいと思うアクションフィギュアの基準は2つあって、その例を今年執筆させていただいた記事で初回していきたい。その1つは“プレイバリューの高さ”だ。非可動のスタチューなどと比較して、アクションフィギュアは“動く”というだけでプレイバリューにおけるアドバンテージがあるわけで、そこに換装や合体変形などが加わることで、購入意欲が一気に高まってしまうのだ。
執筆させていただいた製品であれば「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーオーズ タトバ コンボ」がまさにそれで、プロポーションや可動などアクションフィギュアとしての完成度を極める一方で、仮面ライダーオーズの特徴であるコンボチェンジを実現していて、シリーズを購入することで換装のギミックを楽しむことができたのは嬉しかった。
そしてもう一つ購買欲をそそられるのが、“他が作らない着眼点”の製品だ。昔からガレージキットが好きなのはそれが理由で、人気のキャラクターよりもマイナー、あるいはメジャーでも立体化することがあまり考えられなかった造形を見ると、「こんなのあるんだ!?」という気持ちで心躍るのである。近年は大手メーカーもその手の造形物をリリースする機会が増え、購入の選択肢がグッと増えた。個人的には弊誌でもレビューさせてもらった「figma 多治見要蔵」を企画したFREEingに注目している。ちなみにこの手の製品は再生産されることがほとんどないので、予約や発売日当日朝イチでの店頭購入が必須となるだろう。