特別企画
食玩の進化を体感! 「ガンダムアーティファクト第2弾」の「V2AB」を全塗装&「光の翼」エフェクト再現
2022年2月2日 00:00
バンダイは食玩ミニキット「ガンダムアーティファクト第2弾」を1月17日に発売した。今回扱うのはその中に収録された「V2アサルトバスターガンダム」だ。全高約55mmという手のひらサイズながらびっしりと刻まれたモールドや独自アレンジのデザインが特徴。これらを生かしつつ全塗装に挑戦した。また、100円ショップで手に入るツールを用いて「光の翼」も製作してみた。
「ガンダムアーティファクト」は、「機動戦士ガンダム」シリーズに登場するモビルスーツをガレージキットを彷彿とさせるカラーリングに濃密ディテールをプラ製ミニキット化した食玩シリーズ。昨年1月に第1弾が発売され、手のひらサイズながらモールドなどの細かな造形力、そして新解釈のアレンジで話題を呼んだ。
そして、新規機体収録の第2弾が発売された。筆者は今弾収録の「V2アサルトバスターガンダム」を見て購入を決めた。
「V2アサルトバスターガンダム」といえば、アニメ「機動戦士Vガンダム」に登場した「V2ガンダム」に武装を全部載せしたロマンと重厚感溢れる機体だ。
商品を詳しく見ていく前に、まずは「V2アサルトバスターガンダム」について話をさせてほしい。
「機動戦士Vガンダム」の最終決戦で登場した最強の「V2」
1991年に放送された富野由悠季監督の作品「機動戦士Vガンダム」にて「V2アサルトバスターガンダム」は登場した。
本作は「機動戦士ガンダム」の時代、宇宙世紀0079から半世紀以上経った宇宙世紀153年と宇宙世紀シリーズでも新しい時代背景となっている。この時代になるとスペースコロニー間の争いが激化。その中で武力侵略を開始した「ザンスカール帝国」とそれに対抗するレジスタンス組織「リガ・ミリティア」との戦いが繰り広げられていた。
その戦いに巻き込まれた主人公、ウッソ・エヴィンは「リガ・ミリティア」のモビルスーツ「ヴィクトリーガンダム」に乗り戦いに身を投じていくことになる。
「V2ガンダム」は第29話にて初登場し、後期主人公機として活躍。戦いの中で増加装甲オプションを装備した「V2アサルトガンダム」、メガビーム・キャノンやスプレービーム・ポッドなど重武装用オプションを装備した「V2バスターガンダム」が登場した。
「V2アサルトバスターガンダム」はその2つの装備を合わせた形態だ。「ガンダムアーティファクト第2弾」ではオリジナルアレンジが加わった新解釈の立体化となっている。
サクサク組み立てで濃密ディテールが実現
それでは、商品を詳しく見ていこう。
パッケージは同じデザインで、上面に封入されているキット名が記載されている。パッケージには「フルアーマーガンダム」のイラストに「V2アサルトバスターガンダム」の商品画像が描かれている。
中にはペールオレンジのランナーが4枚と胴体パーツ、取扱説明書、ガムが1個封入されている。
ランナーからも各パーツのモールドやディテールが確認できる。
組み立ての工程は非常にシンプルで、腕部や脚部の関節が省略されている分、パーツのサンドウィッチで基本的な部位が完成する。複雑な構造ではないので組み立てやすい印象だった。
一方で、筆者が組み立てた感覚ではパーツの合わせはきつめで、それぞれのパーツも小さため力を入れすぎると破損のしてしまうのではないかと不安になるところもあった。
特に頭部など小さいパーツはランナーからの切り出しで、パーツを傷つけてしまう可能性があるのでニッパーでの切り出しでも油断できなかった。
完成した「V2アサルトバスターガンダム」は小さいながらも各装備がぎゅっと詰まった造形美となった。組み立ても1時間を切り、満足度の高いディテール表現が実に魅力的だ。
デザインを詳しく見ていくと、やはり目を引くのは全身に走るモールドの細やかさだ。アニメではなかったメカニックの魅力を引き出す造形表現は、芸術的こだわりが感じられる。
また、劇中とは異なる肩のアサルトアーマーの造形やハイヒール型の脚部、そして、背部の推進装置「ミノフスキー・ドライブ」のアレンジは「V2アサルトバスターガンダム」のシルエットを踏襲しつつ、近くで見るほどに新たな個性となって光る造形となっている。
武装も左腕部に装備したメガビーム・シールドをはじめ、アニメでは平坦な印象だったものが立体的な線を描いて精緻かつ存在感を発揮したデザインとなっている。
可動部分は肩の付け根の1軸可動くらいで、大きくポーズを変えることはできない。
あくまでもデザイン性、ディテール特化でスタチューフィギュアのような飾って楽しむ立体化だ。
それゆえにディテールの追求が容易な部分もある。可動部分が少ないことで、パーツの合わせ目消しがしやすく、パーツの組み合わせがシンプルなため後ハメ加工がしやすい。
まして、素組した状態で質の高い造形を誇る「ガンダムアーティファクト」を塗装したらどれほど印象が変わるのか、筆者はこの目で確かめたくなった。
ここからさらに、塗装を含めたディテールアップを試みを紹介していこう。
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