特別企画

「HGUC 1/144 ガンダムGP01」をファレホで全塗装

調色不要で初心者でも扱いやすい、スペイン発の水性塗料を楽しむ

【HGUC 1/144 ガンダムGP01 ゼフィランサス】

発売日:2000年8月

価格:1,320円(税込)

ファレホの水性塗料で全塗装した「HGUC 1/144 ガンダムGP01 ゼフィランサス」

 今回は「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY」より、ガンダム試作1号機の作例を紹介します。使用するキットはBANDAI SPIRITSから2000年発売のガンプラ「HGUC 1/144 ガンダムGP01 ゼフィランサス」です。劇中序盤の主人公機となったガンダムを設定色通りに全塗装していきます。塗装にはスペイン発の水性塗料「ファレホ」を使用します。色のバリエーションと扱いやすさが特徴で、初心者にもオススメできるアイテムです。

物語序盤の主人公機となったMS

 今回制作する「HGUC 1/144 ガンダムGP01 ゼフィランサス」は、1991年発売のOVA「機動戦士ガンダム 0083 STARDUST MEMORY」に登場する実験用ガンダムタイプのモビルスーツを題材としたキットです。ガンダム試作1号機ことGP01は、一年戦争後のガンダム開発計画によって建造され宇宙世紀0083年のデラーズ紛争において、同作の主人公コウ・ウラキの搭乗機となりました。

【機動戦士ガンダム0083 Blu-ray Box PV】

種類豊富で調色不要!スペイン発の水性塗料「ファレホ」

 今回の作例ではいつも使用しているラッカー塗料ではなく水性塗料を使用して塗装を行なっていきます。水性塗料はラッカー塗料と違い、独特の溶剤臭がないため子供や溶剤臭の苦手な人でも塗装を楽しむことができます。これら、水性塗料の中でも今回使用する「ファレホ」はスペインのファレホ社が開発し、その発色の美しさと使用感から世界中のモデラーの間で広く使われています。国内ではボークスが総代理店として流通を担っており、同社直販やAmazonなどで入手できます。

今回使用する塗料。右から2番目のタミヤ製スミ入れ塗料を除いたすべてがファレホの塗料です。ガンダム特有のトリコロールカラーはもちろん、ビーム・サーベルやセンサー用のメタリックなカラーも揃います。

「HGUC 1/144 ガンダムGP01 ゼフィランサス」をファレホで全塗装

 今回の作例ではファレホを使用し、ラッカー塗料と同じ使用方法にて全塗装を行ないます。今回はファレホの特徴の一つである色数の豊富さを生かし、色を混ぜ合わせる調色は行ないません。

 それではGP01を作成していきましょう。まずはこれまでと同様にキットの素性を確かめるために仮組を行ないました。

仮組を行なったGP01。HGUCシリーズ初期、20年以上前のキットということもあり多くの合わせ目があります。
今回のキットにはコアファイターIIも付属していました。本体同様に全塗装で仕上げます。

 仮組完了後は一度解体し、合わせ目消しを行なっていきます。合わせ目消しにはタミヤのタミヤセメントを使用しました。

タミヤセメントを使用して合わせ目消しを行ないます。しっかりと接着剤を塗布することで合わせ目を確実に消すことができます。

 また、一部合わせ目にはスジボリ堂から発売中の切削ツール「BMCダンモ」を使用して合わせ目を処理します。

一部合わせ目には段落ちモールドを作成して合わせ目をディテールにしていきます。

 合わせ目処理が完了したら各パーツのエッジを出していきます。エッジを出すことで造形にメリハリが生まれます。エッジ出しはデザインナイフでパーツをカンナ掛けすることによって行ないます。

パーツのエッジが尖るようにカンナ掛けを行ないます。これを行なうだけでプロポーションがよくなります。

 パーツのエッジ出しが完了したら、その他で気になる個所を加工していきます。

アンテナパーツは安全フラッグが付いているのでカットしシャープに加工。
フロントアーマー裏は肉抜き穴が目立ったのでパテで埋めました。
GP01は設定上ビーム・サーベルとビーム砲を兼用しているため銃口を作成しました。

 加工が完了したらパーツ洗浄を行ない、塗装をしていきましょう。まずは表面の色調を整えるためにファレホの「サーフェイスプライマー グレー」を塗布していきます。塗装工程はラッカー塗料と同様にエアブラシを使用して行ないます。

サーフェイサーを塗布したバックパック。一度塗りでしっかりと発色しています。乾燥した塗膜はラッカーに比べ粘りがあります。

 下地の塗装が完了したら上塗りを行なっていきます。上塗りには希釈なしでエアブラシに使用可能なファレホ モデルエアーシリーズを使用しました。本体のメインとなるホワイト部は「モデルエアー ライトブルー」にて塗装していきます。

「モデルエアー ライトブルー」を塗装した膝パーツ。箱絵にあるような少し青みのあるホワイトに仕上がりました。部分塗装には「メカカラー メタリックレッド」を使用しています。

 次にブルー部分を塗装していきます。ブルー部分は「モデルエアー フレンチブルー」で塗装していきます。

「モデルエアー フレンチブルー」で青い部分を塗装した胴体パーツ。鮮やかなブルーに仕上がりました。部分塗装には「モデルエアー イエローRLM04」と「メカカラー メタリックグリーン」を使用しています。

 次は赤部分を塗装していきましょう。赤部分は「モデルエアー フェラーリレッド」にて塗装していきます。

「モデルエアー フェラーリレッド」を塗装した腹部パーツ。やや朱色がかった赤に仕上がりました。

 次に関節部及びバックパックを塗装していきます。関節部には「モデルエアー ダークグレーRLM42」を使用します。

「モデルエアー ダークグレーRLM42」を塗装したコアファイター背部パーツ。深みのあるグレーに仕上がっています。また、部分塗装には「モデルエアー イエローRLM04」を使用しています。

 次にスラスター部分を塗装していきます。スラスターには「モデルエアー ガンメタル」を使用しました。

「モデルエアー ガンメタル」を塗装したスラスターパーツ。渋い輝きが質感を引き立てます。

 最後にビーム・サーベルの刃を塗装していきます。ビーム・サーベルの輝きを再現するためファレホの偏光塗料を使います。今回は「カラーシフト レッドゴールド」を使用しました。

塗装を行なったビーム・サーベル。ビーム刃の輝きをうまく再現できたと思います。

 塗装が完了したら墨入れを行ないます。ファレホは完全乾燥するとエナメル塗料による墨入れも可能です。

タミヤの墨入れ塗料はビンに筆が付いているのでそのまま流し込むことが可能です。
墨入れ後にはみ出た部分はエナメル溶剤を付けた綿棒で拭き取ります。ファレホの塗膜はラッカーの塗膜に比べると弱いので強く拭き取らないように注意が必要です。

 墨入れが完了したら最後につや消しトップコートを行なって完成です。トップコートにはファレホの「ポリウレタンマットバーニッシュ」を使用しました。それでは完成したGP01を見てみましょう。

まずは素立ちで四方から撮影してみました。初代ガンダムに比べマッシブなプロポーションになっています。
仮組み時の写真。完成写真と見比べてみると情報量が格段に増しました。
ビームライフルを構えてみました。古いキットですがしっかりと可動します。
マシンガンを持たせてみました。マシンガンとシールドの組み合わせはマッチしますね。
ビーム・サーベルを構えてみました。偏光塗料の輝きがビーム刃をリアルに再現しています。
ガンメタで塗装したバーニアが良いアクセントになっています。
下からあおりで撮ってみました。この角度から見るとMSの大きさが感じられます。
脚部のアップ。センサーのメタリックレッドがいいアクセントになっています。
完成したコアファイターII、ガンダムだけでなくコアファイターもしっかりと造形されています。

 いかがでしょうか。今回はファレホ製の水性塗料をメインとして塗装を行なってみましたが、その仕上がりはラッカー塗料とほとんど変わらない印象でした。また、今回の作例にあるように調色を行なわずともファレホ製塗料は様々な色を表現することが可能です。この記事をきっかけに水性塗料を使用した塗装にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

工程使用塗料
下塗りファレホ サーフェイスプライマー グレー
上塗りファレホ モデルエアー ライトブルー
上塗りファレホ モデルエアー フレンチブルー
上塗りファレホ モデルエアー フェラーリレッド
上塗りファレホ モデルエアー ダークグレーRLM42
上塗りファレホ モデルエアー ガンメタル
上塗りファレホ カラーシフト レッドゴールド
部分塗装ファレホ モデルエアー イエローRLM04
部分塗装ファレホ メカカラー メタリックレッド
部分塗装ファレホ メカカラー メタリックグリーン
墨入れタミヤ 墨入れ塗料 ダークグレイ
トップコートファレホ ポリウレタンマットバーニッシュ