トピック

ガス・次世電動ガン対応! 東京マルイ製エアガンメンテナンスガイド

ガスブローバックハンドガンのメンテナンス

「G17 Gen5 MOS」編

 ガスブローバックハンドガンのメンテナンスは比較的容易だ。基本的に通常分解に工具は必要なく、増し締めにドライバーを使うぐらいだ。ただしそのぶん分解のためにコツが必要となる。今回は分解方法に重点を置いて解説していこう。

 最初の作業は安全への配慮。まずマガジンを抜いてから、銃口に保護キャップを取り付けて、スライドを引く。スライドを引くことでローラーハンマーがフルコックされて、分解の準備が整う。

保護キャップは紛失しがちだが、分解時だけでなく保管時にもできるだけ装着しておきたい

 次にフレームの下にある両側のスライドロックを下にずらしながら、スライドを前方にずらす。スムーズにスライドがはずれない場合にはスライドロックがちゃんと下がっていないので、もう一度持ち替えて試してみよう。

スライドロックを両方同時に下げるのには少し力が必要。指が滑ってしまう場合には手袋を装着すると作業しやすい

 今度は「リコイルスプリングアッセンブル」を取り外すが、前方のリングを引いてスプリングを圧縮した状態から、いったんリコイルスプリングアッセンブルを前方に押し出してから後方に引き出す必要がある。ややコツが必要だが、ここでも力は必要ないので、可動範囲を確認しつつ作業してほしい。

左手の親指、人差し指でつまんでいるのがリング。このリングを先に引いて圧縮する必要がある

 最後に「バレルアッセンブル」を前方に押し出し、後方に抜き取れば通常分解は完了。ここまで工具は使用しないので、慣れれば本稿や説明書を見なくても作業できるようになる。

写真では見えなくなっているが、保護キャップを付けたままでもバレルアッセンブルは取り外し可能だ
今回分解したかぎりでは、「G17 Gen5 MOS」は「グロック17 Gen.4」よりもスライドが取り外しやすいように感じた

 さて、ここからが本番だ。まずはネジの増し締め。「G17 Gen5 MOS」では、トリガーの前方、スライドの後端、バレルアッセンブル左側面のプラスネジのガタツキを確認するように推奨されている。

 個人的には軽く緩める方向(反時計回り)に力を加えて、それでガタツキがないようであれば回さないことにしている。何度も緩めたり、締めたりを繰り返すと、ネジ穴が広がってしまうからだ。もちろん締めすぎは厳禁。また電動ドライバーは増し締めには不向きだ。

ドライバーは押し込んで回すこと。力加減は押し込む力を7割、回転させる力を3割が目安。押し込む力が足らないとなめてしまうので注意しよう

 つぎはシリコングリスを塗布する。「G17 Gen5 MOS」でシリコングリスを塗る箇所は、フレームのレール、スライド内部の側面、スライドの後部ミゾだ。塗る量は薄めを心がけよう。

 グリスが多すぎると、ブローバックの際に内部のあちらこちらに飛び散り、チャンバーやインナーバレル内に混入しかねない。目安としてはグリスを塗ったことで、その部分の艶が変われば十分。ダマができていたら多すぎなので、一度拭き取ってから、必要に応じて薄く塗り直そう。

シリコングリスを塗る前には一度拭き取りをしておいたほうがいい。特にレール部分には細かな鉄粉やプラスチック片が付着していることがあるので、こまめに清掃しておこう

 今度はシリコンメンテナンススプレーだが、こちらもごく少量でいい。東京マルイの説明書にも0.5秒かければ十分だと記載されている。また全体にかかっていなくても、すき間には噴射したあとに毛細管現象で広がっていく。「追いスプレー」は不要だ。

 なお、シリコンメンテナンススプレーを注油したあとは、60~70発ほどBB弾を発射して余計な油分を取り除く必要がある。メンテナンス直後にこの作業をする必要はないが、ゲームの前には油分を飛ばすための試し撃ちをすることを忘れずに!

今回はそのまま使っているが、筆者はプラノズルを半分に切って使用している。そのほうが正確に注油位置をコントロールできるからだ

 記事構成の都合上順番が逆となったが、サバイバルゲーム後に必ず実施しておきたいのがインナーバレルとチャンバーのクリーニング。ホップダイヤルを最弱にしたあと、チャンバーにシリコンメンテナンススプレーを少量(0.5秒程度)噴射。その後、クリーニングロッド先端に綿布を巻き付けて、回しながらインナーバレルに差し込んでクリーニングする。

 このときスムーズにインナーバレル内に入らないときは、綿布の長さを短くしたり、巻き方を変えて、適切な太さに調節すること。無理に力を入れると内部パーツが破損する可能性もあるので、汚れがひどい場合でも軽い力で複数回クリーニングすることをお勧めする。

綿布は9mm×25~30mmが目安。再使用すると付着した砂などがインナーバレルに傷を付ける可能性があるので、使い捨てが基本だ

 ガスブローバックハンドガンで起こりやすいトラブルがガス漏れ。このガス漏れには、注入バルブ、放出バルブ、ガスルートパッキン、マガジンエンドのパッキン......とさまざまな原因が考えられる。ガス漏れしている箇所にシリコンメンテナンススプレーを拭きかけるだけで直ることもあるが、長期間利用していたり、生ガスを何度も噴出させたことでパッキンが劣化している場合には修理が必要となる場合もある。

 たとえば注入バルブの交換であれば、東京マルイに依頼する場合は工賃+部品代で580円(送料別)を修理料金の目安としている。根本的な修理を望むのであれば、東京マルイのアフターサービスに依頼したほうがいいだろう。

注入バルブのガス漏れについては、シリコンメンテナンススプレーを拭いてから、バルブのボタンを何回か押すことで改善されることもある

「M1911A1コルトガバメント」編

 「M1911A1コルトガバメント」の注油はスライドをはずすだけでOK。バレルアッセンブルを取り外す必要はないので比較的手軽だ。

 まずはマガジンを抜き取ってから、保護キャップを装着してスライドを後退させ、スライドストップ(レバー)の後端上の爪とスライドオープン時にスライドストップが掛かるノッチより後ろ側にある半円形の切り欠きの位置を合わせて、スライドストップを抜き取る。

 あとはスライドを前にずらせば、そのまま抜き取れる。慣れれば10秒かからずにメンテナンス準備が完了する。

スライドストップの爪を合わせるのはノッチではなく、半円形の切り欠きの方なので間違えないよう注意。ぴったり合っていれば、引っかかりなく抜き取れる
スライドは前にずらせば抜き取れる。組み立ては逆の手順だ

 注油は、スライドレールにグリスを塗布し、トリガーとハンマー周辺にシリコンメンテナンススプレーを吹けばいい。ネジについても定期的に増し締めしておこう。

トリガーはかなり奥まった位置にある。場所がわからない場合はトリガーを何度か動かして確認しよう