レビュー
「サイガ-12 SBS」レビュー ガスブローバックショットガン+フルオートの爽快感が魅力!
2024年4月25日 00:00
- 【サイガ-12 SBS】
- 3月28日 発売
- 価格:71,280円
- 全長:490mm(ストック折りたたみ時)/675mm(ストック展開時)/755mm(ストック伸長時)
- 銃身長:200mm
- 重量:3,480g(空マガジン含む)
- 弾丸:6mm BB(0.2~0.25g)
- 動力源:専用ガス
- 装弾数:90発
■サイガ初のバリエーション「サイガ-12 SBS」はフルオートポジション搭載!
■スタイリッシュでコンパクト、モダンな外観が魅力
■小さな変更でフルオート化された「サイガ-12 SBS」大迫力の射撃を体感!
■先進的な外観の「サイガ-12 SBS」フルオートは初めての衝撃! サバゲーでの実用性も高い!!
東京マルイから3月28日に「サイガ-12 SBS」が発売された。「サイガ-12 SBS」は、昨年6月に発売されたガスブローバックショットガン「サイガ-12K」の初のバリエーション展開となる。
バリエーションとは言っても新規製作パーツを大量に盛り込んで、ほとんど新作と言って良い状態で発売される。M4タイプのストックにピストルグリップや、20mmレイルを取り付け可能なハンドガードなど外観を近代化し、先発の「サイガ-12K」よりもコンパクトにまとめた上、フルオートでの射撃が可能という、バリエーション展開でありながらも新基軸のような東京マルイらしい製品となっている。
このほとんど新作といっていいほど進化させてバリエーション展開するのは、東京マルイの定番で、今回紹介する「サイガ-12 SBS」も例外では無い。
本稿では、ガスブローバックフルオートショットガン「サイガ-12 SBS」の「サイガ-12K」からの変更点を紹介し、拡張性を活かしたカスタマイズを行ない、実際に発射した感触を紹介していく。
サイガ初のバリエーション「サイガ-12 SBS」はフルオートポジション搭載! コンパクトな機動性と圧倒的制圧力を兼ね備えた新ジャンルウェポン
今回紹介する「サイガ-12 SBS」は、「サイガ-12K」の東京マルイオリジナルデザインバリエーションモデルだ。とは言えまったく架空のデザインではない。
M4タイプのテレスコピック式ストックやピカティニーレイルを備えたKalashnikov Concern製の「Saiga-12 ver. 340」をコンパクトにし、近代化改修した様な外観が特徴的だ。なお、実銃はセミオートであり、フルオートポジションに関しては東京マルイオリジナルとなっている。
□Kalashnikov「Saiga-12 ver. 340」
実銃において、散弾と呼ばれる球状の弾丸を発射するショットガンの歴史は古い。18世紀後期にはショットガンという名称が使用され始め、19世紀末には銃身を後退させる半自動式のショットガン「ブローニング・オートマチック5」も誕生している。しかし、反動が強く連射性も悪かった半自動式に対し、スライドを前後させる手動式のポンプアクション機構がショットガンでは永く主流となった。
1960年代にガス式のセミオートショットガンが誕生し、その後は東京マルイもエアガンのモデルにしている「スパス12」や「ベネリM3」など、ポンプアクション/セミオートオート切り替えタイプが増えてきた。
セミオート式のサイガは1990年代にロシアのイジュマッシュ社から発売され、カラシニコフ自動小銃譲りの安価で確実な作動でヒットした。セミオートショットガンは比較的新しいカテゴリーの銃器と言えるだろう。
□Beneli USA「M3 Tactical Shotguns」
さらにフルオートのショットガンとなると、「AA-12」が1972年に原型が設計され、1980年代に発展型の「USAS12」(ギルバート・エクイップメントが開発)として量産されたが、信頼性に欠けるとも言われる。「AA-12」は、数々の改良を重ねて2005年にMPSがようやく完成させた。フルオートショットガンは、21世紀に実用化された新しいカテゴリーの銃器なのである。
また、実用化されたと言っても、フルオートで散弾をバラ撒くファイアーパワーは、誤射の危険性もあり過剰とも言え、米軍が正式採用を見送るなど軍用・警察用としての採用は限定的だ。
しかし、フィクションの世界ではそのファイアーパワーが大きな魅力となり、映画やゲームの世界ではフルオートショットガンが度々登場し、必殺武器、最終兵器のポジションを与えられている。それはサバゲーにもいえることで、東京マルイが世界で初めて世に送り出した電動フルオートショットガン「AA-12」は、その凄まじい制圧力で、サバイバルゲームでのフルオート発射禁止、あるいはセミオート戦での使用禁止なフィールドも少なくない。
「『サイガ』のバリエーションがフルオートポジションを備える」と聞いて、最初は驚いたもののエアソフトガンにおいてフルオートショットガンのパイオニアであることを考えると、東京マルイがガスブローバックショットガンをフルオート化したことは必然だったとも言えるだろう。
次項からは、実際の製品「サイガ-12 SBS」を、「サイガ-12K」と比較しながら外観~内部機構まで見ていく。
スタイリッシュでコンパクト、モダンな外観が魅力
「サイガ-12 SBS」の外箱は、「サイガ-12K」に比べると縦は短く、横幅は逆に広がっている。黒地にロゴが配されたシンプルな「サイガ-12K」に対し、製品名「S12SBS」を大きく打ち出したエモーショナルなデザインが「サイガ-12 SBS」だ。
蓋を開けると、本体含め内容物がギュッと詰まっている。本体と、特徴的なロングマガジン、アンダーレイルやネジ等が入った小箱、チャージングロッド類、蓋の内側には取扱説明書がチャック付きビニールに封入されている。
第一印象は、とにかく「コンパクト」ということだ。ストック展開時には908mm、畳んで666mmと、ショットガン然としていた「サイガ-12K」に比べ、ストックを畳めば490mm、ストック展開時に675mm。最長でも755mmなので、折り畳んだ「サイガ-12K」より90mm長いだけに留まり、全長はストックの付いたショットガンとしては驚異的な短さだ。その短い全長故、大きなボックスマガジンが付いてもコンパクトさが損なわれることはない。
次は細部を見ていく。まず目に入るのが6段階に伸縮し、折り畳めるM4タイプのストックとグリップだろう。パーツリストによると、ストックとグリップはガスブローバックマシンガンの「M4」シリーズと共用だが、取り付け基部やストックパイプは新造されている。
特に驚きなのが、6段階に伸縮するストックをさらにサイドスイング式で右側に折り畳める点だ。ストックパイプ内に機関部と連動するスプリングを収納する「M4」と違って、ストックが独立しているAK系は折り畳むことで全長を短くし、秘匿性、携帯性を向上させることが可能だ。
「Saiga-12 ver. 340」もサイドスイング式のストックになっている。しかし当然パーツ点数は増えるし、開閉を繰り返した場合の強度を持たせる必要もある。単にM4タイプを付けただけでも実用的だが、折り畳めるようにしたところは、東京マルイのこだわりを感じる。
また、AKシリーズをサイドスイング式にした場合、左側のサイドマウントレイル、右側のセレクターいずれかに干渉するというデメリットがある。M4タイプのストックを備えた実銃の「Saiga-12 ver. 340」は「サイガー12K」同様左側に折り畳むが、サイドマウントはオミットされていて干渉しない。
今回の「サイガ-12 SBS」も逆側にスイングさせているのでサイドマウントレイルに干渉しないようになっている。さらに、ロックした場合のクリアランスを大きく採っているので、畳んだ状態でもセレクターポジションの変更、発射を行なえるようになっているのだ。
セレクターで気になっていたのが、「サイガ-12 SBS」のキモであるフルオートポジションの処理だ。見比べると、「サイガー12K」の金属レシーバーに、「A」の刻印とセレクターストップ用の半球状の窪みが後加工でしっかり入れられている。フルオートポジションがあることで、先祖のAKに近くなった印象だ。
ちなみにだが、AKタイプセレクターは使う程にセレクターの跡が付いていき味が出るのが魅力だ。
レシーバーから繋がるハンドガード部も「サイガ-12K」と「サイガ-12 SBS」で大きく印象が変わった部分だ。短くなった上に、4面に20mmレイルが取り付けられる様になっている。
上部の長いレイルはサイトの役割を兼ねていて、サイドマウントを付けても干渉しない。また、調整可能で民生品のショットガン然としていた「サイガ-12K」のサイトに対して、固定式の簡易なサイトなので、別売りのサイトを載せるとより実用性が高まる。なお、アンダーマウントは小箱に入っているので、付属のレンチで装着可能だ。
また、「サイガ-12 SBS」はハンドガードから突き出したアウターバレルが短いうえに、アルミ削り出しのハイダーが新造されている。形状は、鉄条網等に押し付けて散弾で破壊する軍用のブリーチングガン風だ。さらに、アウターバレルは23mm正ネジ仕様なので、「サイガ-12K」の物も付けられる。
ではいよいよ気になるフルオートショットガンを実射していく。