トピック

厳寒のフィールドを東京マルイ純正リポバッテリーで駆け抜ける! ~冬こそ「MS・Li-Po バッテリー」~

次世代「MP5シリーズ」&電動ガンプラス「P90プラス」で検証

【MS Li-Po バッテリー 7.4V 1500mAh[スタンダードタイプ]】

2023年5月17日 発売

価格:8,580円

【MS・Li-Po セーフティチャージャー】

2023年5月17日 発売

価格:14,080円

【MS・Li-Po セーフティバッグ】

2023年5月17日 発売

価格:8,580円

【MS・Li-Po バッテリーチェッカー】

2023年5月17日 発売

価格:7,480円

 冬のサバイバルゲームには東京マルイの「MS・Li-Po バッテリー」がおすすめだ。というのも、冬場にパフォーマンスが低下しにくいうえに、安全装置やハードケースなど安全面へ充分に配慮されているのだ。ベテランにも初心者にも是非試してほしい。

 1月に入り、東京でも雪が降るなど急激に寒くなってきた。郊外にあるサバイバルゲームフィールドでは、朝方は氷点下近く、陽が昇っても1桁台という気温も珍しくない。そうなるとガスガンは作動が厳しい。エアコッキングも寒さには強いが、特にフルオート戦では電動ガンが主流となる。

 しかし、ガスに比べれば気温の低下に影響されにくい電動ガンも、パワーソースのニッケル水素バッテリーの放電容量が低下し、最悪の場合は作動しなくなってしまう。そこで冬場の力強い味方となるのが、低温でも安定した電力供給を行なってくれる「MS・Li-Po バッテリー」だ。

 エアガン業界2023年最大のトピックである「MS・Li-Po バッテリー」の発売は2023年5月だったので、この冬からそのメリットを最大限甘受できることになる。本稿では真冬を迎えた今こそ、今後活躍する「MS・Li-Po バッテリー」を導入すべき理由と、対応電動ガン4種類についてお届けする。

今回使用する東京マルイの「MS・Li-Po バッテリー」対応電動ガン4挺
「MS・Li-Po バッテリー」(左)「8.4V ニッケル水素1300mAh ミニSバッテリー」(右)

電動ガンの安定・安全・安心な電源・ニッケル水素バッテリーの弱点

 東京マルイが1991年に業界初の電動ガンを発売した時には、電源としてニカドバッテリーが採用され、その後ニッケル水素バッテリーに移行した。

 ニッケル水素バッテリーは電極にニッケル酸化化合物と水素化合物を使用、電解液にアルカリ溶液を用いる二次電池(充電池)だ。ニカドに比べて、原材料の安全性が高く、メモリー効果があまりなく、電気容量がおよそ2.5倍という利点がある。燃えにくく、ハイブリットカーにも多用される安全性の高い二次電池だ。安定、安全、安心のパワーソースとして使用されてきた。

右のニッケル水素バッテリーは真ん中のニカドバッテリーと同サイズで左の大型ニカドバッテリーと同じ容量を持つ

 ニカドバッテリーに比べ小型であるなど、メリットの多いニッケル水素バッテリーだが、残念ながら万能というわけではない。それが特に顕著に表れるのが晩秋~春先にかけての寒い季節だ。バッテリーは、低温になると内部の化学反応が遅くなり内部抵抗が増加する。その結果、放電容量が低下してしまう。

 マンガンやアルカリなどの乾電池に比べれば、寒さに強いと言われるのがニッケル水素バッテリーだ。それでも氷点下20度になると、放電効率が半分近くにダウンしてしまうといわれる。

 さらにデジカメ用などと違い、電動ガン用のニッケル水素バッテリーには、1.2Vのセルが7個繋いであるという特徴がある。個々のセルは、新品の時は均一の電圧・電流キャパシティを有しているが、使っていくうちに不均等になっていく。特に剥き出しのバッテリーをぶつけたり落としたり、衝撃を与えると劣化が進んでしまい、パフォーマンスが低下するセルが出るのだ。

 そうした要因によって、10度ぐらいの気温でも放電容量が極端に低下してしまう場合がある。冬場、充電したはずのバッテリーが試射しただけで使えなくなってしまった経験はサバゲーマーあるあるだろう。

 そこで、2010年頃からベテランサバゲーマーを中心に使われはじめたのが、いわゆる「リポバッテリー」である。「リポバッテリー」と呼ばれるリチウムイオンバッテリーは、液体だった電解質をゲル状にしている点が特徴だ。エネルギー密度が高く、1.5V以上の高電圧を大量に放電でき、小型・軽量・高寿命でメモリー効果がない。自己放電も少なく、適応温度が幅広い(高温下の満充電放置は非推奨)。低温時にも内部の化学反応は影響を受け難く、ニッケル水素バッテリーに比べて内部抵抗の増加も起こりにくい。しかも、高速充電が可能といったニッケル水素バッテリーなどにはない優れた特性がある。

 しかし、高密度で、発火・爆発の危険性があるため電子的安全装置が必要で、満充電・過放電で容易に劣化してしまうといった不安定な性質も合わせ持っている。スマートフォンなどモバイル機器に欠かせない二次電池で、安全装置を組み込むことで利用されているが、発火や破裂のニュースは多い。宅配便など、航空機搭載は不可となっている場合が少なくない。

既存の「玩具用リポバッテリー」は安全性が担保されていないのが現状

 そしてラジコンや電動ガンなどのいわゆる「玩具向け」のリポバッテリーは、海外で安価に製造されている製品がほとんどだ。安全装置がない・ハードケースで保護されていない・再利用できないなど安全面や環境面で極めて問題が多い。消防庁初め、関係省庁から注意喚起がなされているのが現実だ。

 「間違った使い方によって火災が発生する」と、喧伝している業者もあるが「各社が独自に販売し説明書も解り難く、バラバラな規格のバッテリーや充電器を安全装置も無しに販売しているのがそもそも間違いだ」ともいえる。

 多少便利とは言え「自宅や近隣を火事にするリスクを犯してまで導入する必要があるのか?」というと甚だ疑問に感じる。「リポバッテリー」の利便性は認めつつも、ニッケル水素バッテリーを使い続けるゲーマーが多数派でもあるのだ。なお、下にはYouTubeの「東京消防庁公式チャンネル」にアップロードされている動画「誤った充電によるリチウムイオンポリマー電池からの出火」を掲載する。間違った使用方法による危険性を確認することも大切なので、ご確認いただきたい。

□「調査ニュース - 東京消防庁」模型自動車等用のリチウムポリマー電池において、「過充電」が起こる理由

【誤った充電によるリチウムイオンポリマー電池からの出火】
左から4つめまでが既存の玩具用リポバッテリー。ケーブルの色やコネクターの形状までバラバラだ

 電動ガンのパイオニアである東京マルイも当然ニッケル水素バッテリーに変わるバッテリーの必要性を認めつつ、ユーザーとその家族、周囲にいる人の生命・財産を脅かす製品を拙速に発売することに慎重な姿勢だった。

 しかし、ようやく安全・安心な初めての電動ガン専用「リポバッテリー」である「MS・Li-Po バッテリー」の開発に成功。当初は2021年に対応電動ガン「次世代電動ガンMP5A5」と同時発売を予定していたが、世界的半導体不足の影響で2023年5月にようやく発売となった。

東京マルイ製「MS・Li-Po バッテリー」

 「MS・Li-Po バッテリー」は、従来のリポバッテリーのメリットを備えているのは無論のこと、安全装置やハードケースなど安全面へ充分に配慮した造りになっている。

 さらに東京マルイは、同製品に対応した電動ガンや専用充電器「セーフティチャージャー」、目に見えない状態をモニタリングする「MS・Li-Po バッテリーチェッカー」に大型で2重の保護バッグ「MS・Li-Po セーフティバッグ」などを用意することで、より安全に運用可能な自己完結するシステムを構築した。

 その為、説明書を読みながら繋いでいけば、初心者でも安全にリポバッテリー環境に移行できるようになっている。リポバッテリー初心者であっても安心・安全に使用できる「MS・Li-Po バッテリー」が発売された2023年が、エアソフトガン業界に真のリポバッテリー時代が始まった「リポバッテリー元年」だといえるだろう。

 次のページでは、「MS・Li-Po バッテリー」に対応するエアガン4種を見ていく。

既存の玩具用(左)に比べ、「MS・Li-Po バッテリー」(右)のシステムの統一感は一目瞭然
「MS・Li-Po バッテリー」(左)と既存のリポバッテリー(右)のチェッカー。既存の物は端子が幾つもあって挿す場所が不明瞭
「MS・Li-Po バッテリー」(右)は二重のセーフティバッグに入れたまま安心・安全に充電できる