レビュー

「サイガ-12 SBS」レビュー ガスブローバックショットガン+フルオートの爽快感が魅力!

小さな変更でフルオート化された「サイガ-12 SBS」大迫力の射撃を体感!

 それでは早速実射に入る。「サイガ-12K」同様、「サイガ-12 SBS」のマガジンも内部分離式だ。工具不要で内部を取り出し、温度センサーが確認出来る様になっているので便利だ。

 ローダーで30発づつBB弾を装弾したらインナーマガジンを取り出し、発射ガスを拭き戻すまで充分に充填したら、温度センサーを確認する。マガジンが25~30度の間になっていないと安定した作動が望めないので、手で握ったりして暖めてやろう。逆に高温になり過ぎするとトラブルの原因なので、夏場などは炎天下に放置したりせず、適温になるように管理してほしい。

「サイガ-12K」(下)と「サイガ-12 SBS」(上)のマガジンは共用できる
25~30度の適温に保ってやる

 実射の前に、気になるフルオートポジションを確認しておこう。セミオートの「サイガ-12K」をフルオートにすると聞いて、内部機構が大幅に変更されるものと思っていた。しかしパーツリストを確認すると、外観の大幅な変更に比べると、「サイガ-12 SBS」専用のパーツは意外な程に少ない。インナーバレルが短くなった他は、ボルトの前とセレクター類が変更になっただけなのである。

 実銃のAKがパーツ毎のクリアランスを大きくして宙に浮いている様に組み合わせることで作動の確実性をあげた設計になっていて、それに準じた「サイガ」も同様に余裕がある発射機構だと言える。何より、それを再現した東京マルイ「サイガ-12K」の発射機構に充分な耐久性、確実性が備わっていたからこそ、今回のフルオートポジションの付与が、最小限の変更で可能になったのだろう。

矢印がマガジンのオートストップシステム。左の位置だとオートストップオン、右の位置だとオフで空撃ち可能になる
「サイガ-12K」(右)と「サイガ-12 SBS」(左)の機関部の大きな違いは赤丸内のセレクター
「サイガ-12K」(下)で赤丸内のセレクターにあった突起が「サイガ-12 SBS」(下)の赤丸内のセレクターでは無くなっている

 なお、今回も「次世代電動ガン MP5A4」のレビューでも利用した埼玉県川口市のサバゲーショップ「ミリタリーブラッド」のシューティングレンジで試射を行なった。

 マガジンを装填し、コッキングハンドルを確実に引いてパッと放す。「サイガー12K」で同じみの操作から、先ずセミオートで撃ってみると、全体的にコンパクトになった分反動がより強く感じられた。

 もちろんセミオートでは「サイガ-12K」に勝るとも劣らない迫力あるブローバックを楽しめる。BB弾も固定ホップで15m先のターゲットまでフラットに飛んでいき、金属のターゲットをなぎ倒した。サバイバルゲームでの実用性も充分だ。

 そしていよいよフルオートポジションへセレクターを動かし、トリガーを引いてみた。すると凄まじい衝撃が身体を襲い、並んだ金属ターゲットをなぎ倒し、アッと言う間にオートストップ状態となった。セミオート以上の迫力をぜひ味わってほしい。

 パワーの方は東京マルイの「ファイネストBB 0.2g弾」を使って、初速65.09m/sの0.42J程度。まだまだ寒い時期のガス式ショットガンとしては充分なパワーが出ていて、夏場はもっと出ると思われる。夏場は0.25g弾を使うなど、ガスガンらしい工夫をしてみたい。

とにかくド迫力の「ぶっ放す」感覚
この時期のガス式ショットガンとしては充分なパワー

 次世代電動ガンでも充分反動は感じるし、ガスブローバックマシンガンは本物感を体感できる迫力がある。「サイガ-12K」は、セミオートながら大口径のボルト・シリンダーでフルオートを凌駕する反動を味わえた。一方で「サイガ-12 SBS」のフルオート射撃は、今までのエアソフトガンには無かった程強力なリコイルなので、「とにかく撃って楽しい“ぶっ放す”爽快感」があるのだ。

 それでいて、サバイバルゲームで使ってみたくなる実用性も感じられた。「サイガ-12 SBS」の3発×30連射=90発を一気に叩き込むフルオート射撃は、複数の相手を薙ぎ払う可能性を秘めている。この夏、サバイバルゲームシーンを席巻してくれそうな期待を抱いた実射体験となった。


先進的な外観の「サイガ-12 SBS」フルオートは初めての衝撃! サバゲーでの実用性も高い!!

 全体的に「サイガ-12 SBS」は、いわゆる旧東側の銃とは思えない、スタイリッシュでモダンな雰囲気の銃に仕上がっている。

 筆者も自戒を籠めて言えば、永らくAKは木と鉄で構成されたシンプルな外観という固定観念を持っていた。しかし、特に21世紀に入ってから、ロシアは無論のこと、各国のクローンAKも、樹脂パーツを多用し、レイルシステムで光学器機やオプションパーツを搭載するのが当たり前となった。そこにかつての野暮ったさはない。

 エアガンにおいても、東京マルイが世界初の電動AKをリリースした1990年代から、オリジナルデザインのAKを世に送り出してきている。ある意味で同社はAKモダナイズドの先達であり、旧西側の銃に勝るとも劣らないスタイリッシュなデザインを数多く出してきたのだ。そんな東京マルイによる「サイガ-12 SBS」がカッコ良いのは当然のことと言える。是非とも固定観念に囚われず拡張性を活かした自分なりの「サイガ」にカスタマイズして欲しい。

 そして何より強調したいのが、「サイガ-12 SBS」の最大の魅力はやはり「フルオートガスブローバックショットガン」という射撃性能だ。とにかくこれまでに無かった衝撃による“ぶっ放す”爽快感を体感してほしい。

【「サイガ-12 SBS」カスタム例】
「NEWプロサイト」「LEDプロライト」「ショートフォアグリップ ブラック」
「AK74用サイドロックマウントレイル」「サイガ-12K スペアマガジン」「クイックアジャスト・ツーポイントスリング レンジャー・グリーン」「レイルスリングアダプター」
「レイルスリングアダプター」でフロント部にもスリングを取り付けられる