トピック

ガス・次世電動ガン対応! 東京マルイ製エアガンメンテナンスガイド

ガスブローバックマシンガンのメンテナンス

「AKM」編

 次世代電動ガンに比べると、ガスブローバックマシンガンのメンテナンスは手間がかかる。しかし、この作業が非常に楽しいのだ。というのも東京マルイのガスブローバックマシンガンシリーズは、トイガンとしての完成度を追及し動作性や集弾性などを向上させるための独自の変更を加えつつも、実銃と同様のテイクダウン機構、内部構造を実現。まるで実銃をいじっているような感覚でメンテナンスを堪能できるのだ。まずは「AKM」のテイクダウン方法について解説していこう。

 実銃のAKシリーズと言えば、構造がシンプルで整備しやすいことに定評がある。東京マルイのガスブローバックマシンガン「AKM」もその美点を再現しており、工具なしに通常分解が可能だ。手順は、まずマガジンをはずしてから、保護キャップを装着。それからセレクターレバーをセミオートまたはフルオートに合わせる。

今回は手元に保護キャップがないので装着していないが、万が一のためにも射撃以外のときには保護キャップを装着することを習慣としておきたい

 次に後方のレシーバーカバーロックを押してから、レシーバーカバーの後部を持ち上げて、そのままうしろに引き抜く。

レシーバーカバーロックを押すとなかに引っ込む。レシーバーカバーは斜め後ろに引き抜いても、取り外し可能だ

 今度はリコイルガイドアッセンブルを前方に3cmほど押し込んだあと、上方に持ち上げてから、うしろに引き抜く。整備状態によってはこのあたりから手がオイルで汚れる可能性があるので、ビニール手袋などを装着していると作業しやすい。

(写真のレバーはセーフティに入っている)
リコイルガイドアッセンブルは引き抜くと中央で折れ曲がるが、それで正常なので安心してほしい

 最後にボルトアッセンブルを最後端までずらしたあとに、後端部を持ち上げ、そのまま後方に引き抜く。構造が単純な「AKM」は、慣れれば15秒ぐらいでここまでの分解が可能だ。もちろんメンテナンスはスピードよりも、安全性や正確性のほうが大事。丁寧に、確実に作業していこう。

セレクターがセーフティに入っていると、ボルトアッセンブルを最後端まで下げられない。セミオート、フルオートに合わせていれば、スムーズにスライド可能だ
最後まで通常分解すると、レシーバーカバー、リコイルガイドアッセンブル、ボルトアッセンブル、本体、マガジンに分かれる

 通常分解したら、チャンバー内のクリーニングと、作動部への注油が可能。ただし、チャンバー内のクリーニングは命中精度が落ちてきたときだけでよい。一方、作動部への注油については定期的に行なうべきだ。目安としては1000発程度と言われているが、使っていなくても数カ月に一度はテイクダウンして、状態を確認しておこう。

 チャンバー内のクリーニングの手順は、マガジンをはずしてから、ホップダイヤルを手前側に回して最弱まで回す。その後チャンバー内にシリコンメンテナンススプレーを0.5秒ほど吹きかけてから、綿布を巻き付けたクリーニングロッドを回しながら発射口に差し込んでクリーニングする。

 あとは60~70発ほどBB弾を発射して余計な油分を飛ばせばクリーニング完了だが、この作業は直後でなくてもいい。サバイバルゲームフィールドなどのシューティングレンジに行ってから作業しても構わない。ガスブローバックマシンガンは作動音が大きいので、騒音トラブルを避ける配慮が必要だ。

「AKM」のインナーバレルはかなり奥まった位置にある。中心を慎重に探りつつ、クリーニングロッドを差し込もう

 作動部への注油は、ロアレシーバーのノッカーやハンマー付近、ボルドアッセンブルのピストン内とリコイルスプリングの穴にシリコンメンテナンススプレーを吹きかけ、そしてボルトアッセンブルのレール左右にグリスを塗る。シリコンメンテナンススプレーを吹きかけすぎると、相当数BB弾を発射しなければ、余分な油分が残り続けてしまうのでくれぐれも注意してほしい。

 レールにグリスを塗る際には側面だけではなく、凸部全体にまんべんなく塗ること。まめに注油していれば、パーツの摩耗は最低限に抑えられる。

注油前に綿布で拭き掃除しておくと、汚れ具合でパーツの摩耗の度合いを判断できる

「M4A1 MWS」編

 「M4A1 MWS」は「AKM」に比べると構造は複雑だが、こちらも通常分解であれば工具なしで行なえる。電動ガンではテイクダウンピンを押すためピンポンチが必要となることが多いが、東京マルイのM4系のガスブローバックマシンガンであれば、指で押し出すことが可能だ。

 テイクダウンの手順は、マガジンをはずして、保護キャップを装着。フレーム後部を上下から押しながら、テイクダウンピンをフレーム左側から押し込み、その後右側から止まるところまで引き出す。

テイクダウンピンは完全に引き抜くことはできない

 つぎにハンドガードを掴んで下側にゆっくりと力を入れて、アッパーフレームを開く。このとき力を入れすぎると、前方のヒンジ部分にキズや歪みが生じる可能性があるので、優しく作業しよう。

M4系ガスブローバックマシンガンによっては、フレームがこれ以上開かないモデルもある。無理に力を入れないように注意してほしい

 あとはチャージングハンドルアッセンブルを少し引いてから、一緒に出てくるボルトアッセンブルもつかみ、まとめて引き出せば通常分解は完了だ。

 なお、ボルトアッセンブルを抜いた状態でアッパーとロアのフレームを閉じてしまうと、フレーム内にバッファースプリングガイドが飛び込んでしまうので注意してほしい。万が一そうなってしまった場合の解決方法が説明書に記載されているのでそちらを参考にしていただきたい。

慣れてくれば片手で引き出せるが、最初のうちは机の上などに置いて、両手で作業しよう
完全に通常分解すると、本体、チャージングハンドルアッセンブル、ボルトアッセンブルに分解される。前述の理由から、通常分解後はアッパーとロアのフレームを閉じないように注意してほしい

 作動部への注油は、ハンマー付近、バッファ、シリンダー内にシリコンメンテナンススプレーを0.5秒程吹きかける。シリコングリスについては東京マルイの説明書では特に指示されていないが、個人的にはボルトアッセンブルのレール部分などに塗布したほうがよいと思う。

メンテナンスはいいことずくめ、デメリットは手が汚れることぐらい

 今回、ガスブローバックハンドガン、次世代電動ガン、ガスブローバックマシンガンのメンテナンス方法を解説してきた。作業的には手間がかかるし、特にサバイバルゲームのあとは億劫になることもあるが、筆者はこのメンテナンスの時間が大好きだ。

 愛銃を汚れたままにしておくのは忍びない。そして、通常分解までの範囲でも構造に対する理解を深められるし、なにか不調が起きた場合でも、原因を特定しやすくなる。そしてなによりこまめなメンテナンスによって、エアガンの性能を高く維持し、より長く利用できる。デメリットは一時的に手が汚れることぐらい。あとはいいことずくめだ。

 もちろんこれ以上のメンテナンスを否定するわけではないが、東京マルイの手厚いアフターサービスを受けたいのであれば、まずは通常分解までのメンテナンスに留めて、よりエアガンに対する知識が身についたときに、自己責任でより高度なメンテナンスに挑戦するかどうかを検討してみてほしい。