インタビュー

大人のための会員制カードゲームサロン「不知火」が秋葉原にオープン!

ブシロード木谷高明社長からのDMで20歳でブシロード入社

――中条さんの自己紹介をお願いします。

中条氏: カードゲームで育った25歳の作家業です。

【スタジオアックス代表の中条兜氏】
スタジオアックス代表の中条兜氏。カードゲーム業界での経験は豊富だ

――中条さんが最初に触れたTCGは何でしょうか?

中条氏: 最初に触れたのは親にパックを買ってもらった「遊戯王」と「ポケモンカードゲーム」です。あまり男友達と遊ぶタイプではなかったので、その頃は対戦はしませんでした。対戦する発想も無かったかも。

――今25歳ということは、子どもの頃に「遊戯王」とか「ポケカ」とか「デュエマ」とかはあった感じですよね。

中条氏: はい、まさにカードゲームで育ってきた世代です。小中学生を遊戯王とデュエマの隆盛で過ごして、中学から高校に上がるタイミングでヴァンガードが始まりました。父親が転勤族でいろいろな地域で過ごしてきたんですが、どの地域でもやっぱりカードゲームって共通言語でした。

――強いと尊敬されますよね。男子だとカードゲームが強いとリスペクトされるというのはあると思います。

中条氏: どんな人でも共通のコンテンツやルールで繋がれるという点で、カードゲームというのは優れた趣味だなぁと感じてました。強さはあんまり気にしてなくて、多分弱い方だったと思います。お小遣いも少ない方でしたし。なのでカードをたくさん持っている友達のカードのフレーバーテキストを読んでました。

――好きなカードゲームは何ですか?

中条氏: 世界観がちゃんと描かれていて、体験とリンクしているゲームが好きです。学生時代はデュエル・マスターズとヴァンガードを真剣にプレイしていました。ちょうど中学生になるくらいのタイミングで父の転勤族人生が落ち着きまして、中学生の間はほとんどカードゲームは引退していました。

 受験が終わり暇になって、その時にカードキングダムさんの動画を見て再びカードゲームに興味を抱きました。近くに店長を中心としたしっかりとしたコミュニティがあるカードショップがあり、そこの年上のお兄さん、兄貴分についていくような形でデュエル・マスターズやヴァンガードをプレイするようになりました。

――デュエル・マスターズはどれくらいの時期ですか?

中条氏: ちょうど主人公が勝太君に変わったときですね。

――エピソード1くらいですか。

中条氏: はい、エピソード1ですね。そのタイミングで僕がその店に通い始めて、お店の強くてかっこいい人たちのグループに溶け込めたっていう感じですね。カードゲームが面白いというよりも、そのお兄さんたちとやるカードゲームが楽しいっていう感じで、モチベーションが続きました。

――もちろんヴァンガードも好きなんですよね?

中条氏: はい。そうですね。ヴァンガードは「今日のカード」のユニット設定がちゃんとあるところが好きでした。アニメや背景設定と能力がリンクするようなエピソード性を大切にしているゲームが好きです。

――バディファイトもそうですよね。

中条氏: 原作者の池田さんは純粋にクリエイターとオタクの先輩として尊敬していて、ファンでもあります。「遊ぶ人目線」のクリエイターとTCGが噛み合った時の爆発力は凄くて、池田さんはこれまでの豊富なオタク経験値からそれを創造できる方だと思います。

――中条さんは、カードゲームの開発にも関わってきたそうですが。

中条氏: 18歳で大学を爆速で辞めて、ダーティなフリーのライターで食べていた時期が2年ぐらいありました。海外のソシャゲのサブシナリオ書いたりとか、単発単発でフリーのライターとして食っていた時期ですね。もちろん、そのときにもやっぱりカードゲームは続けていました。その当時放映されていたヴァンガードのアニメの作られ方に違和感がありまして、ざっくり自分の今までの経験から、「アニメ側とカード側の販促のコミュニケーションがとれてないんじゃないか」みたいな予想をツイートしたんですけど、2日後くらいに友人から「お前、ブシロードの木谷社長(当時)にフォローされているぞ」と聞いて、確認したら本当でした(笑)。それでDMを見てみたら連絡が来ていたんですよ。凄く驚きました。

 それで急遽木谷社長と会ってお話しすることになり、そこでありがたい声がけをいただいて、20歳の時にブシロードさんに入社しました。

――いきなり大抜擢ですね。

中条氏: 抜擢っていうのもおかしくて、わがままなガキが押しかけたぐらいの勢いなので、純粋に木谷社長の器量と漢気だと思います。そこから1年ぐらいは「お前が正解だと思うものをやってみてくれ」という風に言っていただいて、アニメ担当スタッフ・原作設定として自分なりの面白さをぶつけて、カードとアニメの世界観をちゃんと繋ぐ、見ているとカードがやりたくなるアニメを目指すっていうことができたのかな、と。

 ただ、もともと野良犬なので、会社員がやっぱり向いてなくて。3年目で独立させていただいて、今の立ち位置、外部からブシロードさんを始めとして様々な企業さまに、コンサルとか広告とか、原作提供みたいな面でお仕事をさせていただいております。またフリーに戻ったっていう感じです。

――それはいつ頃ですか?

中条氏: 2年前くらいですかね。「スタジオアックス」という屋号でいろんなお仕事をさせていただいてます。