インタビュー

大人のための会員制カードゲームサロン「不知火」が秋葉原にオープン!

緊急事態宣言が明けてから1カ月は事前予約で来店可能

――クラウドファンディングが終了しましたが、完全会員制に移行したということで、今後会員になりたいという人はどうすればいいのでしょうか?

中条氏: 非会員でも会員と同伴であれば入場できますし、その場で会員権の購入もできます。また、特例的な措置ではありますが3月中及び緊急事態宣言明けから1ヶ月は僕に予め連絡をいただければ、僕の招待という形で来店及び会員権の購入を行っていただくことも可能です。

――営業時間と定員について教えてください。

中条氏: 平日は17時~23時、土日祝は12時~23時を予定しています。月曜日が定休日です(筆者注:非常事態宣言が延長されたため、3月中はプレオープン期間として、土日の12時~20時のみオープンとなる)。

――それなら休日はかなり長く居られますね。

中条氏: そうですね。基本的に回転数を考える薄利多売ではなく、もうここが好きっていう人に、1日遊びに来ていただくことが一番かなと考えております。40席くらいあるんですが、快適なのは20人ちょっとだよねっていう感じですね。20人ちょっとだと、フラフラ店内を歩くスペースもありますし。

 僕らとしては会員の価格設定とかは、Uber Eats側の事業やそもそもここを作業場として使うという部分を差し引くと、実は少人数ごの来店でも回っていけるお店だな、という試算ができていて、皆さんが集うようになっていただければいただくほどいろいろお安くできるなっていう感じです。

――会員の解約、返金対応はできるのですか?

中条氏: とにかくアンフェアなのがすごく嫌いなので、解約や返金対応はいつでも可能です。会員になられて、ちょっと最近行けてないから解約したいとか、そういった理由での解約はあれなんですが、やっぱり僕の思っていたものと違ってた僕はここでは楽しめないっていう人に、いやいや、楽しんでよとは、僕はあんまり強制はしたくなくて。そういった方は相談していただければ返金はできます。逆にその人たちを縛り付けて、いやいや不知火に染まってよっていうのも僕は嫌です。

カードゲーマーの力を信じたことは間違いではなかった

――クラウドファンディングは176%達成となりましたが、どう評価されていますか?

中条氏: 評価云々で言うと1票でも入れてくれる人がいた時点で、1人でも会員になってくれた方がいる時点で勝ちだなと思っています。176%という結果については、緊急事態宣言下にも関わらず賛同しご支援くださった皆様の行動力と決断力の賜物だと感じております。この場を借りてお礼を言わせてください。支援者の皆さま、拡散にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

――私もクラウドファンディング開始初日に会員になりましたが、出足はかなり早かったですよね。

中条氏: ありがとうございます。そうですね。速度感についてはカードゲーマーの情報収集力に助けられた側面が大きいと思います。今回のクラウドファンディングではそういったカードゲーマーのしっかり身につけてきた力みたいなものを僕自身もある種信じていたので、それが間違いじゃなくて本当に良かったなと思っております。

ファーストドリンクは100円のヤクルトでもいい

――通常会員、ゴールド会員は1ドリンク制とのことですが、ドリンクメニューはいくらくらいでしょうか? ノンアルコール、アルコールそれぞれ教えてください。

中条氏: ファーストドリンクはざっくり500円くらいのセットから選んでいただくことになります。ノンアルコールドリンク+お菓子か、アルコール+おつまみのセットがあり、選べる形にします。しかし、ドリンク要らないよという方もいらっしゃると思うので、裏メニュー的に安価なヤクルト1本100円みたいな物もご用意する予定です。

――それ、すごいですね。普通、ワンドリンク制のバーなんかだと、それなりに高いというか、ワンドリンク600円とか700円とかするところも多いですよね。

中条氏: 水物のお店でもあるんですけど、やっぱり水物の値段が高くてカードゲームができないということにはなって欲しくなくて。やっぱりカードを楽しむ上で、僕は隣にジュースやお酒がある方が楽しいんですが、そうじゃない人もいる。そういう方に、強制をしたくないので、様々な「不知火の使い方」を容認できる柔軟な設計を心掛けるつもりです。

 非会員の方には、入場料2,000円と500円のファーストドリンクセットを固定でいただくことになりますが。

――非会員でもその2,500円で、開いてる営業時間帯、席があればずっと遊ぶことはできるんですよね?

中条氏: はい、御友人の会員の方とご来店なさればそれで遊んでいただくことは可能です。

――店によっては、ワンドリンク制といっても、ワンドリンクで2時間みたいな縛りがあって、何か次の注文お願いしますとかありますけど、そういうのもないんですか?

中条氏: 基本的には仕組みとしてはないですけど、そこでいうと、それで粘られてもいいように年会費を最初にいただいているという面があります。あと、それで粘れることを知った人はたぶん毎週粘りに来るんです。それでいいんじゃないかなと。

――人と対戦したいために来るわけですからね。

中条氏: 結局、店に人がいることが重要だと思うので、漫画もほとんど僕の私物なんですけど、結構置いてます。飲み放題も終日で2000円とかでできるようにするので、別に必ずしもゲームをやりに来なくていいんですよね。僕は観戦しながらコーヒー飲んだりお酒飲んだりっていうのも、結構満足感の高い体験だなと思っています。だから置いてあるワンピース全巻読むとか、そういう目的でもいいんじゃないでしょうか。

 1回来ると、12時から23時までだから11時間あるから、3回来れば全巻しっかり読み切った上にお気に入りのエピソードは読み返せるんじゃないかな。それで考えると年会費と飲み放題3回で、あ、ファーストドリンクで飲み放題も可能です。なので、もう時間単位で見ると漫喫より安いし、なんなら漫画読むのに飽きたときに、今からカタンやるんですけど一緒にどうですかみたいなところに加われると考えたら、割といい環境なんじゃないでしょうか。

【ワンピースも揃っている】
ワンピースも既刊がすべて揃っている
漫画喫茶代わりに使うのもアリだ

――大学の結構ゆるいサークルの部室とかの雰囲気ですね。

中条氏: 一番近い概念はそれです、結局その楽しさを共有するっていう概念で言うと、この空間自体が僕の理想とする楽しさのエゴではあるんですよね。なので、その空間を用意しました。この空間の中で僕がOKっていう楽しいことは全部やっていいよっていう。僕自身がカードゲームをカジュアルに楽しむ場の後で、ピザとかカレーとかを作っていて欲しいので、飲食提供をやるんです。

フードメニューも頑張りたい

――フードメニューの品揃え、価格についても教えてください。

中条氏: フードメニューに関しましては、基本的に居酒屋だと思ってください。固定のアラカルトメニューがあり、いわゆる「まぁこれはあるよね」という物は時期を問わず揃えていく予定です。ご飯系の物は逆にランダムというか、アドリブにやろうと思っています。その時期の物だったり、話題の物だったり、会員からのリクエストを反映したり。その辺も臨機応変に、やっていこうと考えています。

――では、フードメニューの基本的な固定のものの値段は、格安居酒屋よりは高く、だけどそこまで高くはないくらいの感じですか?

中条氏: はい、高級食材にこだわってます!みたいなことはないです。時期とタイミングによってはあるかもですが。食事すら楽しみの1つだと考えていただければ。

カード資産の格差がないドラフトやガンスリンガーを中心にイベントを開催

――イベントも積極的にやっていかれるようですが、どのようなイベントを予定していますか?

中条氏: 一番大事にしたいなと思っているし、何回も繰り返しやりたいなと思っているのは、デッキをゼロから構築して遊ぶ系のドラフトであったりガンスリンガーですね。楽しいし、カード資産の格差もないですから。その日限りの体験をしながらゲームそのものの面白さを味わうことができる。

 これは大事にしていきたいし、いわゆるドラフトとかキューブドラフトとかが遊びやすいお店にするべきだなっていうのはプレオープンを通して、強く感じました。

――キューブドラフトって結構遊べるところ少ないですよね。だいたい有志がキューブを作ったのをショップに持ち込むか、その人の家でやるかみたいな。だからそういう意味では、代表的なTCGのキューブセットも用意されるのでしょうか?

中条氏: そうですね。作れるキューブは作ろうかな、と考えています。ただ分からないゲームについては、練度の高い会員さんのお力を貸していただくことになりそうです。

ゲートルーラープレーヤーと不知火という空間の相性はよい

――TCGのパックやスリーブなども店内で買えるのでしょうか?

中条氏: 完全に仕入れないことはないです。委託販売みたいな形式での販売はあるかもしれません。どちらかというと、カードショップさんの領分はできるだけ侵したくない気持ちがあります。秋葉原で買ってきて来てくれと。カードショップさんを否定したくて不知火を作ってるわけではないので。

 ただ、ゲートルーラーに関しては普通に買えるところが少ないので、何かやるかもしれません。ゲートルーラーに関しては実際いろいろあるじゃないですか(笑)。でも、みんな面白いゲーム大好きで、そういう色々に関係なく、ひたすらゲームにのめり込んでいる。面白いゲームに対する強い意志を持ってる方が集まっているので、互いへのリスペクトもやっぱりすごく高いんですよ。ゲートルーラーのプレーヤーは俗的な言葉を使ってしまうとすごく民度がいい。他のゲームを貶める意味合いではないんですけど、やっぱり純粋にゲームそのものの魅力を楽しむっていう欲求を持ってる人たちが集っている点では、ゲートルーラーがというよりゲートルーラープレーヤーと不知火という空間の相性はやっぱりいいと思っています。

――貸し出しデッキも用意されるのでしょうか?

中条氏: 今、用意してますけど、ノウハウの構築が大変です。ただ環境デッキをコピーすればいいというのは貸し出しデッキではないと思っていて。なので、いろんな構築とか理念とかを試しながら、どのラインがいいのかなっていうのを作っているところですね。

 貸し出しデッキについては2パターンぐらいをご用意するつもりです。1つはもう完全にほとんどバニラのようなデッキ、初心者かいるときにルール講習に使えるデッキ、これは貸し出しデッキとして用意しておくべきだと思います。もう1つはアニメとかを再現きるデッキ、キャラクターが使っていたデッキですね。それぞれにデッキランク、強さみたいなのをつけて、強さが同じでデッキ同士でやるといい勝負になるようにしようかなと思っています。それで貸し出しデッキリストを作ったら、作らなきゃいけないデッキが遊戯王だけでも30超えたりとかになってるので。

 ただ完成すれば間違いなくノウハウを含め財産になるので、担当スタッフには頑張ってもらってます!

――それは順次という感じですね。

中条氏: はい、これも順次ですね。メジャータイトルを揃えつつ、僕らでやっぱりカバーしきれない知らないゲームとかもあるので、そこについては会員さんのご意見や御力をどんどんお借りしたいです。貸し出しデッキについてはもうそれこそ本当に自分の好きな楽しいを共有するっていうモチベーションの高い方々と一緒に組み上げていければなと思います。むしろ、会員さんで、これ、眠ってるデッキで使ってないんだけど、不知火に置いておいてもいいよというデッキをお持ちなら、持ち込んでいただけるとすごく助かります。

――会員の特典として、会員限定チャットルームが用意されるとのことですが、それはいつからスタートですか?

中条氏: 3月8日からですね。専用Discordサーバーに招待させていただく形になります。その中で、会員同士のフリーチャット、来店するよ宣言ができる場所、僕への要望が言える場所みたいに、部屋を分けてやっていきます。正直、店舗よりこっちの方が本体なんじゃないかという説もあります。

――1人で不知火に行った場合など、中条さんがTCGの対戦相手となってくれるのでしょうか?

中条氏: はい。手が空いていれば。ただ一応、「仕事をしているぞ、俺の後ろに立つな」札を作ろうと思っていて、その札が立っていない場合は、いつでも話しかけてもらえればなと思います。対戦相手にもなるし、まぁただ、他の会員がいる場合は、僕と遊ぶより他の会員さんと遊んだ方が楽しいと思います。

――中条さんはTCG一通りプレイできるんですよね。

中条氏: 一通りできるんですけど、やっぱり自分のデッキ持ってなかったりするとすんなりとは遊べない。逆に言うと僕ができないことを教えに来てほしいくらいです。「おい、中条、お前このゲームやったことがないだろう。教えてやる、今日から師匠と呼べ」みたいなテンションで(笑)。沼に落とすつもりの人は僕が1人でいるときに話しかけてもらえれば。

 一応、お店に僕がいるのが通常なので、いない場合はいませんって、会員限定チャットルームに書きます。

【快適な空間をみんなで作り上げていく】
「1人で来た場合でも、気軽に話しかけて欲しい」

面白いゲームの「信者」が集う場所にしたい

――中条さんは「不知火」をどのような場にしたいと考えているのでしょうか?

中条氏: サロンって聞くと宗教とか、信者集めみたい印象が強い人はいると思うんですよ。ぶっちゃけ間違ってません。同じ考え方や価値観の人とか、これっていいよねっていうビジョンを持ってる人が集って、それぞれを安心してコミュニケーションする場所なので、信者が集う場所なのは間違ってないんですけど、中条の信者が集う場所ではないということは断言したい。

 面白いゲームの信者が集う場所が不知火です。僕もその信者の1人だし、なんなら司教。あくまで主題は「面白いゲームを通じた交流と体験」であり、それに価値を感じる人たちで、新たな「正解」を作り出す場所だと考えています。

――HOBBY Watch読者へのメッセージをお願いします。

中条氏: あなたは今、満足に遊べていますか?楽しいですか?安心できていますか? あなたが面白いゲームの信者であり、他の会員を否定しないのであれば、不知火はきっとあなたの理想の隠れ家になるでしょう。興味がある方は、僕か不知火のTwitterアカウントまで連絡をお願いします。以上、中条兜でした!

――ありがとうございました。