インタビュー

ゾイド「アダマスマキナ AM-Z02 ブレードライガー」開発担当者インタビュー

空力を意識したアダマスマキナならではの蒼き獣王が登場

【鋼鉄機神 アダマスマキナ AM-Z02 ブレードライガー】
2027年3月下旬 発売予定
価格:38,500円(税込)

 タカラトミーのハイターゲット向け新ホビーレーベル「T-SPARK(ティースパーク)」より展開される完成品合金モデル「鋼鉄機神 アダマスマキナ」シリーズで、「ZOIDS(ゾイド)」第2弾「ブレードライガー」が立体化。

鋼鉄機神 アダマスマキナ AM-Z02 ブレードライガー

 「ブレードライガー」はTVアニメ『ゾイド-ZOIDS-』や『ゾイドバトルストーリー』などに登場したヘリック共和国軍のライオン型ゾイド。

 高機動戦闘を得意とするゾイドであり、前脚のストライククロー、牙のレーザーサーベル、そして主武装となるレーザーブレードといった武装を持ち、格闘戦に秀でている。また、Eシールドジェネレーターによる防御性能や胸部のAZ2連装ショックカノン、レーザーブレードに備わったパルスレーザーガンといった射撃武装も備える。

 今回の「鋼鉄機神 アダマスマキナ」シリーズでは「機獣の可動」と「ゾイド生体構造」を追求し、ダイキャストを使用して立体化。アクション性を極限まで高め、動物的な動きを追求した可動域を実現。

 また、8月27日から8月30日に東京ビッグサイトで開催されるイベント「東京おもちゃショー2026」にて展示を予定している。

【【鋼鉄機神/アダマスマキナ】AM-Z02 ブレードライガーPV】

 今回「鋼鉄機神 アダマスマキナ AM-Z02 ブレードライガー」の試作品の写真を交えつつ、本商品を担当するタカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部企画開発課の中瀬崇嗣氏に話を聞いた。

タカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部企画開発課の中瀬崇嗣氏

「ブレードライガー」の新境地。風を切る高速戦闘ゾイドのカッコよさを表現

――今回アダマスマキナのゾイド第2弾として「ブレードライガー」の商品化の経緯を教えてください。

中瀬氏:まず、アダマスマキナの第1弾として「AM-Z01 バーサークフューラー」が発売されました。こちらは装甲を纏った通常の姿のほか、これまでに再現されたことのなかった野生体を再現できるといった特徴がありました。

中瀬氏:今回第2弾ということで「ブレードライガー」は「ゾイド」シリーズの中でも人気のあるゾイドであることが理由の一つになっています。

 人気のあるゾイドということで、ムービングキット「ADVANCED Zi」(AZ)やアクションプラモデル「リアライズモデル」をはじめ、数多くの立体化されてきた機体でもあります。

 そのため、アダマスマキナならではのアレンジを盛り込んだデザインにすることで、これまでにない攻め込んだ方向性で「ブレードライガー」を生み出せるのも決め手でした。

アダマスマキナ(手前)とAZ(奥)と比較
アダマスマキナ(中央)、AZ(左)、リアライズモデル(右)でサイズ感や造形アプローチの違いがわかる

――次に造形面ですが、アダマスマキナならではのデザインアレンジを教えてください。

中瀬氏:先に挙げたAZシリーズでは「動く躍動する生命感」、リアライズモデルでは「アニメやそのゾイドのキャラクター性の具現化」というコンセプトのもとに、構造やデザインなど行ないました。

 特にAZシリーズはメカ生命体というテーマを掘り下げていく中で「どういう動きが生物として正しいのか?」、「ネコ科の歩行時の動きはどのようになるのか」といった点を追求したデザインになりました。

 今回のアダマスマキナでは「機獣の可動」と「ゾイド生体構造」のコンセプトを基に、ポージングを追求し、軸位置の設定や、連動する関節などを構築していきました。

 メタ的な視点で言うとこれまでの玩具では「ブレードライガー」は「シールドライガー」の一部意匠を引き継いだデザインでした。

 今回アダマスマキナで立体化するにあたり、初期の1999年ごろのコンセプトスケッチにあった細身のシルエット、そして「ブレードライガー」のキャラクター性を掘り下げ、ブラッシュアップした形になっていると思います。

――プロポーションを見てもかなりシャープかつスマートな印象を受けました。

中瀬氏:「ブレードライガー」は高機動型ゾイドですので、デザイナーとも相談し、バイク的な空力を意識しました。

 わかりやすいところでは背中のブースターを覆う装甲が小さくなり、ちょうどバイクの燃料タンク的な意匠が感じられるものになっています。そのうえで、全身はシャープで流線型のシルエットを持たせています。

 特に腰回りは細く、「ブレードライガー」の上部タテガミも薄めのデザインになっているなど、AZやリアライズとは違った印象になっています。また、左右のタテガミ部分に関してはコンパクトになっています。こちらは可動域を確保しつつ、マッシブでカッコイイ印象にするため、左右はコンパクトにし、上部は大型にしました。

 また、上記のタテガミのように尻尾のスタビライザーも薄く造形しています。

タテガミのデザインもアレンジされ、よりシャープな印象
正面から見ると上部のタテガミの薄さや左右のサイズ調整が伺える

中瀬氏:頭部のコックピットですが、今回は複座式になっており、パイロットフィギュアも2体乗せることができます。フィギュアのカラーリングも玩具設定に合わせ、往年の帝国の銀色に対して、共和国の金色になっています。

付属のパイロットフィギュアは元の玩具を踏襲して共和国軍カラーの金色が採用されている

――レーザーブレードもより肉厚なデザインにですね。

中瀬氏:本商品の最大の特徴として、レーザーブレードの発光ギミックは必須でした。そのため、光った時に映えるようなデザインを心がけました。レーザーブレードの刃はより大型化しつつ、パルスレーザーガンがブレードの一部に組み込まれたような形になっています。

 ブレードの光る位置や、見える部分の造形も迫力あるものにしつつ、マーキングを加えてより見応えのあるものに仕上げました。

レーザーブレードは新規デザインとなっている

――カラーリングの設定も青だけで複数使用されていますね。

中瀬氏:アダマスマキナは完成品合金モデルですので、その分パーツ数も多く色分けもより細かくすることができました。青に関しては、濃いブルーと薄いブルーがあり、あとはメタリックブルーも加えてカラーリングの密度を高めています。

 可動フィギュアになりますので、ポージングやパーツの干渉を踏まえて全塗装というわけではありませんが、成形色にもこだわり、尻尾部分も上部がグレーで下部を黒にして、尻尾の節を強調するような色合いにしています。

カラーリングも印象的な青を捉えつつ、情報密度の高い配色となっている

――「ゾイド生体構造」が感じられる点としては、どのような部分が挙げられますか?

中瀬氏:AZシリーズでも少し入っているのですが、背骨や骨格が動物の動きに追従する点ですね。AZシリーズでは歩行に合わせて、背骨部分が上下に動くようになっています。

 アダマスマキナでは自由にポージングが可能ですので、さらに踏み込んで腰の可動に追従して上下の動きに加え、左右にも動くようになっています。また、胴体に少し伸縮可動が入っており、引き伸ばした際にも背骨部分のパーツの間隔が開いて伸びます。

 これにより滑らかな骨格の動きとネコ科動物らしいしなやかさを表現できたかと思います。

 反面、可動個所が多すぎて、本日お見せしているデコマスがヘタってしまっていて恐縮です。ただし、金型はきっちり仕上げているのと、まだ可動を追い込んでいるのでテストショットで派手なポーズはお見せできると思い、本日は参考までにお持ちしています。

生体的な背骨造形はパーツ分けされ、動きに合わせて可動
ダイナミックな動きを見せつつ、骨格の動きも表現(写真はテストショット)

中瀬氏:合わせて喉部分にも、本来存在しないのですが骨の造形を加えて、頭部の動きに合わせて 上下左右に追従するようになっています。

中瀬氏:その他、生体構造の表現として、頭部は大きく上に動くようになっています。アダマスマキナでは、首の上下に加え、さらに一歩踏み込んで首と胴体の中間くらいに可動軸を設けたことで、前後左右の動きはさることながら、咆哮を上げる際の大きく頭を上げた動きを表現することができます。

リアウイングの無い生態的なデザイン感じる背中のラインを表現

――ダイキャストはどれくらい使用されていますか?

中瀬氏:ダイキャストは胸部のボディフレームなどに使用しています。持っていただいた時にその重さや金属ならではの冷たさが伝わるような配置になっています。

 また、前脚の前腕、後脚の足根部分にダイキャストを使用しています。

(写真はテストショット)

――可動についてですが、肩の動きや胴体はどのようになっていますか?

中瀬氏:肩軸の開きも軸を増やして、柔軟に動かすことができます。また、肩は大きく開くことができ、どっしりと構えたポーズなども表現できるようになっています。

肩を大きく開いて威嚇するような姿勢を取ることが可能(写真はテストショット)
腰を大きくそらせて咆哮を上げるようなアクションも可能(写真はテストショット)

中瀬氏:前脚のストライククローも指の一本一本が動いて、表情付けができるようになっています。また、肩のフィンに関しても開閉に加えて、根元部分が軸可動で回転させることができます。

 今回レーザーブレードが大型化していますので、これによってブレードの展開に合わせて位置を調整できるようになっています。

 さらに、脚部のシリンダー部分も動きに合わせて伸縮するようになっています。動きを付けることで躍動感や力強さが表現されるので、ここは可動モデルならではの表現になっているかと思います。

肩のフィンは展開の他、軸可動によって角度調整が可能
前脚、後脚の内部にあるシリンダーは動きに合わせて伸縮

――次にレーザーブレードの可動ですが、今回発光ギミックが入っている関係で動きの制限などはありますか?

中瀬氏:その点はご心配ありません。レーザーブレードは、背中でのいわゆる納刀状態はもちろん、印象的な左右に広げた状態や前面に切っ先を向けた状態、パルスレーザーガンの射撃状態など自由に動かすことができます。

 本商品では電源一つでブレードとキャノピーの発光ができるようになっています。腹部に単5電池を入れて、スイッチ一つで電力供給をする形になっています。

 レーザーブレードの内部に電飾のケーブルが入っているのですが、断線しないよう内部のあちこちで遊びを作って、一方向に負荷がかかりにくいように配線しました。

 頭部のケーブルに関しても胴体内部から1回巻いて、遊びを持たせて断線しないようにしています。

 開発段階では頭部とブレードにそれぞれボタン電池を仕込む方法も考えましたが、遊びやすさを考えて電池ひとつ、スイッチ一つでLEDが光るようにしました。

LEDによる頭部の発光(写真はテストショット)
LEDによってレーザーブレードの発光を表現(写真はテストショット)
LEDの配線に遊びを持たせることで、レーザーブレードの動きをしっかりと確保(写真はテストショット)
前面に刃先を展開することも可能(写真はテストショット)

――背中のブースター展開はありますか?

中瀬氏:もちろんブースターの展開は可能です。ただ、アダマスマキナでは装甲部分も小さいため、ブースターも小型化されています。開発初期はもっと小さいデザインでしたが、この本体を加速させることができるサイズは意識しました。

背部のブースター展開ギミックも搭載。アダマスマキナでは小型化されている

――全体を通して特にこだわったポイント、苦労したポイントを教えてください。

中瀬氏:やはり、可動モデルとしてのデザインを「AM-Z01 バーサークフューラー」以上に攻め込んで作ったのがこだわりポイントです。

 苦労したポイントとしてはやはり四足歩行の動物らしい可動域とポージング表現ですね。腰回りやポージング時の重量配分にはじまり、一番時間がかかったのはLEDの配置でした。

 先ほどもありましたが、胴体から単5電池1本で全部制御する配線にしましたので、断線しない構造を試作するのに試作を切った貼ったの繰り返しで時間がかかりました。

――今後のアダマスマキナでのゾイドシリーズの展開構想を教えてください。

中瀬氏:アダマスマキナシリーズは高額商品ですので、年に1つぐらいのペースでアイテムをリリースできればと考えています。

 その上で、オプションパーツの「アダマスマキナ AM-Z01CP バーサークフューラー シュトゥルム&ヤクトユニット」のような「こんなゾイドが商品化!?」といった驚きのあるアイテムも作ってみたいです。

――最後にユーザー様へのメッセージをお願いいたします。

中瀬氏:「鋼鉄機神 アダマスマキナ AM-Z02 ブレードライガー」は触って遊ぶことが楽しい、発見のある商品になっているかと思います。これまでの「ブレードライガー」とは異なる雰囲気を楽しんでいただけますと幸いです。

――ありがとうございました。