レビュー

「DX超合金 VF-1Sバルキリーロイ・フォッカースペシャル/ スーパーパーツ」レビュー

中山卓海

2021年1月14日 00:00

ガウォーク形態は逆関節の脚部がセクシーさも醸し出す

　ファイターからガウォークへの変形の際、両脚を前方へ振り出した後両腕を機体後方へスライドさせます。設定どおりの変形方法がうれしいですね。脚部は膝関節を伸ばしてから逆関節にしていきます。伸ばすのにも曲げるのにも超合金シリーズでおなじみクリック関節が仕込まれていますからチッチッチッと快音を立てながら関節のへたり対策にも万全ですし大型モデルなので自重に負けることもなさそうです。

　同様に足首も引き出して前後に開くとかなりの角度にできるので接地性能もだいぶ高い印象です。そのおかげで脛からつま先にかけてのラインが一直線になり、カカトがハイヒールでもあるためとてもセクシーなシェイプになります。

【DX超合金 VF-1S：ガウォーク形態】

脚のラインにセクシーさを感じると同時に、仕込まれた関節の数がとても多いことに驚きますね。膝下にロール軸があることで表情付けがとても豊かにできます

　バランスの良い太さの腕部を見ていきましょう。前腕部分に収納されたハンドを展開します。この大きさの中に全指関節可動のハンドが収納されているのが特徴ですね。そのハンドも収納のために小さすぎることもなくて非常にバランスがよいです。TV版のVF-1バルキリーは設定上丸指です。パッケージには丸指のハンドも付属していますのでそちらに付け替えてもいいでしょう。ただし丸指ハンドは変形時に収納できなくなってしまうので、ここまで出来のいいハンドがすでにあるわけですから全指可動のハンドのままで全然大丈夫ですね。

【DX超合金 VF-1S：ガウォーク形態】

こんなに多彩なアクションができてバランスの良い腕部はうれしいですね

　筆者はガウォーク形態の0.5段階前といってもいいガウォークファイター形態も大好きです。マクロスシリーズの劇中でも要所で効果的にこの形態が使われていてこの形態にしておくとグッとくるものがあります。脚だけを変形させ、腕は収納させたこの形態はまさに鳥のようなポーズとなります。

【DX超合金 VF-1S：ガウォークファイター形態】

この形態だけでもバルキリーの独自性がうかがえますし、1/1サイズでの変形するVF-1バルキリーを見てみたいものです

破綻のないプロポーションのバトロイド形態！

　今回のTV版VF-1Sは劇場版VF-1Sとは頭部のバランスが変わりました。よりTV版設定や作画に近い印象になったといいますか、ロイ・フォッカースペシャルの特徴的なスカルマークのどくろに寄せたデザインとなっています。そのスカルマークの入ったコクピットカバーも違和感なくスライドしてきてコクピットをカバーしてくれます。変形するバルキリーの立体物はここがキモでした。少々無理がある設定だったのをここまで違和感なく実現しているのは本当に驚きの構造ですね。

　胸部はこれはファイターとガウォーク形態のことを考えるとこの肩幅は致し方なしではありますが、全体の頭身バランスを見るとなじんでくるから不思議なものです。ボディを中心に四肢がスッと伸びていて説得力があり、これまでの完全変形VF-1バルキリーの中でも屈指のかっこいいバトロイド形態になっています。

【DX超合金 VF-1S：バトロイド形態】

背面から見ると大き目のランドセルも背面バランスの調整に一役買っており、プロポーションが計算しつくされているのがわかりますね

　脚部は股関節となるダイキャストパーツを機首部に埋め込みます。インテーク部にシャッターを取り付けるとソリッドな感覚もあって美しいシェイプとなります。インテーク下に外へ開かせる関節もあるので脚を開いたポーズもとてもかっこよく付けられます。このちょっとした開きが絶大な効果をもたらしますね。

　股関節のフレームは背中部わから延びるアーム状のダイキャストパーツとなっており、DX超合金ではこのアーム部が股関節部と分離できます。その構造のおかげで機首部で腰のひねりが実現できます。ただ、股関節部の固定があまり確実ではないため外れるとグラつく要因となりますから基本的にはアーム部と固定している状態の方が安定するようです。

【DX超合金 VF-1S：股関節の構造】

とても意欲的な構造でDX超合金だからこそできる機構ではありますが、外れやすいので今後の技術革新に期待したいですね