レビュー
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」レビュー
巨大な武器で派手なポーズがとれる楽しさ、武装で大きくイメージが変わる!
2021年7月22日 00:00
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は、「機動戦士ガンダム00」ファンはもちろん、「METAL BUILD」ファンにとっても注目の商品だ。「METAL BUILD」ではこれまで、「ガンダムエクシア」、「00ガンダム」、「ダブルオークアンタ」といったガンダムエクシアからの発展機がラインナップされていたが、はじめて「ガンダムデュナメス」のバリエーション機体が登場するのである。
さらに今回のガンダムデュナメスリペアIIIは、「ガンダムヴァーチェ」の側面も併せ持つという非常にユニークなコンセプトの機体である。巨大なGNバズーカや、両肩のGNシールドといった重量感たっぷりの武装をしっかりと支え、派手なポージングが楽しめるのは強度の強い金属関節を持ったMETAL BUILDならではだ。
モチーフとしての面白さ、METAL BUILDならではのカッコイイディテール表現と、多彩なプレイバリュー……。「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は高い満足度を感じさせてくれるアイテムだ。今回は発売に先駆けてサンプルを触ることができた。その感触を伝えたい。
ロックオンの機体へ、ティエリアの記憶を受け継ぐ者が乗るデュナメスリペアIII
ガンダムデュナメスリペアIIIは、複雑な来歴を持つ機体である。「機動戦士ガンダム00」の10周年イベントで「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」の朗読劇で語られた「劇場版 機動戦士ガンダム00」の後の世界で活躍するMSだ。
朗読劇ではイラストが公開されたが「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」製作に当たり本機をデザインしたメカデザイナーの柳瀬敬之氏と、エクシアをはじめとした「ガンダム00」の主役機を手がけ、「METAL BUILD ガンダム00」シリーズの開発に深く関わるメカデザイナーの海老川兼武氏が、改めて機体に対する設定と、商品向けギミックを練り込んでいった。
本機には「機動戦士ガンダム00」シリーズの登場人物・ティエリア・アーデの記憶を受け継ぐレティシア・アーデが搭乗する。ガンダムデュナメスにかつて搭乗していたロックオン・ストラトスと言う人物に、ティエリアはとって特別な想いを持っており、その記憶を受け継ぐレティシアがデュナメスに乗る、というのは物語を見てきたファンにとってグッと来るシチュエーションだ。
デュナメスリペアIIIはその名の通り3度の改修が加えられている。元々はロックオンの操縦特性を活かし狙撃・射撃戦向けた機体だったが、レティシアが搭乗するにあたり、ティエリアが使っていた砲撃戦向け機体ガンダムヴァーチェの特性が色濃く盛り込まれている。主武装を「GNバズーカ」、両肩にシールドとGNキャノンと遠距離からの攻撃を得意としている。デュナメスは"第3世代"のMSであるが、最新の疑似太陽炉、GNコンデンサー、武器の搭載などの改修により、その性能は第5世代にも匹敵するものとなっている。
この機体は同じように最新の改修が施された「ガンダムエクシアリペアIV」との連携を考えられている。格闘戦を挑むエクシアリペアIVを中距離から支援する戦い方が前提となっている。
弊誌ではこれまでも「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」の企画担当者へのインタビューや「METAL BUILD ガンダムエクシアリペアIV」のレビューをしている。併せて読むことで「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」の魅力をより深く知ることができるだろう。
エッジの効いた繊細なディテール、大型武器をしっかり支える金属パーツが楽しい
ここからいよいよ「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」を見ていこう。フル装備のデュナメスリペアIIIはかなり重装備の印象だ。左右のシールドに大型のGNバズーカ。膝のミサイルポッドユニットも大きく、腰のスラスターユニットも大きい。素体そのものはガンダムエクシアに似ているスマートな機体なのだが、この重装備がシルエットをマッシブにしている。
細部をチェックしていこう。ツインアイにV字アンテンナ、赤い口回りと"ガンダム"の構成要素でまとめられているが、目の印象や、両頬のダクトパーツでなんとなく地味な顔立ちに感じられる。マスク部分にスリットがなかったり、目の縁部分に隈取りがないからだろうか?
一方エクシアリペアIVと比べてみると同じ系譜の機体であることがしっかりわかる。特にガンダム00の機体を象徴する胸部分のクリアパーツ。背中から装着された太陽炉のエネルギーを受けて輝くパーツは非常に印象的だ。ちなみにエクシアリペアIV、デュナメスリペアIIIが搭載しているのは"疑似太陽炉"だが、以前の疑似太陽炉はオレンジ色の光を放っていたが、両機が搭載する最新型の疑似太陽炉はオリジナルと同じ緑の光を放つということだ。
腰回りの大型スラスターは爆発的なスピードを発揮しそうだ。そして背中のGNコンデンサーと金属のアーム。このアームがしっかりと大型の盾パーツを支えてくれる。その分動かすにもちょっと力を入れなくてはいけないが、この堅さと、しっかりした構造がポージングに安心感をもたらしてくれる。
「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」の大きなセールスポイントはやはりこの保持力だろう。シールドを翼のように広げたり、防御を意識して角度をつけたり、広さと厚みのあるシールドを自分が思い描いた角度で固定できるのは金属パーツを多用した完成品フィギュアであるMETAL BUILDならではだ。
大型のGNバズーカすら片手で保持できる。最もさすがに長時間飾ると関節に負担が大きいので、「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」は補助アームが2つ同梱されており、これでパーツを支えることができる。派手なポーズを撮らせて、ずっと飾っておくことも考えられているのだ。
もう1つ「METAL BUILD ガンダムデュナメスリペアIII」の全身のマーキングも魅力の1つだ。特に左肩のロックオンとレティシアの2つのLをモチーフとしたマークが描かれており、本機の"物語"を感じさせる。体の数カ所のそれスタルビーイングのマーキングや、胸のクリアパーツに描かれた文字など、マーキングの意味を考えて全身をチェックするのも楽しい。
ベースはしっかりデュナメスでありながら、ヴァーチェを感じさせる要素、そしてヴァーチェの内部に隠されていた"ガンダムナドレ"を彷彿とさせる要素もあり、想像力を刺激させられるアイテムだ。次ページでは各ギミックをチェックしていこう。
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